錦織圭の手首故障の原因に関する考察:(1)サーブ説【下書き版】

今回の錦織の手首の故障の原因は大別して、

(1)サーブ説
(2)フォアハンド説
(3)バックハンド説

があります。(あるいは、これらの複合要因かもしれません)

私は(1)のサーブ説を唱えています。理由は2つあります。

  1. 錦織のサーブのフォームは手首の使い方が独特であること。
  2. サーブの練習中に故障が発生したこと。

です。

 ただ、一般的にはフォアハンドにおいてウェスタングリップの選手が手首の小指側の腱を痛めやすい傾向にあるようですし、確かに、ウェスタングリップでヘッドを強く下げてみると、手首の小指側に痛みを感じます。(錦織はかなり厚いウェスタングリップです)

(グリップと手首の故障の関係に関する出典:Tennis racket grip related to type of wrist injury 情報提供:禮さん)

 ということでフォアハンド説もちょっと頭の片隅に置きながら、サーブが原因であるかどうかについて、昨日から今日にかけて集中的に、ツイッターを使って考察してみました。

 骨子は以下の通りです。

  • 錦織のサーブは、フィニッシュで手首を「前腕の内側(=手の平側)」に屈曲させるフォームであり、手首に負担がかかっているように見える。
  • このフィニッシュの形を取る選手、シャルディやレンドルなど一部の例外を除き、多くない。彼らが手首を痛めたという話は知らない。
  • シャルディ、レンドルと錦織の違いは、スイング開始時点で錦織のみが手首を「前腕の外側(=手の甲側)」に屈曲させていることである。
  • 手首を手の甲側→手の平側へと急激に変化させる錦織のフォームが手首の負担の原因となっていたのではないか。

 以上は私の「推論」であり、真偽のほどは錦織陣営あるいは第三者の検証が必要でしょう。

 一連のツイートは、「たいがー@竜王挑決三番勝負」さんと橙さんがtogetterにまとめてくれました。

 リンクを張っておきますので、ぜひ内容をご確認ください。

たいがーさんによるまとめ:錦織圭の手首故障に関する考察 – Togetterまとめ

橙さんによるまとめ:錦織圭の手首故障に関する考察 – Togetterまとめ

 全体の構成を考えず、下書きのような感覚で書き留めましたので、まとまりはありません。
 いずれ、このまとめを元ネタとしてきちんと清書したいと思っております。

 次はフォアハンド編もやってみようかなと思っています。

112 件のコメント

  • 赤黄色さん

    すごく良くなってるっていいニュースですね。

    全米でライバル達が活躍してるとちょっと焦ってしまいますが、これを機会に体の他の部分もメンテナンスして元気になってきてほしいです。

    でもやっぱり試合が見たい( ; ; )

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  • 赤黄色さん,

    圭くんの近況報告の記事ご紹介ありがとうございます。ちょっとホッとしました。順調そうですが、ともかく焦らず急がずじっくりしっかり治して下さいね。
    4週間後を楽しみに待ちたいです。

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  • サーヴ&リターンに関係するトピックとして、フォーラム「テニスコート🏟ラケット🏓とボール🎾」に、エース率とCourt Pace Index (CPI)相関関係について纏めてみました。プロットは、こちらです。2016年のデータです。マスターズとグランドスラムのデータを纏めてありますが、一部データが完全でないので、特にグランドスラムは推定値です。サーフェスとボールの種類も記入してあります。

    ◯ Tennis Abstractの記事にあるように、10%程度の誤差の範囲内で良い相関が見られる。
    ◯ マドリードでエース率が高いのはたぶん高地(海抜667m)の影響。
    ◯ インディアン・ウエルズのデータが低いのは、湿度の影響か?またボールがよく跳ねることが知られている(錦織選手が苦手)。
    ◯ ロンドン・ファイナルズのエース率が低いのは、8人のトップ・プレーヤーで良いリターナーが多いためと考えられている。上海はちょっと不明。
    ◯ サーフェスとボールとの相関もみられる。
    ◯ ウインブルドンは遅くなっている。

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  • 選手の大型化の話ですが、今日のTennis Abstractにブログ記事「How Much Does Height Matter in Men’s Tennis?」が出ています。25歳の選手156人xシーズンについてサーヴ&リターンについて身長ごとに、勝率、ポイント勝率(55%取ればNo.1)、サーヴ・ポイント勝率、エース率、1stサーヴ・ポイント勝率、2ndサーヴ・ポイント勝率、リターン・ポイント勝率、1stリターン・ポイント勝率、2ndリターン・ポイント勝率について調べた結果、もちろんサーヴは背が高い方が有利だが、リターンは背の低い選手の方が得意。両方のパフォーマンスを維持するには190cmくらいまでがよいと。

    錦織選手のパフォーマンスについては、先日コメントしたようにフォーラム「スタッツに基づく錦織選手のパフォーマンス」に纏めてありますが、錦織選手のリターンはBig4並みです。

    ATPスタッツでの身長が低い選手の過去52週のリターン・リーダーは、
     2位 シュワルツマン 170cm
    11位 錦織      178cm
    13位 ゴファン    180cm
    16位 フォニーニ   178cm
    21位 フェレール   175cm
    25位 杉田      175cm
    44位 コーリー    178cm
    と上位を占めています。

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  • Top Spin Tennisというサイトが、錦織選手のフォアハンド・ショットの特徴を解説しています。ビデオはこちらからです。フィニッシュで手首を折っているようにみえますが、ビデオのコメント欄で手首に問題があるとみるか、ちょっと聞いてみました。

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  • たぶん他のどこかにもあるんだと思いますが、錦織選手の割と最近の(今年の)サーヴ、フォアハンド、バックハンドの動きをスローモーション(コマ送り可能)で確認することができるサイトがあります。

    錦織選手は、フォアハンドはかなり厚いウェスタングリップです。サーヴは確かにかなり手首を折ってますね。バックハンドについては、ケガ情報のまとめで紹介したDr. C.R. Sforzo(NBTA特別顧問)の解説では、
    ◯ ウエスタンのような極端なグリップでは、(他のグリップに比べ得て)筋肉や腱に余計な力がかかる。バックハンド両手打ちには、ボトム側はコンチネンタル、トップ側はイースタン・フォアハンド・グリップを勧める。
    とありますが、錦織選手の両手バックハンドは教科書に載せても良い「Perfect Position」例とされています。故障前のビデオをみると、右手首は少しだけ折れてますが、ほとんどまっすぐに見えます。なので、故障の原因がバックハンド説がありましたが、小生はむしろサーヴかフォアハンドではないかと思っています。

    いずれにせよ、今回フォーム改造があるのか注目したいですね。

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  • 錦織選手は来週のニューポート・ビーチCHから復帰の予定ですが、センター・コートのライブカメラでサーヴの練習の様子が見られたのでスナップショットを撮ってみました。上のサーヴ、フォアハンド、バックハンドの動きをスローモーション(コマ送り可能)で確認することができるサイトブリスベーンでの映像と同じタイミングで比べてみました(比較映像のまとめ)。

    ニューポート・ビーチのサーヴ練習は100%で打っているようには見えないし、スナップショットはデュースサイドとアドサイドのサーヴが混じっており、フラットサーヴなのかスライスサーヴなのかどうかよく分かりませんが、比較してみると、以前に比べて、1)テイクバックの右腕の位置が高い、2)トロフィー・ポーズで胸を張っていない、3)フォローで以前のように90度手首を折ってはいないように見えます。フォローからすると、プロネーションではないようですね。

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  • 禮 さん、ありがとうございます(`・ω・´)ゞピシッ!
    実際の試合を色々な角度から何度か観てみないと(せいぜいTVかライストですが・・・(*´Д`))何とも言えませんが、少なくとも右腕(右肘)の位置が高くなっているのは、良いことだと思います(V)o¥o(V)ええでぇ~(V)o¥o(V)
    手首や肩を痛めた選手が、予めラケットを担いでから、トスアップをすることで負担を軽減させた例もあります。
    トスアップ時点で、右肘が肩よりも平行以上の位置にあることは、基本的なことではありますが、やはり大事なことだと思います(`・ω・´)ゞピシッ!

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  • 下団さま、

    はい、スローモーションの高精度画像を観たいところですね。トスアップの変化は、サーヴのフォームを変えたジョコビッチに似ていると思いました。あと、プロネーションにするべきと以前から言われてますが、そのように変えるのか興味があるところですが、少なくともまだ(以前よりは浅い角度に見えましたが)手首を折っているように見えます。

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  • 錦織圭のサーブが弱いのはレベルの問題でなく、間違った打ち方のためです。
    サーブは通常グリップが頭の後ろの位置でラケットを切り返し打ち出します。
    錦織はグリップが肩より低い位置から打ち出す為、打点で壁がつくれません。フォロースイングは必然的に手首が曲がりラケットのヘッドが下を向きます。この時手首が身体側にひねられるのがて手首を痛める原因です。
    復帰後手首をかばうためサーブのラケットの握りをコンチネンタルグリップから内側にずらして、インパクト後のひねりをなくすことで対処しています。
    根本的な問題を考えなおす必用があると思います。

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  • 錦織選手がアカプルコでなぜフォーム(インパクト時に両足を揃える)を元に戻したのかナゾですね。フラットで打った1stサーヴは、全部サービスラインの1m向こうに飛んで、全く入りませんでした。長期離脱の間にサーヴの改善には真剣に取り組んだ、とインタビューで語っていたと思うのですが。あと、フォアハンドの問題が以前から変わっておらず、もっと深刻な問題に思えます。

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     テニスを愛する理系人間。よく理屈っぽいと言われる。  プレースタイルはサーブアンドボレー、というよりサーブ。ストロークは弱い。  2008年2月15日に本ブログを開設。その数日後に錦織圭はあのデルレイビーチ優勝を成し遂げる。  錦織圭の存在を知ったのは2004年。その後2006年全仏ジュニアベスト8で再注目。2007年のプロデビュー(AIGオープン)で錦織の試合を初観戦。その後の活躍を確信し、今に至る。