QFまでのリベンジ包囲網を突破せよ! 全米の展望

 
 開催国選手の活躍が目立った北米マスターズ2大会も終わり、いよいよ北米ツアー最後の
大一番、全米オープン(対日時差:-13Hr)が来週に迫ってきました。
 
 正直、ここまでの北米ツアーでの圭の成績(3勝3敗)は、10位付近以下の多くの選手と同様、
あまり芳しくありません。また、ポイント的にも去年の同時期の3大会(ロンドン五輪含む)に対し、
90ptの借金を負ってしまっている状況です。
 
 しか~し、大一番の全米でブレークさえすれば、そんなことは関係なくなります
 
 8/19付の圭のRKは12位ですが、全米の基礎点ベースでは、9位のGasquetとの差は
130pt(対Wawrinka:115pt、対Raonic:60pt)しかありません。 したがって、ノルマの
ベスト16(180pt)に入るだけでもトップ10入りの芽があり、首尾良くベスト8(360pt)に
入ろうものなら初のトップ10入りの可能性が大となります。
 
 幸い全米のサーフェースは圭好み。しかもシンシナティ1R敗退のおかげ(?)で、目下のところ
腰を据えて諸々の調整に取り組めている状況ではないでしょうか?
 錦鯉が遠慮していても仕方ありません。 ここは、圭のポテンシャルの高さと真摯な努力の成果を
信じ、全米での大ブレークを期待してしまいましょう。
 
 
 それでは、現時点(8/25最終更新)での全米のエントリー&シード状況です。
 
・各選手のRKは8/19付
・各選手の成績は全英以降の公式戦(ハードコートツアー)でのもの
・Mo:Montreal(ATP1000,ハード,56ドロー)
・Ci:Cincinnati(ATP1000,ハード,56ドロー)
・Wi:Winston-Salem(ATP250,ハード,48ドロー)
 
 
#1 Djokovic, Novak SRB 1位 5勝2敗 Mo-SF・Ci-QF
#2 Nadal, Rafael ESP 2位 10勝0敗 Mo優勝・Ci優勝
#3 Murray, Andy GBR 3位 3勝2敗 Mo-3R・Ci-QF
#4 Ferrer, David ESP 4位 1勝2敗 Mo-2R・Ci-3R
 
#5 Berdych, Tomas CZE 5位 4勝2敗 Mo-3R・Ci-SF・Wi棄権
#6 Del Potro, Juan Martin ARG 6位 9勝2敗 Mo-3R・Ci-SF
#7 Federer, Roger SUI 7位 2勝1敗 Mo不参戦・Ci-QF
#8 Gasquet, Richard FRA 9位 2勝2敗 Mo-QF・Ci-2R
 
できれば当たりたくない上位対抗シード(#5~#8)選手の順番
  Del Potro≒Federer≧Berdych>Gasquet
 
 
  全米では初めて#12シード以上が貰える大会。
  しかし、先日力負けしたGasquetが最も楽な上位対抗シードに思えるくらい
ですから、ベスト8に入るためのハードルはやはり高いです。
 
  この4回戦はドロー運に期待というよりは、もう「誰がきても勝ってやる」くらいに
圭のテニスの状態が上がっていることを期待したいです。
 
#9 Wawrinka, Stanislas SUI 10位 1勝2敗 Mo-2R・Ci-2R
#10 Raonic, Milos CAN 11位 8勝3敗 Mo準優勝・Ci-3R
#11 Nishikori, Kei JPN 12位 3勝3敗 Mo-3R・Ci-1R
#12 Haas, Tommy GER 13位 6勝3敗 Mo-2R・Ci-3R
   
#13 Isner, John USA 14位 13勝3敗 Mo-1R・Ci準優勝・Wi棄権
#14 Janowicz, Jerzy POL 15位 2勝2敗 Mo-3R・Ci-1R
#15 Almagro, Nicolas ESP 16位 0勝2敗 Mo-1R・Ci-1R
#16 Fognini, Fabio ITA 18位 1勝2敗 Mo-2R・Ci-1R
  
#17 Anderson, Kevin RSA 20位 7勝5敗 Mo-1R・Ci-1R
#18 Tipsarevic, Janko SRB 21位 2勝4敗 Mo-1R・Ci-2R
#19 Robredo, Tommy ESP 22位 3勝2敗 Mo不参戦・Ci-3R・Wi-3R
#20 Seppi, Andreas ITA 23位 1勝3敗 Mo-2R・Ci-1R・Wi-2R
#21 Youzhny, Mikhail RUS 24位 2勝2敗 Mo-2R・Ci-2R
#22 Kohlschreiber, Philipp GER 25位 1勝2敗 Mo-1R・Ci-2R
#23 Lopez, Feliciano ESP 26位 2勝2敗 Mo-1R・Ci-3R
#24 Paire, Benoit FRA 27位 3勝3敗 Mo-3R・Ci-1R・Wi-3R
  
できれば当たりたくない下位対抗シード(#17~#24)選手3人
  Robredo≒Lopez≒Youzhny

 
  下位対抗シード群では、今非常に強いIsnerが抜けてくれたのが大きいです。
  とはいえ、上記に挙げた3選手を筆頭に、全8選手が要注意レベルであり、過半数の
選手には怖さを感じます。
 
  この3回戦は誰がきても勝たなければならないラウンドではありますが、相手によって
戦い方や勝算が変わってくることも事実。 上位対抗シード以上にドローが気になって
しまうところです。
 
#25 Dimitrov, Grigor BUL 28位 4勝3敗 Mo-1R・Ci-3R
#26 Querrey, Sam USA 29位 4勝3敗 Mo不参戦・Ci-1R・Wi-SF
#27 Verdasco, Fernando ESP 30位 2勝1敗 Mo不参戦・Ci不参戦・Wi-QF
#28 Monaco, Juan ARG 31位 2勝2敗 Mo不参戦・Ci-2R・Wi-3R
#29 Melzer, Jurgen AUT 32位 5勝2敗 Mo-1R・Ci-1R・Wi優勝
#30 Gulbis, Ernests LAT 33位 3勝2敗 Mo-QF・Ci-1R
#31 Benneteau, Julien FRA 34位 2勝3敗 Mo-1R・Ci-3R
#32 Tursunov, Dmitry RUS 35位 9勝3敗 Ci-QF(予選突破)・Wi-QF
 
OUT:Tsonga, Jo-Wilfried FRA 8位
OUT:Simon, Gilles FRA 17位
OUT:Cilic, Marin CRO 19位
 
 
以下、要注意ノーシード選手抜粋(RK順)
  ※今週のツアー成績により追加・削除の可能性あり
 
・Pospisil, Vasek CAN 39位 8勝3敗 Mo-SF・Ci-2R
・Granollers, Marcel ESP 42位 2勝2敗 Mo-2R・Ci-2R
・Istomin, Denis UZB 65位 5勝5敗 Mo-3R・Ci-1R・Wi-1R
・Hewitt, Lleyton AUS 67位 3勝2敗 Mo不参戦・Ci不参戦
・Monfils, Gael FRA 43位 4勝1敗 Mo不参戦・Ci不参戦・Wi準優勝
 
  
  
 ちなみに、他の日本男子勢では、添田、杉田、伊藤、守屋の4人は予選からの参戦見込み。
 ダニエルについては、予選のDA待ち(現状Alt.10番手)の状態となっています。
 
 この全米のメインドローは、8/22(木)の正午、日本時間では8/23(金)の深夜1:00よりセレ
モニーが開催される予定です
。 全英での添田のような日本男子勢の予選突破に期待しつつ、
まずはメインドローの結果に注目していきたいと思います。
 
 
以下、ドロー発表後の追記
--------------------------------------
 
 8/23の2時頃(日本時間)に発表されたメインドローは、全体としては#2Nadalのクォー
ターブロックで、上位対抗シード:#7Federer下位対抗シード:#19Robredo1Rの相手
は予選勝者
2Rの相手はTomic(52位)とRamos(74位)との勝者といった内容となりました。
 
http://www.usopen.org/en_US/scores/draws/ms/msdraw.pdf

 
 下記は、ベスト8進出までの全選手のドローおよび関連情報です。

*各選手のRKは8/19付
*各選手の成績は全英以降の公式戦(ハードコートツアー)でのもの
*Mo:Montreal(ATP1000,ハード,56ドロー)
*Ci:Cincinnati(ATP1000,ハード,56ドロー)
*Wi:Winston-Salem(ATP250,ハード,48ドロー)

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・[#7] Federer, Roger SUI 7位 2勝1敗 Mo不参戦・Ci-QF
・Zemlja, Grega SLO 61位 0勝3敗 Mo-1R・Ci予選2R・Wi-1R
 
・Giraldo, Santiago COL 86位 4勝3敗
・Berlocq, Carlos ARG 48位 0勝0敗 
-------------------------------------
・Zeballos, Horacio ARG 50位 0勝0敗
・Mannarino, Adrian FRA 63位 2勝3敗 Mo予選2R・Ci-1R(予選突破)・Wi-1R
 
・Pella, Guido ARG 94位 1勝1敗 Wi-2R
・[#26] Querrey, Sam USA 29位 4勝3敗 Mo不参戦・Ci-1R・Wi-SF
-------------------------------------
・[#19] Robredo, Tommy ESP 22位 3勝2敗 Mo不参戦・Ci-3R・Wi-3R
・Matosevic, Marinko AUS 56位 6勝3敗 Mo-QF(予選突破)
 
・[Q] Dancevic, Frank CAN 153位 1勝1敗 Mo-2R
・Haase, Robin NED 59位 2勝1敗 Wi-3R
-------------------------------------
・Tomic, Bernard AUS 52位 1勝2敗 Mo-1R・Ci予選1R
・Ramos, Albert ESP 74位 0勝0敗 Mo予選1R・Ci予選1R
 
・[Q] Evans, Daniel GBR 179位 0勝0敗
[#11] Nishikori, Kei JPN 12位 3勝3敗 Mo-3R・Ci-1R
-------------------------------------
  
  
1回戦について
 別途のプレビュー記事参照。(8/25にはアップ予定)
 予選2R進出中の選手の中ではKarlovic(78位)、Devvarman(113位)、Weintraub(188位)辺りには
少し怖さを感じますが、そうは言っても予選勝者相手の1Rで負ける訳にはいかないですよね。
  
  
2回戦について
 Ramosはこてこてのクレーコーター。3月のマイアミ以降まだハードコートでの勝ち星がないくらい
ですから、やはりここはTomicが来るでしょう。ただ、そのTomicもあまり好調とは言えないようです。
 
 実質的には、比較的恵まれた2回戦と言えると思います。このラウンドについてはただ勝つだけでは
なく、体力を温存しつつも3回戦以降に向けた加速をつけてほしいところです。
 
 
3回戦について
 対抗シードとしての[#19]Robredoは、想定中最もきつい部類に入ると思います。ただ、このRobredoの
シード山は、圭の山に比べ、かなりタフなブロックになっています。
 ドロー前には見落としていましたが、今のMatosevicはかなりの要注意選手です。Robredoとの1Rは
恐らく激戦になるでしょう。また、好調をキープしているHaaseの力も侮れません。
 
 結果的に上がってきた選手が相当に強いことは間違いなく、圭にとってこのラウンドが最初の山場
なるでしょう。
 相手はRobredoかMatosevicの可能性が高いと思いますが、恐らくは1回ないし2回の激戦を経て、
かなりの消耗をしていることが想定されます。圭としてはこのアドバンテージを活かして、効率の良い
(漁夫の利的な?)勝利をものにしたいところです。
  
  
4回戦について
 ここでの相手の大本命は、やはりFedererです。対抗不在で大穴Querreyといったところでしょうか?
 ラケットを元に戻したFedererは、ハードコートシーズンに入って本来の調子を取り戻しつつあります。
 
 正直冷静に考えれば、復調中のFedererが球足の速いハードコートで圭に連敗する可能性は高くはない
でしょう。ただ、圭としても、まさにこのようなシチュエーションでのFedererとの再戦を望んでいたはずです。
 マドリードの時のような攻めのテニスを貫徹し、できればここでも勝ってほしいですね~
 
   
全体俯瞰
 今回のドローは、ベスト32までは比較的恵まれたが、シード選手との当たりとしてはきつい、といった
感じだと思います。
 
 それでも、最初の山の3回戦には何としても勝って、ベスト16には確実に入らなくてはなりません
 そして、あのFedererにも連勝し、今最強のNadalとの対戦を是非実現してほしいですね。
 
  
 圭の1回戦の相手を決める予選の2Rは、雨サスの中断からやっと試合が再開されたところです。
 圭の1回戦のプレビュー記事は8/25(日)にはアップする予定ですが、それまでは添田・伊藤・守屋の
頑張りを含めた予選の戦況に注目していくことにしましょう。
  

71 件のコメント

  • 私も錦織圭とフェデラーは同じくらい大ファンですが、錦織圭が絶好調で大事な所でのイージーミスがなければフェデラー相手でも可能性はあると思います。

      引用  返信

  • 人が限界をこえようとするとき、天の意思を感じるようなシチュエーションが現れます。(自分の経験ですので読み流してください)。ロブレド、フェデラー、ナダルという願っても組めないようなドローがくまれました。圭くんには素晴らしいドローだと思います。たとえ今回うまくいかなかったとしても、機が熟せば更なるチャンスがくるはずです。心から祈るような応援をしたいです。(ちょっとオーバーヒート気味)まぁ意味不明なおしゃべり、大変失礼いたしました。

      引用  返信

  • あかねさんに1票(*^^*)♪

    夢かも知れないけど、実現をはげしく希望!!!

    カモーン、圭!d=(^o^)=b

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  • 今期不調でも全米のフェデラーは攻撃力高いですからねー
    かといってランキングからしてもう対戦相手で一喜一憂してる段階でもないのかも
    入るならドロー運でなく上位選手に真っ向勝負してtop10入りしてもらった方が気持ちがいいですしね
    頑張ってくれ〜

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  • ベスト4どころか優勝する可能性だってある。
    もちろん可能性は低いけど、全くないとは言えないくらいのポジションにはいると思います。
    それには運も味方につけなきゃダメ、我々にできるのは祈ることだけですね。

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  • 全米予選勝者のポジションとWinston-Salemの金曜日までの結果を、本文の各リストに反映させました。
    圭の初戦の相手は1年年下。身長は圭より低い(175cm)ようです。
    また、Nadalへの刺客の1人、Monfilsが決勝に進みましたね。Winston-Salemで燃え尽きないようにしてほしいですw

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  • いよいよですね。
    http://sportsnavi.yahoo.co.jp/sports/tennis/all/2013/columndtl/201308230001-spnavi
    この記事読んだら、改めて気が引き締まる思いがしました。
    目の前の試合に勝つことも大事、でも、その場しのぎではなく
    先を見据えて、GS優勝というゴールに向かって
    着実に力をつけ、業と術を学んでいく過程が今の圭くんかな、と思っています。
    とにかく怪我なくすべてを終え、少しでもその過程を前進する全米でありますように!

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  • Chrisちゃんさん、記事紹介、ありがとうございます。
    流石はプロのライター、読み応えもありましたし、新たな視点ももらいました。

    かなり刺激を受けたので、この記事のキャッチタイトルも変えようかと思っていますw

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  • 今年の全米のスケジュールは、男子決勝が月曜日(9/9)になった関係で、男子1Rは水曜日に入る可能性もあるようです。
    月~水のどの日に入るかはみんなが知りたいプレミア情報なので、公開可能な情報をお持ちの方がいらっしゃったら、ソースとセットで情報提供いただけるとありがたいです。

    >赤黄色さん、そうなんですよね。私は坂本氏(S級)のツィートで知りました。確か、修造氏の得意先でしたよねw

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  • モンフィスは前哨戦途中リタイアみたいですね、心配です(>_<)

    錦織くん、月曜日第一試合に入りましたね(^-^)

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  • Picked up my shoes at adidas and some grips, strings and a bag at Wilson Tennis. Ready for Monday. First match at 11am on court 13.
    圭君のfacefookの言葉です

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  • シヌさん、chachaさん、感謝です! こんなに早くOOPが出るとは思ってませんでしたw
    (WOWOWさん、いつもながらGood Jobです!)

    ところでタイトルにも書きましたが、準々決勝までに対戦する可能性の高い以下の選手達、
    Tomic、Ramos、Robredo、Matosevic、Haase、Federer
    全て過去全勝もしくは直近に勝利している選手ばかりなんですよね。

    まさにリベンジ包囲網。圭の本当の力が試される試金石になっていますよね。

      引用  返信

  • WOWOW全米オープン最新情報 での圭君、フッワークも軽やか膝のテープもなくジョコとスピード感ある練習風景 とても元気そうでワクワクしてきますね。

      引用  返信

  • おっと、8/26(月)のRKが既に発表されていますね。
    やはりGSのある週は、ATPのスタッフも張り切っているようですねw

    ちなみに全米の運営はITF。組織としてはATPは蚊帳の外なんですが。

      引用  返信

  • いよいよ、今夜、圭君の試合が見られると思うとドキドキしますね。
    一戦一戦、大切に戦ってほしいです。

    どうやら、昨日だか今日だかは、マレーと練習したみたいです。(どこかのツイッター情報)
    なかなかラファとは練習しませんね・・・。

    圭君とは直接関係のない話ですが、ATPの40周年のセレモニーのビデオ見ました。
    過去のYE♯1が順番に名前を呼ばれて席に着く姿は壮観で、FED、ラファ、ジョコの3人が呼ばれたときは、とっても感動しました。ハイライトもいいんですけど、全中継の録画もよかったので貼っておきます。
    http://www.atpworldtour.com/News/Tennis/2013/08/34/Heritage-No1-Celebration.aspx

      引用  返信

  • すみません、すっかり勘違いしてました。
    明日の夜の間違いです。
    相変わらず時差の計算ができてないですm(_ _)m

    なんで日本はこんなに早いのか。
    いつも待ちくたびれてしまいます。

      引用  返信

  • セルタさん、わたしもうれしいです。
    ところで圭君がshotmakerだとよく言われますが、いまいちよくわかりません。どういうことかどなたか教えてください。

      引用  返信

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