【鼻血対象試合】久しぶりに実現したテニスの神との対戦を堪能せよ!(2018上海準々決勝 vs. フェデラー)

2018 Shanghai (Masters 1000)
Quarterfinal
Kei Nishikori[8] vs. Roger Federer[1]

現地時間 2018年10月12日(金) 18:00以降の2試合目
日本時間 2018年10月12日(金) 19:00以降の2試合目

試合の展望

タイトルの「堪能せよ!」は錦織に向けてではなくて我々ファンに向けてです。
錦織にももちろんフェデラーとの対戦を堪能してほしいですが、それだけではなくて勝負の鬼となって神様を倒してほしいと思っています。

テニスの神様との対戦は2017年全豪4回戦以来です。悔しい負けでした。この試合をきっかけにフェデラーは復活ロードを驀進することになりました。
ただ、あのときもサービスゲームが完璧だったフェデラーに対し第4セットを奪い返すという粘りを見せている錦織です。あの流れで第4セットと取ったことは非常に驚きました。

当時、フェデラーの代わりに錦織がビクトリーロードを駆け上がる可能性も感じていました。全米のマレー戦勝利など、2016年はベストシーズンでした。そしてIPTLで進化したテニスを見せられ、2017年は錦織の年になる予感もありました。それが、あんな年になってしまうとは・・・。

いや、過ぎたことを悔やんでも仕方ありません。今年、錦織は見事に復活。そしてFinalsに向けた最後の戦いに挑んでいます。元気に戦えていることが嬉しいですし、素晴らしい復活イヤーとなっています。さらに、ここから1勝でも多く積み上げ、来年は頂点を目指す体勢を整えたい。

ここから先強調したいので太字にします。

チャレンジャー1回戦負けで始まり、「コートに立っているだけで嬉しい」状態からスタートしてここまで復活してくるとは。感慨深いものがあります。

楽天決勝で敗退した時のような状況は、その試合だけに注目してしまい悲観的になってしまうものです。それは人間の心理として自然なものですので否定はしませんが、その一方で客観的な目も同時に持つことをお勧めします。

数日経って振り返って見てどうでしょう? 新しい大会が始まり、再び勝ち上がることの難しさ、そしてそれを達成してきている錦織の強さを再認識しているのではないでしょうか。
決勝で勝ててないことは確かに気になります。しかしここ数ヶ月、ちゃんといいプレーが続いているんですよ。
「準決勝までの強い勝ち上がりを忘れてはいけない」このことの意味が、今なら実感できるのではないでしょうか。決して負け惜しみではないんです。

全米720、メス90、楽天300、上海ここまで180

これが最近稼いだポイントです。けっこう凄いですよ。
その結果がレースランキング8位まで伺おうかという今の立ち位置です。

同時に、他の選手も結構負けてるってことでもあります。
いつも勝ってるのはほんの一握りの選手です。

チリッチは連続初戦敗退。
錦織がこんなことになったら、このブログはどうなっていることやらw
でも、チリッチはやはり強い選手として認識されていますよね。
錦織と対戦したら、やっぱりファンとしても恐怖を感じるはず。

錦織と対戦する他の選手、他の選手のファンも同様です。
我々は錦織にフォーカスし過ぎてしまっているので、ダメなところまで良く見えてしまいます。
そういうときは、素晴らしい点も同様に思い出すようにしたいです。
モンテカルロ決勝に行ったあの日のこと、忘れていませんか?と言いたいです。

逆に良い時にも浮かれすぎないことも重要です。
2014年全米直後の状態ですね。
浮かれすぎると、自分の期待通りでない時の反動によりさらにひどいことになります。
結局、勝ち続けない限り批判を浴び続けることになります。
テニスをよく知らない人はある程度しょうがありません。メディアから入ってくる情報しかありませんから。
でも錦織の試合を直接的に見ている我々は、良いところも悪いところも同様に、正当に評価してあげて(ただ、何をもって正当かを言うのは難しい)、個別の試合の分析批評はするけども(それもファンの楽しみの一つ、上から目線と言うのは野暮)、ファンならば錦織が挑戦する限り、希望を持って応援し続ける!! よく知らない人が、「でも格下だったんでしょう?」(昨日、実際に私が人に言われたセリフw)と言ってきても、イラつかず冷静に、「テニスに興味を持ってくれてるんだな」とむしろ好機ととらえ、ツアーの過酷さを丁寧に説明してあげる!
これが、楽しむコツかなと思います。
私は人にどう思われようが気にしないので、テニスLOVE、錦織LOVEを公言して変人扱いされていますが、気にしなくなればむしろ心地よいものですw
好きなものを好きと言えることは気持ちのよいものですよ。皆さんもぜひw

今日の試合に負けてしまえばファイナル出場が遠のいてしまい、この私の言葉の説得力も半減してしまうかもしれませんが、勝った後に言っても後付けとも取れる、先に言っておきます。

さて、今大会のプレーぶりを見ると、フェデラーは決して調子が良くないように思えます。2回戦メドベージェフ、3回戦バウティスタアグーともファイナルセット6-4と辛勝ですし、ミスが多く見られます。

対する錦織は安定したプレーを見せていると思います。
ただ、ちょっと2回戦でサーブの確率が低かったことが気がかりです。
キープ合戦になると思うので。

調子が良くないといってもフェデラーのサービスゲームはブレイクすることは至難の業です。
プレイスタイル的にはビッグサーバーにはカテゴライズされませんが、キープ率は確かツアーでもトップ3位内で90%を超えていたと思います。
サーブは豊富な球種に加え確率が高く、プレースメントが非常任厳しいことで有名です。
セカンドサーブは間違いなく世界最高です。ダブルフォルトも世界一少ないはず。
要するに、コントロールが世界一です。

となるとリターナーは効果的なリターンが打てず、理詰めの3球目攻撃を受けるはめになります。
確率が下がる僅かな時間帯を突いて攻撃することが必要になるでしょう。

つまり、試合運びとしては対ビッグサーバーと似たような感じで臨む必要があります。すなわちサービスゲーム重視です。
そのためには連続した簡単なミスを減らすことです。3回戦はありませんでしたが、2回戦は第1セットでそれをやってしまったために落としてしまいました。

フェデラーはサーフェスの速さを活かしてネットプレーを多く仕掛けてくるでしょう。
ここは思い切り良くプレーすることが鍵になります。
セカンドサーブをリターンダッシュされることは十分に警戒したい。
常にそうですが、1stサーブの確率が鍵になります。

弱点のないフェデラーですが、強いて言うならやはりバックハンドを多く打たせたいと思います。
ただ、単調なクロスは通用しないのでフォアへの配球をまぜつつ走らせることが、体力面からも有効です。

錦織はフォアのストレートが良くなってきているのが好材料です。
まだミスは残っていますが、悪いときは力が入ってスイングが小さくなったり、ボールが内側に入ったりします。
今はミスになるとしてもラインに沿って飛んでいますし、ちょうど良いスピードとプレースメントのバランスを保っているように見えます。
フォアのストレート→バックのストレート(クロスも可)、のコンビネーションを多く出したいところです。

しかし、頭の中のシミュレーションをしてもなかなかフェデラー攻略は難しい。穴がない。
錦織の勝算がフェデラーの調子の悪さに期待してもものである限り、あまり頼ることができない予想になってしまいます。
ここは錦織の持つ長所であるオプションの多さ、敏捷性、バックハンドDTLなどの武器をどれだけ頻度高く見せられるかという点に注目しながら見るとよいでしょう。

ネットプレーが一つの鍵になる気がします。
錦織のネットプレー、最近かなり良いと思います。
ジョコビッチにも通用しています。
パターンが確立されてきて、1本のフォアボレーで簡単に決まる場面が増えてきました(ナダルのような感じで)。
バックボレーは昔から面感覚があり、非情に上手いですし。
スマッシュもミスしませんし。
自分からネットに出るということはフェデラーにネットに出させないということでもあります。
サーブアンドボレーは減っているのにネットプレーの回数は増えているように思います。
ネットプレーへの意識は中に入ってストロークを打つ意識も高めてくれます。
チャンスがあればすぐネットに出るような積極的なプレーを期待します。

ああ、楽しみです!!
当然、鼻血対象試合です。

なお、デルポトロが棄権したことは錦織に内緒にしておいてください笑

それでは今晩、歓喜のレビュー記事でまたお会いしましょう(またこれ)。

応援フード

いくつになってもフェデラー(選手)はフェデラー(選手)
対戦のもつ意味が違います

圭くん、貴重な機会を物にしたからには、頑張ってね〜

micchi

260 件のコメント

  • デルポトロ選手の右膝骨折の悲報に言葉もありません。
    神様はなぜこんなにも過酷な試練を彼に与えるのか?
    只々、一日も早く回復し、またコートで輝く姿を見せていただきたいです。

    テニス選手というのは、あらためて怪我と隣り合わせなのだと再確認しました。
    どの選手もシーズン終盤で疲れが溜まってる中、特にファイナルを争っている選手達は無理をする状況もあるかもしれませんが、どうか誰も怪我なくシーズンを締めくくってほしいです。

      引用  返信

  • デルポトロ選手、残念です
    しかし彼のように怪我が長引いて、満足にキャリアを送れない人も多い中、怪我がちとはいえ、というよりなのに、肘の怪我いこう長期間の離脱がない錦織選手を見れる我々は幸せですね。今回の怪我も長引くかと思いきや、ファイナルまであと一歩のところまで来てしまいました。
    デルポトロ選手には悪いですが、是非このチャンスをいかしてほしいです。

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  • デルポトロ選手の怪我(骨折)、記事を読んだ今も信じられません。
    でも、ということは・・・・錦織選手の順位は暫定ながら:8位:ということになり、後の大会の成績如何では、ロンドンFinalに出場できるということになるのですね。(ムムムム・・・・)
    デルポトロは何という悲運(涙)・・・・昨年はビッグ4やバブリンカが怪我をして不参加でしたから、過酷さは想像を絶するものがありますね。
    デルポトロ選手の復帰をお祈りします。頑張れ、デルポン!

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  • デルポさんの骨折はショックです。が、まだ手術等の発表はないようなので今後の情報を待ちたいです。どうか、できるだけ軽いものでありますように。少しでも早い回復を祈るばかりです。

      引用  返信

  • カムイさん,

    >やっぱり、日本人 錦織は勝負事でも年長を敬ってしまう心根がある 欧米人 コリッチ ズブレフにはその感覚は勝負事では皆無(フェデラー ナダル ジョコビッチ マレーも)

    これはちょっと違うのではないですか?こういった事を日本人とか欧米人でくくってしまうのはどうかと思います。
    それに、フェデラー選手との勝敗がリスペクトしているかどうかで決めてしまうのは、チョリッチ選手にだけではなくて錦織選手にも失礼なのではないでしょうか❗

      引用  返信

  • 私もどなたかのツイッターで知りました( ̄ー ̄)
    デルポトロ選手本人はもちろんのこと、コーチはじめスタッフの方々も、
    熱烈応援のファンの皆さんも残念で悔しい思いをされていますね……。
    骨折した膝蓋骨は今まで怪我で悩まされてきたところではありませんよね?
    試合中に転んだ時のアクシンデント………。誰にでもありうる突然の怪我…
    というのが、ホントにホントに怖いことです(>_<)
    今期は充実した戦いぶりで今ランキング4位まで到達(一時3位も!)
    1年を通して活躍してきた選手にとって、この最終盤はフィジカル的にも
    非常に厳しい状況を抱えることになるというのがよく理解できます。
    全豪後からの復帰の錦織選手が今こうして元気なのも、試合数が関係して
    いるかな? ポイント的には全豪など欠場分がごっそり抜けたわけですが、
    元気に戦えていることで3000ポイントも稼ぎ、トップ10入りも目の前。
    元気でいることのありがたさと怪我への恐怖が混在した心境です。
    デルポトロ選手には、治療に専念してもらって必ず来期はじめから復帰で
    きるように祈っています🙏

      引用  返信

  • デルポトロ選手、何という悲運でしょうか!
    今年は完全復活したと、嬉しかったのに……!
    5年振りのファイナルズ決めていたのに……!
    チョリッチ戦で、足踏み外すように転倒して膝を負傷したらしいと、記事にはありましたが、その映像は観ていません。
    整形外科的知識、皆無で判らないのですが素人考えとして、すごく背が高かったり手足が長すぎる故の、怪我や骨折というのも有るのかと? 背の高い人は、その骨格を維持する為の筋肉量が重要なのかと?
    デルポトロ選手の姿を思い浮かべて、ふとそんな事を思いました。
    辛いですが……この与えてくれた機会を、錦織クンが活かせる事を願いたい!!

      引用  返信

  • デルポトロ選手の怪我、あまりにもショックで思わず涙が
    ボロボロこぼれました。
    (泣くことなんてめったに無いんですが・・。)
    悲しくて残念でなりません。
    彼の不屈の闘志で、絶対にまた復活してくれると信じます。

      引用  返信

  • ROM様
    コリッチの情報ありがとうございます。
    でもリンク先(face book)にアクセスできませんでした。

    調子いい時はジョコビッチのようにプレーできて、調子悪い時はマレーのしぶといテニスを参考にするような意図だったのかもしれませんね。

    youkoさん
    コメントどうも。ちょっと乱暴なこじつけだったかもしれませんね。団長の言う大事な一本を錦織は取れない理由がフェデラー ジョコビッチに対する畏敬の念が1つの要因なのではという類推でした。
    コリッチのフェデラー戦は、それはもう倒すべき単なる相手感が強かったので。
    まぁ、錦織が負けて コリッチが勝った理由をその辺に私が求めたかっただけです(直接対決では勝ってくれると信じてるので)

    思えば、2年前の全豪オープンが大きな試合でしたね。
    あそこで圧勝の可能性もありましたが違った結果となり、錦織はもがきながらも力を維持し、フェデラー大復活となった。

    デルポトロは残念ですが錦織のツアーファイナルの現実味が増して来たので、最後まで応援していきます。

      引用  返信

  • 皆さん、ATPファン投票もうされましたか?
    私は早速してきました!!

    ツアーファイナルのプロモーションビデオにも錦織選手、ちらっとですが映りますね!!

      引用  返信

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     テニスを愛する理系人間。よく理屈っぽいと言われる。  プレースタイルはサーブアンドボレー、というよりサーブ。ストロークは弱い。  2008年2月15日に本ブログを開設。その数日後に錦織圭はあのデルレイビーチ優勝を成し遂げる。  錦織圭の存在を知ったのは2004年。その後2006年全仏ジュニアベスト8で再注目。2007年のプロデビュー(AIGオープン)で錦織の試合を初観戦。その後の活躍を確信し、今に至る。