快勝で予選決勝に進出(2010ワシントン)

6-3,6-1の快勝で予選決勝に駒を進めました。予選決勝の対戦相手はケビン・アンダーソン80位です。

2010 Washington ATP500
Qualifying Round 1
Kei Nishikori
def. Junior A Ore, 6-3,6-1

スロースターターの傾向が抜けきらず、いきなりオープニングゲームをブレイクされてしまいました。6ポイントすべて1stサーブが入らず、最後はダブルフォルト。

今回はそれ以降のプレー(スコア)が素晴らしかったので大きな問題にはなりませんでしたが、ランキング上位の選手に対しては致命傷になりかねませんので、引き続き課題です。

2ゲーム目、すぐにラブゲームでブレイクバック。このようにサービスゲームを落としてもブレイクバックする確率が高く、ストローク戦では主導権を握れることが多いので、なおさらサービスゲームの重要性が増します。

サービスゲームの安定感がもっと出てくれば、ランキング上位選手相手でも勝つチャンスが大きくなってきます。

その後、このゲームも合わせて16ポイントを連取し、4-1とします。○×でスコアをつけていましたので、4×4マスの○が並びました。たこ焼き器のようで壮観でした。

その後はサービスゲームが良くなったOreに2つキープされますが、最終的に6-3で1stセットを取りました。

2回目のサービスゲーム以降は12ポイント中11ポイントで1stサーブを入れるという見事なリカバリーでした。これだけ入るとサービスゲームは安泰です。

2ndセットも引き続き高い確率で1stサービスを入れ、リターンゲームでも強さを見せて6-1であっさり勝利しました。

相手が17才のワイルドカード選手、いいものは持っているとの情報はありましたがまだ経験不足だったのでしょう。

現在の男子テニス界は、レベルが高く、層も厚いので10代選手はなかなか勝てません。18歳時の錦織の活躍が特に大きく取り上げられたのはそういった背景もありました。

ハードヒット能力だけなら10代選手でも大人に引けはとらないことが多いですが、安定感、ラリーの組立てなどで経験のある選手にアドバンテージがあります。

これは逆に言えば、経験を積むことである程度は勝てるようになっていけるということでもあります。サーブも年齢とともに技術が向上していきます。しかしそこからさらに上に行くには、何か特別な武器が必要です。錦織にはそれ(ビッグフォアハンド)があります。100位台で悪戦苦闘している錦織に対する評価がいまだに高いのも、その部分です。

今日の錦織のサービスゲームは、0-30になってもずるずる行きませんでした。

最近の試合展開として、スイスイキープしていたと思ったら突如ピンチを迎え、しかも比較的あっさりとゲームを落とすというパターンがありました。

これは言いかえれば、カウントが悪くなるとポイント獲得率が低くなるということです。

例えば普段(0-0)で60%のポイント獲得率があったとすると、30-0では変わらないか高くなる(例えば70%)が、0-30などになると40%や50%になってしまうということです。

実はカウントには数学的にきちんと計算できる「重要度」というものが存在します(とりあえず今日は説明は省きます。要望あれば後日・・・)。

その「重要度」計算によると、サービスゲーム(言い換えればポイント獲得率が50%を超えていると考えられる場合)で最も重要なポイントは、30-40なのです。

その次が15-40で、以下15-30、0-30、30-30と続きます。

(デュースは30-30実質的に同じですので、同じ重要度です。また、最後の方の序列はもともとのポイント獲得率によって順位が変動します。)

つまり、ポイントを先行されたときに取れるかどうかが勝負を決します。

これらのポイントを高い確率で取れなかった試合は、トータルポイントで拮抗していても負け試合が多いと思います。最近はそういう傾向がややありました。

今回はきっちり、リードされてもポイントを返していたので危なげありませんでした。

強い選手はリードされたポイントから思い切って打ってポイントをもぎ取って行きます。

ウィンブルドンのフェデラーvsナダル戦(2007,2008年)でのフェデラー、先日の全仏でのジョコビッチvs錦織でのジョコビッチなどがまさにそんな感じでした。

今後、同格・格上の選手に対しても今回のような挽回ができれば、スコア全体は競ったとしても勝率は高くできます。また2008年~2009年初めの、強い相手にもバンバン勝っていたころはそういったスコアメイクができていました。

怪我からの復帰から少しずつ時間が経ってきて、試合勘も徐々に取り戻しつつあると思いますので今後に期待したいと思います。

予選決勝は本日夜12時スタートです。

オーダーオブプレー

ケビン・アンダーソンなのでアンデルセンのパン、土瓶蒸し、アンドーナツなどご用意ください。難しければウイダーインゼリー、日清カップヌードル、森永製菓のお菓子などでよろしいかと思います。

2 件のコメント

  • 昨日の試合は、第1ゲーム以外は安心して見ていられました。
    ブレイクポイントを握られてヒヤッとした場面はありましたが、比較的すいすい切り抜けた感じです。
    これが、相手のおかげだったのか、圭のパフォーマンスが本当に上がって来たからなのか、今夜の試合ではっきりするでしょうね!
    細かい部分の感覚が、フィットしてきたことを祈りたいです(^o^)/
    今夜の試合がとっても待ち遠しいで〜すO(≧∇≦)O !!

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  •  Facebookからの情報ですが、8/9の週はトロント(ATP1000)を
    諦め、米Binghamton CHのWCを受けることにしたそうです。

     現ランキングでは予選のDAも厳しい状況であることを踏まえ
    れば、現実的な判断といえるでしょう。

     ただ、Binghamton CHで勝ち進めばその翌週のシンシナチ
    (ATP1000)の予選にも参戦できないため、全米前のグランプリへの
    参戦は、今回のワシントンが最後になる可能性が高いです。

     1試合でも多くできるよう、闘志むき出しで頑張ってほしいと
    思っています。

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     テニスを愛する理系人間。よく理屈っぽいと言われる。  プレースタイルはサーブアンドボレー、というよりサーブ。ストロークは弱い。  2008年2月15日に本ブログを開設。その数日後に錦織圭はあのデルレイビーチ優勝を成し遂げる。  錦織圭の存在を知ったのは2004年。その後2006年全仏ジュニアベスト8で再注目。2007年のプロデビュー(AIGオープン)で錦織の試合を初観戦。その後の活躍を確信し、今に至る。