錦織に必要なのはサーブじゃなくてフォアハンドだと思う

錦織がクニツィンに負けたことは残念ですが、あまりくよくよしてもしょうがないので錦織が勝つために何が必要か考えてみました。

よく言われるのは「サーブ」それと本人がしばしば口にする「メンタル」ですが、まずメンタルについては素人があれこれ言ってもあまり意味があると思えませんのであまり私が語ることはありません。

それに錦織は確かに脆さを見せることもあるけど、竸った試合で驚くほどのメンタルタフネスを見せることもあります。どちらかというとメンタルにも優れた選手だと私は認識しています。

サーブについては確かに物足りなさはあります。ただしいいサーブも打っています。200km/hも出せます。ここぞというときの確率と、1試合あるいは1大会通じてコンスタントに入っているか、その辺に改善の余地があると思います。

しかし「苦手」と本人が言っているサーブが短期間で武器になるでしょうか。私はやや否定的です。
それよりはウィニングショットのフォアハンドをさらに磨いた方がよいのではないか、と思います。

今年大活躍している宮里藍が参考になると思います。

宮里はアメリカに渡ってしばらく思うような成績が残せず悩んでいましたが、外国人のようなパワフルなショットを打つことを追求することをやめ、自分の長所である「セカンドショットの精度」を追求することで、世界ランキングトップのポジションを得ることができました。

これまでは飛ばそう、パワーを付けようとして却ってそれが力みにつながったり、自分のプレーを見失ったりすることに繋がっていたと言います。

ある日、「自分は外国人のようにパワフルに打つことはできない」と悟り、過度にパワーを追い求めないことを決めてから、力が抜けていい成績が残せるようになったとTVで語っていました。

私はこの話を聞いて、錦織のことを真っ先に思い浮かべました。

多分サーブのことを一番良く周囲やマスコミから言われていると思います。その影響か、メディアでに対しても「サーブを上達したい」「サーブが苦手」と語るシーンを良く見かけます。

もちろんサーブはこれからもしっかり取り組んで、継続的にレベルアップして行かなければなりませんが(何といってもテニスで最も重要なショットですから)、何も自分の看板にまでする必要は必ずしもありません。

それに対してフォアは錦織のまさに看板ショットです。ここを今以上に活かしていく必要があると思います。
復帰後、ちょっと強引なハードヒットが目立つように思います。それとあまりにショットが多彩なので、核となるパターンがあまりないように思います。
以前、グラフを「偉大なるマンネリ」と表現させていただいたように、型にはめたプレーが欲しいと思ってしまいます。このあたりは私の好みが存分に入っていますので、的はずれな可能性がありますが、いずれにせよ大事なのはフォアハンドじゃないかな、と思います。

まるで錦織に対するアドバイスのようですがw そういう意図ではなくて、見ている私たちがあまりサーブサーブ言ってもしょうがないのではないかな、と自戒を込めての感想です。故障前、ベルディヒに勝った試合などは錦織はビッグサーバーでした。ポテンシャルはあるのです。でもサーブって、私の経験上からも試合勘が大きく精度を左右すると思います。

アマチュアであれば故障から復帰して4ヶ月も経てばサーブはほぼ元通りに戻ると思いますが、それは元々の精度が大したことないからであって、プロレベルで求められる精度を考えると、「ほぼ」戻っていてもイザという場面で本当にわずかだけ狂ったり、完全に元に戻すには時間が必要だと思います。

極めて個人的な意見ではありますが、サーブへの取組みは継続しても性急に結果を求めず、フォアハンドの攻撃力と安定感の両立に注力してほしいな、と思います。

11 件のコメント

  • わたしもそんな気がします。フォアの精度が低いと組み立てがうまくいかないので、さらに焦って無理打ちしてしまうでしょうか。

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  • フォアの精度は故障前と比べると全然物足りない。
    浅かったり、ぎりぎりを狙ってアウトになる場面が多い感じ。
    大事なポイントを取りきれない要因でしょうね。
    フォアが戻れば、きっと強い選手に勝てる!時間がかかりそうですね。

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  • こんにちは。ご無沙汰してます。
    私はサーブ向上優先派です。
    レシーブゲームでは劣勢になる。
    サーブが良くないとサービスゲームでも優位性を保てないから、
    ストロークで無理をして精度が落ちてるんじゃないかなーって。
    いいサーブがどんどん入れば、圭君のストローク力なら、
    ポイントは1,2本で決められると思います。
    で、サーブキープが楽になれば、レシーブも攻めて行けて
    どんどんいいほうにいくと思うんです。精神的にも。
    んで、サーブが良くなれば、ストロークは自然に良くなるんじゃないか
    思いました。^^;

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  • 初めて登場させて頂きます。まずスポーツネット閲覧は錦織選手の情報から始めます。今年のフレンチ、ウインブルドンとテレビ観戦しましたが、小生はサービス、フォアハンドよりもバックハンド・ストロークの威力を増すことではと、この2大会を観て感じました。

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  • reikoさん、お久しぶりです^^

    確かにサーブの重要性は、ゴルフにおけるドライバーより大きいと思われるので一定レベルのサーブ力は必要だと思います。
    私が本記事でいいたかったのは、あんまりサーブサーブ言ってもすぐに飛躍的に良くなるわけではないし、そこに囚われすぎないほうがいいのではないかな、ということです。

    サーブがよくなれば他のショットに対しても好循環があるということはその通りだと思いますね。

    Kamiちゃんさん

    コメントありがとうございます。
    バックもずいぶん良くなったんですけどね。プロの間でも評価が高いようです。錦織の評価を他の選手やテニス関係者がする場合、「両サイドから強力なショットを打つ」と表現されることが多いように思います。

    でもナダルやジョコビッチとの比較では安定感、威力ともにやや劣っていたかもしれませんね。フォアハンドとの比較でも攻撃力は落ちますね。バックハンドももっと強力になれば、少なくともストロークではほとんどの選手と互角か打ち勝つことができるようになるのではないかと期待(妄想)が膨らみますw

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  • 素人なのにあれこれおこがましく言ってすいません。m-m

    Reikoさんの意見に同感です。
    サーブが良くなれば、自然とストロークも良くなっていくに一票。:D

    錦織選手と対戦した選手はリベンジに燃えているし、徹底的に攻略する作戦を練って試合に臨んできます。今後はもっと研究されてタフな試合が増えていくんじゃないでしょうか。。。
    そのためにも、いいサーブ+強力フォアハンドの二刀流で!

    誰かのようなビッグサーバーになろうだなんて、、、。
    ♪世界にひとりだけの錦織圭選手ですから!

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  • コメント失礼します。

    錦織選手にはアガシのように確率とプレースメントの高いサーブを
    身につけて欲しいです。
    アガシはスライスとスピンが主体で、たまーにフラット系を打っていましたよね。

    サーブでフリーポイント取れれば楽ですが、無理したファーストが入らずにセカンドを叩かれる現状ですと厳しいですよね。

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  • jijiです。お久しぶりにおじゃまさせていただきました。
    今回のナダルとのゲームと前回のゲームを両方見比べてみました。
    断然、前回の方がよいという先入観でみましたが、ショット自体は
    今回のwinの方がシャープだと感じました。見比べた範囲では
    ナダルのパワーがさらにアップしているように見えました。
    したがって、フォアのミス(微妙なサイドアウトや
    あまりむずかしくはないようなショットを白帯にかけるミス)は
    気になりますが、もっと気になるのはダブルフォルトでネットの
    それも下の方にかけたり、ラインオーバーのものが多く見受けられる点です。
    やはり、けが前と違って、スピン量が著しく落ちているのかなと
    気になっています。

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  • わたしもKunitsyn戦でちょっと話してみたいとしゃしゃり出ます。
    The Daily Forehandの
    >錦織はミスが早く、クニツィンは労せずしてリードしている。
    またmocoさんの
    >AIR K 連発で、彼の独特のストロークに観客はすっかり魅せられてNISHIKORI~!と声援をおくる場面も。
    とスコアのスタッツから想像したことですが。

    Kunitsyn戦でのサービスはKunitsynよりもずっと良く入ってました。マッチ全体で54:68です。違いはその入った1ストでのポイント取得率です。82:68です。
    後半取得率も上げてきましたが、当初0%-10%で推移していました。方やKunitsynは100%で推移していました。リターンが全くできていない状態だったと思います。2ンド時でも同じ傾向でした。つまりKunitsynは1ストを入れれば確実にポイントになり、セカンドでもほぼ確実にポイントになる状態です。これはKunitsynが楽にサービスゲームをキープていたことになります。そして、錦織選手のサービスゲームでもリターンを確実に決め、ポイント取得率80%以上を維持してました。そこで、錦織選手の華麗なプレイを連発しても実を結ばず(ミス?)、Kunitsynの落ち着いたバック攻めの反撃に遭って(ミス?)いたと想像されます。今回は極端に言えばレシーブが全くできていなかった結果だと思います。
    ですからフォアを磨くことも必要ですが、チャレンジャーのときレシーブが合っているとき勝ててました。だからレジーブ力はあると思いますが、このレシーブは相手に反応する力が問われます。これを磨くことが必要じゃないかと感じられました。

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  • 故障前のフォアと今のフォアは違うみたいですね。やはり昔のような打ち方だと…。また使い続ければさらに故障してしまう危険性があります。昔の打ち方はスーパーショットを打てても、自分自身のキャパを越える打ち方だったのでしょう。今はテイクバックをコンパクトにする打ち方に変えたそうです。
    打ち方を変えた事にも今の所フォアの精彩を欠いている原因なのかなと思います。

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  • 私もやはりフォアハンド・ストロークは錦織の主砲であり、彼のテニスの核だと思います。
    楽しさややりがいも含めて、彼の意識もそうなのではないでしょうか。
    現在、テニス全体が今イチなのは、そのコントロールに難があるからでしょう。
    ガスケとの対戦で敗戦が決まりそうな終盤に、渾身の力で放った深いフォアがサイドラインをわずかに超えてしまったとき、一瞬しゃがみこんで口惜しがった姿を思い出します。
    安定性さえ備われば、私はあのフォアはフェデラーやナダルに匹敵する破壊力や配球センスを持っていると思います。

    また、核であるフォアで狙ったポイントが取れ、満足できれば、他のすべてのショットが良くなるように思います。
    そうなれば、特にサーブは余計な意識や力が取れ、無理なく向上するのではないでしょうか。

    今のテニスで私が気になるのは、フォアのブロック・リターンです。
    多用するのは最近のような気がしますが、定位置近くからのリターンでも、あのショットを使っています。
    しかし、あれではたとえ返っても場所は相手の近くで威力もなく、上位の選手には次のショットで簡単に主導権を握られてしまいます。
    サーブを打った相手はわずかにでもバランスを崩しているのですから、今はたとえ確率が少々落ちても威力のあるリターンを打ち込んでいって欲しいと思います。

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     テニスを愛する理系人間。よく理屈っぽいと言われる。  プレースタイルはサーブアンドボレー、というよりサーブ。ストロークは弱い。  2008年2月15日に本ブログを開設。その数日後に錦織圭はあのデルレイビーチ優勝を成し遂げる。  錦織圭の存在を知ったのは2004年。その後2006年全仏ジュニアベスト8で再注目。2007年のプロデビュー(AIGオープン)で錦織の試合を初観戦。その後の活躍を確信し、今に至る。