2023 Chicago Challenger (Challenger 75)
2nd Round
Kei Nishikori def. Skander Mansouri, 7-6(1),6-4
ものすごくやりにくそうな試合でした。
対戦相手マンスーリはビッグサーバー。「復帰後の中で最もビッグサーバー」だったとのことで、リターンがなかなか返りません。
加えてブレイクポイントでパスミスが出るなど取れそうで取れません。
あれだけのビッグサーブを持っていながら302位に留まっている理由はマンスーリのストロークを見ればすぐわかりました。とにかくミスが多く、早い。
そのことも逆に錦織が調子の波に乗れない原因だったかも。いい形でポイントを取りたいが、その前に相手が簡単にミスしてしまう。
テニスの内容は自分の方が圧倒的に上なのに、なぜかタイブレーク。これはストレスが溜まります。
リスクを冒さなくてもストロークでポイントが取れるので、確実にプレーしたら今度はいいところでウィナーが来る。
そんな巡り合わせの悪さもありました。
教科書的には「ミス待ちせず自分から取りに行け」であり、多くのテニス専門家はそのように言うかもしれません。
しかし私はあれだけミスをしてくれれば、確実にプレーした方が得策だよなと思いました。
まあ、上の選手と当たることを考えたらそこで積極的に・・・という考えもありましたが、5-5のようなセットを取るか取られるかの場面でそれをやってうまくいかない可能性を考えると、私は錦織の選択は間違っていなかったと思います。
タイブレークは安定感の差がそのまま出て、錦織が簡単に取りました。
6-6まで両者全てサービスキープでも、より安全に取っていたのは錦織でしたから。
セカンドセットも同じ展開。
リターンを返せば高確率でポイントが取れるものの、そのリターンが返らない。
確かにビッグサーブなのですが、ラケットが届いたときにはもう少し返したかった。これは本人もインタビューで言っていましたね。
それでも5-4できっちりと上げてくるのがさすが錦織。
最後はそれまでのモヤモヤを一気に晴らしてくれるスカッとしたウィナーで試合を締めました。
試合後インタビュー、錦織本人は「朝早く起きて試合を見ている変な人」に向けてメッセージをくれました。
これには大爆笑。
いい意味で「変な人」ですね。
変な人は、錦織が勝ってくれて嬉しいです。
次の試合は第2シードのコバチェビッチを破ったMichelsonです。
ツイキャス配信では「次は120位の選手と・・・」と喋ってしまいましたが、負けていましたね。
100位台の選手にチャレンジはお預けに。第4シードのShangとSFで当たる可能性があるだけとなってしまいました。
アトランタが待ち遠しいですね。
何はともあれ「錦織の試合を見られる喜び」を忘れずに勝っても負けても応援を続けたいと思います。
試合後インタビュー
今日は大変だった
思ったより相手のサーブ良かった
サーブに全振りしたようなステータスの感じの選手だった
リターンが合わなかったり(最後)ブレイクできたが取りきれなかったところが苦戦の原因
(当日対戦相手決まったことについて)サーブが良くてフォアで攻めてくるというイメージはできていた
思ったよりサーブが良かった
復帰してここまでサーブいい選手は初めてでそれもあったがもうすこしリターン入れたかった
昨日インドアで今日アウトドアは、難しかった、アウトドアは速かったし。風もあるし慣れるのに時間かかった
ウィンブルドンはあんまり見ていない。芝なのでプレーが違うんで、見たいけど見れない
女子のSFはジムで流れていたのでちょっと見た
もし朝早くから起きて見ている変な人たちにむけて、より明日も頑張って試合したい
あしたも時間的にどうなるかわからないけど・・・応援待ってます!
明日は午前3時からの試合。
https://www.atptour.com/en/scores/current/chicago/2797/daily-schedule
変な人たちの本領発揮です。
頑張りましょーw
FUMA引用 返信
見てて怖さはなかったけど、やりにくそうでしたね。
でもストレート勝ち。やはり実力差はあったと思います。
次の対戦相手は18歳だそうで、勢いのある若手と当たるのに、リターンのいい練習になったのではないでしょうか。
テニスを見ない友人に、朝3時起きすると言うと驚かれますが、ヘンな人上等🙌
見たいんだから仕方ないです。
まだまだ長い旅になりそうですが、どこまでもついていきますよ。
steffilove引用 返信
わーい、私も変な人で~す
明日も、頑張ろう
赤毛のアン引用 返信
変な人向けにメッセージなんて、嬉しすぎる🥳
matsu引用 返信
団長さん、レビューをありがとうございます。
最後に錦織のインタビューも載せてくださって、文字で読むと二度面白いですね。試合直後に本人が簡単ながらきちんと要点を整理して話してくれているんですよね(しかも率直で飾り気なし)。後で団長さんのレビューを読むと、錦織の言っていたことが(その背景とかも)より理解できます。
マンスーリを見ていて、私は大先生を懐かしく思い出していたのですが、「サーブに全振りしたような」という錦織の一言を聞いて、確かに大先生と言うより、サーブに特化して主人公を苦しめるゲームのキャラクターって感じかも、チャレンジャーは色々な選手がいて面白いなあ、と思いました(これも、勝ったからそう思えるのですが)。
錦織に「朝早くに起きて見ている変な人」と呼ばれて、あ、これは自分のことだ!と、錦鯉は誰もがそう思ったはず。私もその一人で、錦織圭の挑戦をリアルタイムで見ることができる幸せを感じています。変人であることが嬉しいです。
ウクレリアン引用 返信
団長さん、レビュー記事ありがとうございます。
錦織選手、最近(前からかな)数々の名言? 迷言?を残していますね(笑)。
親しみを込めて「変な人」と言ってくれたのかな。
おけい引用 返信
おけいさん、私もそう思っています。ファンが定石外れの(創造的とも言える)錦織のプレーを親しみと驚きとほんの少しの揶揄を込めて「変態」と呼ぶことがある(決して侮辱しているのではない)ように、チャレンジャーに出場している怪我明けの500位の自分を困難な時間に起きて応援してくれるファンに対して、親しみを込めて(そこに驚きとほんの少しの揶揄も混じっているかもしれませんが)、「変な人たち」と呼んだのではないでしょうか。
ウクレリアン引用 返信
追伸
もちろん、錦織圭は自分のプレーをどんな風に呼ばれているか知らないと思います。だから、お返しでそう呼んだのではないはずですけどね。笑
ウクレリアン引用 返信
ウクレリアンさん
昨夜返信を書きかけていましたが、眠気が限界にきて今日になってしまいました。ごめんなさい。
私も二つ上のコメントと全く同じことを考えていました。
明け方の3時や4時に起きて試合を観ている人達がどんな人達かちゃんとわかっていて、
親近感を感じてというか、心許してというか、そんな心情から錦織選手特有の他虐ジョーク(自虐ジョークの反対の意味です。そんな言葉は無いですけど)が出たかなーと思いました。
「変な人」このブログで流行るかもですね。
同じことを感じておられた方がいらっしゃって嬉しかったです。(^^)
おけい引用 返信
心許しての他虐ジョーク、いいですねえ!
ウクレリアン引用 返信
ウクレリアンさん、おけいさん
私も同感です。
錦織選手は深夜・早朝にライブで応援しているファンのこと、
すごくよくわかってくれてると思います。
「変な人」という言葉の中に込められたファンに向けての
彼流の感謝の気持ちを感じます。
風引用 返信
もうこの2日前のレビュー欄のコメントを読む人はないだろうと思っていたのに、風さん、ご返信ありがとうございます。おっしゃる通りですよね。
さらに言えば、錦織圭はファンのことをよくわかっているだけじゃなくて、自分が変な人だってこともよくわかっているんじゃないでしょうかね?
ランキングも失うほどの長い休みを強いられた絶望の底からまた復活してくる、そして上を目指すつらくてハードな日々を、自ら挑戦と呼び楽しみと呼んで努力を続ける、これは常人ではできないことじゃないでしょうか?
尊敬の気持ちを込めて、変な人と呼ばせていただきたいです(多分本人も自覚しているはず。だからファンのこともそう呼べたんだと思うんです)。
勝敗を超えて応援する値打ちのある選手ですよね!
ウクレリアン引用 返信
先程西岡選手が御自身のYoutubeで錦織選手の復帰についての動画をアップされましたが、中々興味深い事を話されていました。(※下記の文言は結構省略しているので、実際に動画をご覧になられる事をすすめます)
①どんなに休んでも無くならない「経験値」
錦織選手がCHで復帰後即優勝した要因に標題の事を挙げられていました。しかもその経験値に関しては「今持っている経験は多分一生涯消えないと思う」とまで仰られていますし、あの優勝は経験値の差も要因としてあったのかなぁと。
ただ、その一方で一般論として・・・
②長期離脱による生じる「試合勘の喪失」
「『大事な時期の察知』と『その大事な時期での適切なプレー選択』が分からなくなってしまう」という点が個人的には興味深い点でした。
③また怪我するかもしれない「恐怖感」
「練習ではバチバチに動けて安心してもいざ試合に挑んでみたら『やっぱりこの動きしたらもしかしたら・・・』」という恐怖感が頭にずっと残る様です。そしてそれを払拭するには試合とかをするしかないとも仰られています。
もしかしたら収録時期ってクドラ戦の前でこの動画の趣旨自体は「錦織選手には②や③は関係無かったのかな?」という内容だったのかもしれませんが、ここ2試合の敗退ってその②・③の事があったのかなぁと思ったりはします。
ここまで長々と書きましたが要は「まだ復帰途上序盤で深刻に凹む理由は果たしてあるのかな?」ってところですかね。
ゆうた引用 返信
ゆうたさん、ヨッシーの動画のご紹介をありがとうございます。
全英決勝のバチバチに火花散る戦いを見ながら、早速その動画を見させていただきました。
丁寧にまとめてくださっている通り、怪我で長期離脱を経験した選手の実感のこもった、しかもヨッシーらしく明快な解説で、とても興味深く聞きました。
確かに第1戦の優勝後に撮った動画のように思えますね。
怪我から復帰直後の試合の難しさを語ってくれているところは、第2、3戦の思い通りにならなかったプレイの背景を前もって教えてくれていた感じですね。
クドラ戦・ミケルセン戦の敗戦について、「まだ復帰途上序盤で深刻に凹む理由は果たしてあるのかな?」というお言葉に、納得です。
ミケルセン戦のレビューにも載せていただきたいコメントですね。(ここのコメントを読んでいる人は少ないのでは?)
ウクレリアン引用 返信
ウクレリアンさん
ご返信と過分なお言葉ありがとうございます。
以前少し触れた事ですが・・・
元来プエルトリコのCHの前は今後についてかなり慎重なスタンスの発言に終始していた筈が優勝直後の談話て全米参戦を半ば名言したり、その後日にアトランタ250やワシントン500のWCの申請をTwitterで公表するなど「前がかり過ぎて、らしくないなぁ」という言動が目立っていた気がします。
ただその一方で当面の目標であろうトップ100復帰に関しては無理に期限を定めていませんし、トータルで考えると焦りも無いのかなとも思っています。
この夏で手応えを得れば秋以降もATP路線も視野に入れるでしょうし、それがダメならばCHで足場を固める路線なのかなと思っていますし、どちらになっても応援するだけのハナシですね。😀
ゆうた引用 返信
ウクレリアンさん
風さん
返信ありがとうございます。
拙いコメントで恥ずかしいです。(〃ノωノ)
ゆうたさん
とても興味深い情報をありがとうございます。
西岡選手も大きなけがを経験していますし、今の錦織選手の状態がよくわかるのでしょうね。説得力があります。
② 勘の部分は錦織選手にとって重要な武器の一つ、それを失っているのであれば厳しいです。
③ 股関節の手術と足首の怪我もしていますしフットワークに影響しているかも。
今までの怪我の後以上に恐怖感はあるかもしれません。
そして結局は、試合を重ねていくことが全てを解決する道なのですね。
おけい引用 返信
ゆうたさん、なるほどそうなんですね。
確か復帰直前にstep by stepって言っていた気がするので、トップ100復帰とかも期限を決めているわけじゃない(今年だめなら来年にはとか言っていた気がする)し、おっしゃるようにトータルでは焦っているわけではないように思えます。
チャレンジャーで肩慣らしをしてからツアーに戻るという大まかな計画がまずあって、それで、一戦目で優勝しちゃったので、早くツアーレベルで自分の力を試してみたい気持ちは強まったかもしれないですよね。これが復帰する前の大きな励みでありモチベーションでもあっただろうし。
「この夏で手応えを得れば秋以降もATP路線も視野に入れるでしょうし、それがダメならばCHで足場を固める路線なのかな」というご指摘、なるほどと思いました。
怪我から復帰した選手は皆勝ったり負けたり苦闘を重ねながら沢山の試合を経て少しずつランキングをあげているので、私達も焦らずに応援を続けたいですね。まずは怪我のないよう祈りつつ。
ウクレリアン引用 返信
ゆうたさん
西岡選手のyoutube情報ありがとうございます。
たしかに「『大事な時期の察知』と『その大事な時期での適切なプレー選択』が分からなくなってしまう」はあると思いました。
それに加えて私が個人的に感じたのは
「大事な部分での適切なプレー」をしようとしたとき、
「自分のイメージどおりのショットが打てない」という状況が頻発していたのではないかと・・。
錦織選手の感覚では決まるはずのショットがミスをしてしまうのは
試合のときに限って身体が頭の司令どおりに動いてくれないもどかしさを抱えて試合をしていた様に見えたのです。
そしてそれは練習ではなく試合時に、それも重要場面で起きていたように私には見えた。
(見えたというのは私にはそう感じられたという意味で、あくまで私の主観に過ぎません。)
そうした問題は試合を重ねてゆくことでしか修正していけないだろうと思います。
立て続けにツアーに参戦するのは、1回戦、2回戦での敗退を繰り返すことも想定しつつ、試合を重ねることを優先したのだと思います。
その理由として、今はショットの精度にムラがありすぎるので
試合の場で自分の思いどおりのショットがコンスタントに打てるようになることを目指していると思うから。
かつては難なくできていたことですが、長いブランクの後では
彼ならではのショットの精度を試合で再現できるようになるには
「試合してゆく中で取り戻す」しかないのかもしれません。
私たちはついつい試合の出来や勝ち負けで一喜一憂してしまいますが、錦織選手はもっと先まで見据えていることでしょう。
そこは初めて長いブランクを経験する選手と違って過去にも複数回長いブランクからの復帰の道というものを経験しているので、
そこの部分でも経験値が活かせるのではないか?と考えています。
風引用 返信