【試合の展望、応援フード追加】ビッグサーバーとの対戦は、相手のサーブではなく自分との戦い！2016全米4回戦　vs. カルロビッチ

更新が後手後手になってすいません。
でもこれだけ忙しいのも錦織が勝ちあがっているから。うれしい悲鳴です。
コメントがたくさんついていますので記事だけ先にあげます。
4回戦の展望などはこちらにお願いします。

プイユがファイナル・タイブレでナダルに勝利。
驚きました。
もちろんいい選手であり、今後伸びてくる選手だと思っていましたが、現段階で勝つとは。
ナダルが衰えたという話ではないように思えます（全盛期並みとは言いませんが、十分強い）。
錦織はプイユには勝っていますが、自信をつけてくると今後、脅威となる相手だと思います。

また、恒例の４回戦時点の優勝予想ですが、忘れておりまして既に４回戦の半分が終わってしまいました。
ちょっと思うところがあって今回は錦織と関係ないところだけにしたいと思います。すいません。

ジョコビッチは決勝までは確実に進むと予想。
ティームがデルポトロを破り、ワウリンカも破ってベスト４（ですが、私はティームの実力を、世間ほどは評価していません。）
マレーの４回戦、ディミトロフを寄せ付けないと思います。

カルロビッチ戦の展望

ご存知のようにカルロビッチというのは極端にサービスゲーム寄りのプレースタイルの選手です。
データで見ると分かりやすいと思います。
今年の主要スタッツです。

サービスキープ率：93.5%　（ツアー2位、1位はイズナーの93.8%、圭は83.7%）
1stサーブポイント率：82.0%（ツアー1位、2位はイズナーの81.0%、圭は72.1%）
1試合あたりのエース数：20.9（ツアー2位、1位はイズナーの22.5本、圭は3.3本）

というように、イズナーと双璧をなす巨人ビッグサーバーです。

ですが2ndサーブのポイント率になると興味深いスタッツが出てきます。

1位　ジョコビッチ　58.4%
2位　ワウリンカ　56.9%
3位　錦織　56.2%
4位　カルロビッチ　56.0%

なんと、錦織がカルロビッチを上回っています！
つまり2ndサーブではストローク力の重要性が増すし、カルロビッチの2ndサーブはチャンスということです。

ダブルフォルトも、カルロビッチは1試合あたり4.5本と、ツアーで4番目に多いです。
また錦織は2.1本と、実はイメージほどダブルフォルトしていません。

カルロビッチの1stサーブの確率が低ければラッキーです。
しかしそんなラッキーに頼ってはいけません。「いかにセカンドサーブを打たせるか」が重要です。
そのためには、1stサーブにとにかく「触る」ことが必要です。
極端な話、返らなくても触れればいいです。
ビッグサーバーが気分が乗るのはノータッチエースを量産しているときです。

動けないエース＞飛びつくが届かないエース＞触られたが返ってこないサーブ＞返ってきたがへろへろリターン

この順番に、ビッグサーバーはうれしいものです。
１つでも右の方のリターンをするべく、ひたすらに我慢しつつやるべきことをやっていかなければなりません。
たとえすぐには実を結ばなくても。

カルロビッチのリターンゲームの力はツアー最低（ブレイク率8.2%。ダントツのワースト1）です。
普通にやっていれば錦織はキープできます。
カルロビッチの自分のことはよく分かっていて、最初からタイブレーク狙いだと思います。
らくらくキープをしつつ、リターンゲームでは割り切ってリターンダッシュなどで「あわよくば」を狙ってきます。
錦織が落ち着いて対処すれば何の問題もありませんが、ちょっとしたラッキーショットや、奇跡のショットによって窮地に立たされてしまうことが試合中に何回かあるかもしれません。

カルロビッチにとっても同様で、ちょっと1stが入らない場面、錦織のリターンの読みが当たった場面などでは窮地に立たされる可能性があります。

お互いに、ブレイクがそのセットの勝負の行方をほぼ決定付けるチキンレースとなるでしょう。

錦織は、今日に限っては無理しない割り切り1stサーブでストローク勝負を中心にすればいいと思います。
サービスポイントが多くても、2ndサーブが多くなってリターンダッシュされるのはあまりうれしくないと思います。

タイブレでは、大胆にサービスのコースを読んで欲しいですね。
リターンのポジションは、後ろにすべきか前にすべきか、ちょうど良いポイントを探してほしいと思いますが、序盤から下がると怖さがありませんので、まずは前で取り、相手にプレッシャーがかかる場面では下がってもよいかと思います。
とにかくいろいろ工夫して、相手に考えさせることだと思います。

BIG4はみな、カルロビッチのサーブに触ることが上手いと思います。
錦織は、リーチやグリップの関係で彼らよりはノータッチが取られやすい。
これはある程度仕方ありません。
読みが外されることもある程度仕方ありません。
一番大事なのは、くよくよしないこと、迷わず読むことだと思われます。

最後にもう１度、データからの読みを。

キープ率：カルロビッチ93.5%、錦織83.7%
ブレイク率：カルロビッチ8.2%、錦織28.5%

これは、全試合平均のデータです。
強い選手と対戦するとき、弱い選手と対戦するとき全てを含んだデータです。
すなわち、

カルロビッチは圭に対して（潜在的に）93.5%のキープ率は持っていない。
（圭のブレイク率はツアー平均以上なので）

圭はカルロビッチに対して（潜在的に）83.7%以上のキープ率を持っている。

カルロビッチは圭に対して（潜在的に）8.2%のブレイク率は持っていない
（圭のキープ率はツアー平均以上なので）

圭はカルロビッチに対して（潜在的に）28.5%のブレイク率は持っていない

ということが言えます。
私の感覚ですが、

カルロビッチは圭に対して80%台後半のキープ率を（潜在的に）持つ
圭はカルロビッチに対して90%台前半のキープ率を（潜在的に）持つ

と思っています。

となると、圭が有利だと思います。
ただ、1試合限定ですので、ブレイクの順番次第では負けることもありますし、
差は僅かなので、結果にはばらつきがあります。

そこで最後の最後のギリギリの場面で勝負を分けるのは、数字には表れにくいメンタルの部分だと思います。
私はメンタル勝負なら錦織が有利だと思いますし、ダブルフォルトや2ndサーブのポイント率のデータからも錦織の方がいろいろと仕掛けられるのではないかと思います。
タイブレーク勝率は約54%で互角ですが、ファイナルセット勝率が錦織の方が断然上ですので、サーブに慣れる時間が十分ある５セットマッチでは、苦戦しつつも最終的に錦織が勝ってくれると信じています。

過去の対戦成績

1勝2敗

2014 Memphis F Kei Nishikori 64 76
2013 Delray Beach R32 Ivo Karlovic 54 RET
2012 JPN vs. CRO WG 1st RD RR Ivo Karlovic 64 64 63

応援フード

今回の相手は、正真正銘のビッグサーバー！
ボール見てから動いても間に合わないよね
圭くん、心眼開いてキャッチするぞ～

micchi