2018 Nitto ATP Finals プレビュー

大会の展望

レギュラーシーズンを9位で終えた錦織圭。ナダルとデルポトロの欠場により、10位イズナーと共にこの大会の出場権を得ました。

昨年夏に大きな手首の故障があり、手探りの状態でチャレンジャー大会から復帰しました。そんな状態からの大復活は過去にもそんなに例があるものではなく、世界中から賞賛されています。
Finals公式サイトでも記事になっています。

ダラスからロンドンへ、錦織圭がシーズンフィナーレでの復活を手中に | Nitto ATP Finals

選ばれし8人はジョコビッチ、フェデラー、ズベレフ、アンダーソン、チリッチ、ティーム、錦織、イズナー。大男たちの中で180cm未満の選手は錦織ただ一人。
この大会に出場すると毎回、このことを意識します。この巨人達に混じって互角に戦っている錦織の凄さを感じます。

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体も強くなりました。
思い返せば長年、常に故障、リタイアを心配しながらの戦いでしたが、今年は結果としてほとんどその心配がありませんでした。
試合中のMTOも少なく、痛みで動きが悪くなる場面がなくなりました。

実際、錦織も体が強くなったことを実感しているようで、以下のように発言しています。

「ケガしていた時期にたくさんトレーニングをしたし、トレーニング方法も少し変えていろんなことに取り組んだので、身体が強くなったのは感じます」

出典:錦織圭、2年ぶりのファイナルズ。39位から追い上げた力強さに期待大|テニス|集英社のスポーツ総合雑誌 スポルティーバ 公式サイト web Sportiva

素晴らしいですね。故障を故障で終わらせず、さらに強くして帰ってくるとは。
このブログでも、「これを機会に、体を強くして帰ってきて欲しい」とみなさんおっしゃっていました。その通りになりました。

体が強くなったおかげで、全米オープンを含め、ここ数ヶ月で多くの試合をこなすことができました。

全米 6試合 5勝1敗
メス 3試合 2勝1敗
楽天 5試合 4勝1敗
上海 3試合 2勝1敗
ウィーン 5試合 4勝1敗
パリ 3試合 2勝1敗

計 19勝6敗

これだけ試合して、さらに今週試合をしようとしている。「鉄人宣言」もあながち大げさではないかもしれません。

テニスの内容も上向きです。
確かにフェデラー、ジョコビッチに勝つためにはもう一段階上のテニスをすることが必要ですが、最近の濃密な実戦経験がそろそろ生きるときではないでしょうか。
これまでは実戦の勘が上がって来たところに体の調子が悪くなって・・・ということが多々ありましたが、今大会はそのような心配はあまりありません。
終わったらしばらく休めるので、力を出し切るには最高の舞台が整いました。

いきなりフェデラーとの対戦が本日夜(日本時間では明日の朝)に実現します。
どこまで錦織の疲労が回復しているかが第一のポイント。
前回は完全に封じ込められたリターンがどこまで冴え渡るかが第二のポイントだと思います。
その他細かいところはフェデラー戦レビュー記事で。

大会情報

大会概要

大会名:Nitto ATP Finals ニットーATPファイナルズ
開催場所:ロンドン(イギリス)
日本との時差:−9時間(日本が9時間早い)
グレード:Finals
サーフェス:ハード(室内)
ドローサイズ:本戦8
獲得ポイント:ラウンドロビン1勝ごとに200、準決勝勝利で400、決勝勝利で500 (全勝優勝すると1500)

日本人参戦状況

シングルス:錦織
ダブルス:なし

大会スケジュール

ラウンドロビン:現地11/11(日)〜11/16(金)
準決勝:現地11/17(土)
決勝:現地11/18(日)

出場選手

1 Djokovic (1位)
2 Federer (3位)
3 Zverev (5位)
4 Anderson (6位)
5 Cilic (7位)
6 Thiem (8位)
7 Nishikori (9位)
8 Isner (10位)

ラウンドロビン組み分け

Guga Kuertenグループ
チリッチ、ズベレフ、ジョコビッチ、イズナー

Lleyton Hewittグループ
ティーム、錦織、アンダーソン、フェデラー

日程

11/11(日) アンダーソン vs. ティーム/フェデラー vs. 錦織
11/12(月) ズベレフ vs. チリッチ/ジョコビッチ vs. イズナー
11/13(火) Hewittグループ2試合 (錦織登場)
11/14(水) Kuertenグループ2試合
11/15(木) Hewittグループ2試合 (錦織登場)
11/16(金) Kuertenグループ2試合
11/17(土) 準決勝
11/18(日) 決勝

今大会 過去の成績

2016 ベスト4 (RR1勝2敗で2位)
2015 ラウンドロビン敗退 (1勝2敗)
2014 ベスト4 (RR2勝1敗で2位)

観戦手段

TV

ネット配信

4 件のコメント

  • 団長さま
    記事立て、ありがとうございます。
    シーズン初めの事を考えると、ファイナルの場で錦織選手がプレー出来るなんて・・・

    今季ここでプレーするだけでもボーナストラック感覚だと思う反面「勝って欲しいなぁ」とも思い、なかなか複雑な感情が入り混じっています。それくらい、全米以降の抜群の安定感とガスケ&ティーム戦などで見せた爆発力は、ファイナルという大きな舞台でも期待を持たせるには充分だと思っています。

    一戦一戦、ファイナルという「究極のバトル」をガッツリと堪能しつつ鑑賞しようと思っています。

      引用  返信

  • Nitto→日東工業なんですね。私の世代だとビニールテープで有名。
    日本企業がファイナルズのスポンサーです。凄いこと!
    錦織さんも凄いんです!今回は、繰り上げだけど、チャレンジャーからここまで戻ってきた。凄いんだぜを堪能して欲しいですね。

      引用  返信

  • 団長さん、プレビュー記事ありがとうございます。いよいよ始まるんですね、ワクワク。
    スーツを着て八人全員が揃った写真はオーラが半端無いです。
    何とういう神々しさ。まさに神8(エイト)。
    そうですねー、錦織選手はスピードの神かな。小柄でもそんなの関係ねー。スピードで大男たちを圧倒してくれー!!  \(^o^)/  興奮しすぎ失礼しました。

      引用  返信

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     テニスを愛する理系人間。よく理屈っぽいと言われる。  プレースタイルはサーブアンドボレー、というよりサーブ。ストロークは弱い。  2008年2月15日に本ブログを開設。その数日後に錦織圭はあのデルレイビーチ優勝を成し遂げる。  錦織圭の存在を知ったのは2004年。その後2006年全仏ジュニアベスト8で再注目。2007年のプロデビュー(AIGオープン)で錦織の試合を初観戦。その後の活躍を確信し、今に至る。