【鼻血対象試合】練った作戦でズベレフにプレッシャーをかけたい！（2021全仏オープン4回戦　vs. ズベレフ　プレビュー）

2021 Roland Garros (Grand Slam)
4th Round
Kei Nishikori vs. Alexander Zverev[6]

現地時間　2021年6月6日（日） 21:00〜
日本時間　2021年6月7日（月） 4:00〜
@ Philippe Chatrier

ついに今大会の目標としていた試合がやってまいりました。
ここまでの道のりは決して平坦ではありませんでしたね。
良いプレーを続けながらもドロー運に見放され、今大会が始まる時点での今年の勝敗は10勝10敗のイーブン。
レースランキング（今年の成績だけによる順位）では43位です。

しかし今年の錦織のランキング別対戦成績は以下の通り。

vs トップ10　0勝6敗 （ナダル、チチパス、ズベレフ2回、メドベージェフ、シュワルツマン）
vs 11〜20位　2勝1敗
vs 21〜30位　5勝1敗
vs 31〜50位　2勝0敗
vs 51〜100位　2勝2敗
vs 101位〜　2勝0敗

計 13勝10敗 （全仏3回戦終了時点）

トップ10に対してはまだ勝てていないものの、11〜30位の選手に大きく勝ち越しており、現時点の実力として20位前後の力はあると思われます。

そして今大会、3回戦の相手棄権は錦織にとって幸運ではありましたが、その実力を発揮してのベスト16入り。
「終わった」選手がこんな成績を残せるはずはなく。
まだまだ良くなる要素を残し、本人としても自分に厳しい評価をした上でこれですから、2018年の再来（トップ10返り咲き）、十分ありますよ。

そのためにも今日の試合は、本当に大事だし期待ですね。
3回戦と同じく、体力がどこまで戻っているかが最も大きな要素です。

3回戦では疲労の色は隠せませんでしたが、あのときよりは確実に良いでしょう。
練習でも、どこか痛めているような様子はありませんでした。
ただ、2回戦ほどは動けない可能性が高いと予想しています。
あくまで予想ですので、良い方向に裏切られるといいなと思います。

となると、今日はもったいないプレーは最小限に収めて欲しいところ。
戦略も重要になります。
3回戦後のインタビューでは、このように言っていました。

マドリードとローマの試合は、相手のプレーが違った。マドリードではむちゃくちゃ打ってきていたし、ローマではそれが抑えられて、ラリーも長く続くようになってチャンスが生まれたというところはあった。コート(の速さとして)はその間ぐらいの感じですかね。今週、ボールが重いので、そのぶんラリーはマドリードみたいにバンバン攻められて、ウィナーを取られことは少ないと思うので、そこだけには注意したいですね。彼も彼でプレー的には何かしてくるだろうし。ちょっと狙われていた部分はいくつか感じたので、この2試合で。そこを気をつけながらですかね。また、作戦は練りつつ、ちゃんと準備したいなと思います。

出典：＜一問一答＞錦織圭、相手の途中棄権で2年ぶりのベスト16入り!「休みが唯一必要だった」[全仏オープン]

具体的にどこかは言っていませんが狙われた部分は分かっており、ズベレフのプレーの分析はできているようです。

どんな作戦で来るんでしょうかね？やっぱり先にバックDTLがいいと思うんですけどね。

あとは、2ndリターンで前に入ることでしょうかね。
ラリーが強い錦織ですから、2ndでも下がって、しっかり深く返してラリーに持ち込むというのが基本戦略で良いと思うのですが、ダブルフォルトが多いズベレフにプレッシャーを掛けるという意味でも、前に入るリターンが成功すると大きな武器になるでしょう。
しかし前に入るリターンは技術的に難しいので、調子を見ながらポジションを前後させるのが良いと思います。

とうのも、前に入るということはサーバーにとって的ができるということでもあり、それでリターンミスが増えたらズベレフを楽にさせることもあるので。

ズベレフにダブルフォルトのプレッシャーがかかることが見て取れたら、次に思い切り下がるというのも、考えさせることに繋がりプレッシャーになるかもしれません。

ところで、全体的に今大会ではインタビューで饒舌な気がします。手応えと自信が戻ってきているのだと感じます。
あとは、体が動けばという感じでしょう。

ズベレフも錦織もバックのクロスが非常に良い選手です。
前回、ローマではこの打ち合いでも負けていなかったし、最後の体力さえもう少しあれば勝てそうでした。
錦織の競り合いにおける強さはズベレフも重々、承知しているでしょうし、プレッシャーのかかる展開に持ち込めば・・・の期待があります。
一方で負ける展開としてはパワーに押されて一気に持っていかれるパターンでしょう。
どっちもありえるかなと思います。

いずれにせよ、プレッシャーがあるのはズベレフの方です。
錦織は上記の記事で、「プレッシャーがないぶん、若干自分の方が思い切ってプレーできるかなと思います」とも語っています。
スタートの課題も認識しているでしょうし、５セットをプレーすることは避けたいでしょうから、ある程度序盤から積極的に攻撃を仕掛けると見ていますし、それが良いと思います。

もし勝てば、復帰後初のトップ10からの勝利、復帰後初のグランドスラムベスト8、連敗中のズベレフからの勝利と、記念すべきことが重なりますので、当然、鼻血対象試合です。