サーブの確率を計算しながら試合をやってみた

一昨日の記事「サービスゲームのポイント/ゲーム獲得率に関する確率的思考実験(テニスの物理・数学編)」では、

1stサーブが入る確率 60%
1stサーブが入ったとき、ポイントを取る確率 80%
2ndサーブが入る確率 90%
2ndサーブが入ったとき、ポイントを取る確率 50%

というプレイヤーを想定して、サービスゲームをキープできる確率を計算してみました(84.6%でした)。

しかしながら、あとになってこの仮想プレイヤーのスタッツは、やや現実的でないことに気がつきました。

というのも、1st Serve Points Wonが80%もあるプレイヤーは、今年の成績で言うと男子プロでもカルロビッチ大先生とツォンガの2人しかいないのです。

自分のサーブがプロ級でなくても、相手のリターンがプロ級でなければ1st Serve Points Wonを上げることは可能です。しなしながら、それでもやはり80%という数字は高すぎる設定だったと思います。

現実的には1st Serve Points Wonで2/3=67%くらいの数字を達成できれば、まずまずキープ力があると言えるのではないでしょうか。この場合、サービスゲームにおけるポイント確率は58%、サービスゲームをキープできる確率は69.3%になりました。結構現実的な数字ではないでしょうか。

この場合、相手も同じくらいのキープ力があるとすると、1セットあたり2ゲーム弱はサービスゲームを落とすことになります。ちょっと不安です。

実際にサーブの確率がどんな感じなのか、ちょうど今日の昼休みを利用してサーブが入った数をカウントしながら練習試合を行ってみました。
1st Serve Points Wonまでは頭の中で覚えていられなかったので、サーブが入った確率だけ計算してみました。

鼻血 4-3 対戦相手
鼻血4回サーブ
お互い1ブレイクずつ

1st Serve % 14/30=46.7%
2nd Serve % 12/16=75%
Double Fault 4

ご覧の通り、ひどい出来でしたorz

たったの4ゲームで30ポイントを要してしまい、1stサーブの確率は40%台、ダブルフォルトを4本もしてしまいました。

ブレイクが1つだけで済んだのが不思議なくらいです。

1st Serve Points Wonは、80%とは行かないまでも2/3=67%は確保した印象です。

2nd Serve Points Wonも少なくとも50%以上はあったと思います。

1st Serve %が50%を切ると、やっている本人同士も「入らないな」という印象になるみたいです。

1stの確率が悪いという認識が、2ndでの腕の振りも鈍らせてダブルフォルトにつながりました。

相手はストロークのミスがない人なので、サーブで崩さないと、というプレッシャーも影響したと思います。

1stサーブ60%を達成するのは、調子が良ければさほど難しくないでしょうが、そうでないときは何か工夫が必要だと感じました。

同時に1st Serve Points Wonも落としては意味がありませんから、ただ弱く打って入れに行く以外の何かが必要です。

と、試合の感想を言うのが目的ではなくて、本題はサーブの入った数をカウントすることによる好影響、悪影響について述べることです。

まず、カウントすることによって、集中力は高まる感じがしました。

結局はサーブの確率は上がらなかったのですが、確率を意識することで他の雑念は減りました。とりあえず悪い影響はなさそうです。

逆に、多少確率が悪いからと言って、気にするのは逆効果だとも思いました。

序盤では1本入るだけで確率が大きく変動しますし、45%も50%もほんの1本の差だったりします。

長期的、継続的に記録していかないと、統計的に意味のあることは言えないかもしれません。

今日は、確率が40%に近づくとサーブを入れに行きたい衝動に駆られ、そして実際に入れに行き、かつ入らないというw、悪循環に陥った場面がありました。

20%や30%といった低い確率だったら何か対策が必要だと思いますが、とりあえず40%台くらい入っていれば、意識しすぎてフォームを崩すよりは、「良いサーブを打つ」意識をキープすることが必要だと感じました。

あくまでポイントを取ることが目的であって、サーブを入れること自体が目的でないので、これが逆になってしまわないように気をつける必要があると感じました。

実際、3-3からのゲームは、場が煮詰まってきたのでポイントを取ることに集中でき、確率よりは思い切り打ったりコースを変えたりしたのが良い結果に結びつきました。

あと、最初の方は「何本中何本入ったか」を覚えておくのは難なくできるのですが、試合の中盤になると覚えておための脳みその負荷が大きくなってきます。

簡単に言えば「それどころじゃない」状態になってきます。

今日は実験だし、練習試合なので覚えておくようにしましたが、カウントするなら通算ではなくてゲームごとにリセットして覚えていくのがいいかもしれません。そしてコートチェンジの際にメモしておく、と。

まとめ

  • 1stサーブが入った確率と、ダブルフォルトの本数は覚えておこう。サーブの確率を維持する意識が向上します。(ちなみにこの2つから2ndサーブの確率は逆算できます)
  • 1stサーブの確率を計算しながら試合することによって、雑念が減る効果があります。集中力を高める助けになります。
  • 確率が悪すぎるときは、確率を上げるためにサーブのレベルを落とすことも効果的ですが、細かい数字に縛られることは逆効果になります。ある程度の数字が確保できていれば、通常通り、「良いサーブを打つ」ことを目指しましょう。

7 件のコメント

  • こんにちは

    一連のスタッツ計算非常に面白かったです。

    私はサーブの調子が悪いとそれを気にしてるうちにストロークの調子も落としてしまうことが多いので、多少確率が悪くとも気にしすぎない方がよいということをデータで裏打ちしてもらえると心強いです。

    さらに言うならサービスゲームで1,2ポイント取られるのは当たり前、1セットに1,2ゲームブレイクされるのも当たり前。
    逆に言うと相手もそれくらい落とすはずだし、デュースに持ち込めばさらにブレイクの確率アップと考えればサービスゲームは絶対キープ!と気負うこともないですね。
    サーブの確率計算も今度やってみます。

    しかし団長、コートチェンジの度に確率をメモ、計算するなんてまるでエーちゃんみたいじゃないですか!

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  • marbleさん、コメントありがとうございます。

    確率メモは、実は昔やってたんですよ。
    あのころは、毎日テニス日記つけていたし、試合にはかならずチェックリストを持って入って、コートチェンジのときに読んでいました。
    コートチェンジのたびにガリガリ何か書いていたので、対戦相手は不思議がっていました。

    サーブの確率計算も今回が初めてではありません。
    前はやっぱり、ちゃんとネットに出れるサーブで60%くらいは入っていたと思います。

    ちなみに夜も練習しまして、こちらはダブルスで、相手はリターン上手い人だらけでオムニコートだったので、速いサーブでリターンエース食らうよりはネットでのポジション重視、ちょうど最近はすスピンサーブに凝っているので、

    「いかに回転量増やすか&いかにフルスイングで遅いサーブ打つか」

    を課題に行ったところ、なんと80%以上入りましたwww

    46%の試合と同じ日なのに・・・

    ダブルスなので詰めることさえできればリターンエースがほぼないことが、サーブの心理に影響しています。

    そういえば私、ダブルスになるとサーブの確率やっぱり上がる傾向があります。完全に心理的なものですね。

    要するに、気持ちとか考え方が大きく影響しているということですね。修行が足りん。

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  • ブログとは関係ないのですが

    伊達の姐さんがCommonwealth Bank Tournament of Champions
    ラウンドロビン1勝1敗でトーナメント出場です。

    明日は一人で実況掲示板乗っ取りたいが用事があって
    スコアが追えません(ToT);

    私に代わりに応援できる方はよろしく~~~

    ちなみにランキングも70位台中盤まで上がる可能性大!!

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  • てんてんさん

    伊達さんの活躍、私も追ってます。
    Wickmayerのアクシデントもありましたが、大きなポイントがかかった試合でホント活躍しますよね。
    このへん、錦織と共通。
    負けることはあっても、ときどき驚く結果を出してくれる。

    私は、メディナガリゲスにまた勝ったこと、本当に、本当に驚きました。

    有明で見た伊達さんとメディナガリゲスの2人のテニスからすると、「どうやってこんなすごい選手に伊達さん勝ったの」という感想しか出ませんでしたから。

    また試合やることになって、勝てないだろうと思っていましたから・・・。

    こりゃまた伊達さん特集記事かなw

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  • 以前、試合のときポケットにカウンターを入れておいて
    サーブを打つたびにポケットに手を突っ込んでカチカチ
    やってました(笑)

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  • 鼻血さん、時差一時間で現地時間2時半だと伊達vsバルトリそろそろですね。

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  • 最後の方だけチェックしましたが、残念な結果でした。
    しかし、0-5から粘ったあたりはさすがですね。

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    ABOUTこの記事をかいた人

     テニスを愛する理系人間。よく理屈っぽいと言われる。  プレースタイルはサーブアンドボレー、というよりサーブ。ストロークは弱い。  2008年2月15日に本ブログを開設。その数日後に錦織圭はあのデルレイビーチ優勝を成し遂げる。  錦織圭の存在を知ったのは2004年。その後2006年全仏ジュニアベスト8で再注目。2007年のプロデビュー(AIGオープン)で錦織の試合を初観戦。その後の活躍を確信し、今に至る。