年間ATPカレンダーのほぼ半分を過ぎた時点ですが、今後NadalとFedererのトップ争いはどうなるかを数字のお遊びとして考えてみました。
人間のすることに不可能な事は何も無い、と言えますし、実際何が起こるか誰も知りませんので、年末のトップを言い当てることはできませんし、それが目的ではありません。
ドローを知らない時点で試算し、実際に起こるとは思っていなかった極々希なケースが起こってたのが全仏でした。全仏でFedererはSoderlingに破れ、Nadalが優勝してしまい、トップ在位記録の直前で達成できませんでした。それもたった310点差というほんの少しのポイント差でNadalがトップに戻りました。彼らにとっては僅かな点差ですからFedererがこれをひっくり返せるでしょうか?
年末に現在のポイントを維持するためには今後どれだけポイントを獲得する必要があるかを考えます。
(現在のポイント=P)から(今年になってから獲得したポイント=R)を引くと(未だ失効していない去年獲得したポイント=A)になります。
Player | P | R | A=P-R |
Nadal | 8700 | 6300 | 2400 |
Federer | 8390 | 3285 | 5105 |
そして(今年これから獲得するポイント=B)とすると、BがAより多いと現在のPより多くなります。年末にFedererが現在のNadalより多いポイントになるために最低必要なBは
Federer B = 8700 – 3285 = 5415
となり、今後の期間でNadalの獲得ポイントより3015点以上多く獲得する必要があります。
この時点でわたしはFedererの1位は難しいと思ました。記事にする以上もう少し確実な困難さを数字上示さなければならないと思い、トップ選手が今後獲得できる最大ポイントの概算を出してみました。
WimbledonとUS Open両方優勝して4000
MS4つを全勝して4000
500を4つ優勝して2000
250を2つ優勝して500 合計10500
思ったより沢山のポイントが獲得できるのですね。
Federerの例年の参戦姿勢からみて500と250は無視するでしょうから、最大8000点といったところでしょうか?
すると8000点の内5415点は相当厳しい数字になりますが、決定打とは言えません。
そこで、また別の視点が必要です。
去年の実績よりそれぞれが今後どれだけ多く獲得できるかを見てみることにします。
Federerが今後去年以上に追加できる最大ポイント
WimbledonとUS Open両方優勝して800
MS4つを全勝して2810
500を4つ優勝して2000
250を2つ優勝して320 合計5930
Nadalが今後去年以上に追加できる最大ポイント
WimbledonとUS Open両方優勝して3280
MS4つを全勝して2500
500を3つ優勝して1250
250を2つ優勝して350 合計7380
これもNadalが有利と言えるでしょうが、思ったほど差が出ていません。
そこで、また見方を変えて、Nadalが去年より多く獲得したら、Federerはその分も更に上乗せして獲得しなければならないことに注目します。
つまり、Federerが上乗せできにくいところで、Nadalが上乗せすると、Federerの可能性を潰すことになります。今調べた数字から去年はMS以下の大会では、FedererもNasalも大差ない成績だったことが分かり、大きな違いがあるのはGSのポイントであることが分かります。そして直近のWimbledonがその最たる大会です。
Federerは優勝しても追加点は0です。Nadalは獲得ポイント全てが追加ポイントです。
もし、2008年同様Nadalが優勝したら、Federerは今後去年よりも2800点以上多く獲得しなければなりません。つまり、今後5415+2800=8215点獲得しなければなりません。Wimbledon後でFedererが最大獲得可能な8500点の内8215点を獲得しなければNadalに追いつきません。このためには、Federerは参戦義務と必要数の残り11戦を皆勤し、ほぼ全勝しなければなりませんので、これは不可能な数字と言って良いでしょう。
Federer優勝、Nadal準優勝の場合でも、今後5415+1200=6615点獲得しなければなりません。昨年のようにFedererがアジアシリーズ欠場したら、最大7000点の内6615点獲得は残り9戦を皆勤しほぼ全勝しなければならない数字です。これまた不可能な数字と言って良いでしょう。
以上のことから結論として、NadalがWimbledonで決勝に残ったら、以後の大会で昨年並みのぐずった成績でも、Federerの年内1位はまず無いと言えます。言い換えると、NadalはWimbledonで勝ち残れば残るほど、年内1位を確保することができると言えます。
現在の点差310点ではない大きな点差が潜んでいることが面白い点です。でも、これは、突っ込みどころ満載の記事でしょう。数字のお遊びがお好きな方よろしくお願いします。
Nadalは芝シリーズの初戦でもクレーから中二日しかないのに良く芝にフィットしたプレーをしていました。今回芝での練習は雨のため極端に少なかったようです。Nadalではいつものことながら、どんな相手にも対してもその時に自分のできる最善のプレーを一生懸命にする姿勢がしっかり見えていました。
またもやケイメヒコさんの力作です。おもしろいわー。
netdash引用 返信
年末の最終戦では1500ポイントが加算されるのでは?
まあ、それを考慮しても厳しいとは思いますが。
最近のフェデラーは3セットマッチでは結果を出せなくなってきてますから。
ただ、ナダルは例年通りだと後半は失速するので、全英と全米でフェデラーが優勝できれば可能性はないとも限らないと思います。
rivesa引用 返信
AEGON、ナダルがロペスに負けてしまいました。。。
ロジャーは大好きなハレでいい感じです。
ともに250の大会なのですが数少ないグラスの大会ですから
すごいメンツですね。
ナダルは楽天が決まったそうですね!
圭君と練習して欲しい!!!楽しみ!
楽天は500の大会なんですよね。。。
極東はキビシイです。
なさる母引用 返信
rivesaさん
あぁ、そうですね。
FINALのことはアップ後チラッと頭をよぎったのですが、去年Nadalは0、Federerは400だから、これを入れると更にNadal有利じゃないかと思ってそのままにしました。
やり直して見ようかな?
>全英と全米でフェデラーが優勝できれば可能性はないとも限らないと思います。
そこがむしろFedererのネックです。両方とも取らなければその時点で終わりと言えます。Nadalは両方とも準決勝残りで、Federerに80点与えるだけです。書きましたようにWimbledonで決勝まで残ったらFedererは追いつくことが非常に困難になります。
まぁ、今週トップテンで残っているのはFedererだけになりました。きっちり勝てば200点追い詰めることができます。こういうところで少しずつ詰めていかなければならないと思います。GSをきっちり取ることは絶対に欠かせない必須事項で、その上で詰めることができる大会で、アジアシリーズお休み、500大会も目じゃないとしていたら、1位復帰の可能性が遠のきます。
ケイメヒコ引用 返信
ロジャーとラファの、ポイント獲得~トップ争いの面白さ、
それは、たぶんそのまま、二人の戦いぶりに表れてくるとおもいます。
やっぱり二人から目が離せませんね。
ラファは復帰後のGSは一球一球全力で来るでしょう。
ロジャーも優勝を目指して、戦い抜いてくるでしょう。
>Nadalはいつものことながら、どんな相手にも対してもその時に自分のできる最善のプレーを一生懸命にする姿勢がしっかり見えていました。
あぁ、いいコメントだぁ♪♪♪
そうなんですよねぇ。
マックウィン引用 返信