オリンピック疲れ癒えた錦織、超特急で2回戦進出(2012シンシナティ)

2012 Cincinatti Masters 1000
1st Round
Kei Nishikori [14] def.  Marcel Granollers, 6-1,6-2

強いですね!

トロント初戦敗退が功を奏してw、いい練習をしてコンディションを整えてきたようです(下記ツイート)。

オープニングゲームをダブルフォルトでスタート、0−40としたときは「また出だしか!」と思いましたが、ここをキープするとその後は危なげありませんでした。

タイプ的にグラノイェルスのようなややスピン系のストローカーは得意としていると思います。
(私は「実直ストローカー」と呼んでいますw)

錦織はフォアのグリップが厚いので ボールが高く跳ねてくれた方が力が入りますし、しっかり構えてフルスイングしたいタイプですのでフラットでカンカン来られるよりはスピン系の滞空時間のある球の方が好きでしょう。

バックハンドはコンパクトに打てますし対応力が高いですがフォアはそういう特徴があると思ってみると得意、不得意が判別しやすいと思います。

でもあのグリップにしては錦織のフォアは対応力ありますけどね。芝でもちゃんと間に合ってるし。

さて余談ですがやっぱり、テニスの調子って水物だと思いませんか?

今回の試合は、ちょっと負けたくらいで過度に心配する必要はないといういい例だったように思います。

逆に今日良かったから次の試合も良いだろうというのは、「多少はその可能性あるよね」程度のものだと考えた方がいいです。

調子がいい時期、悪い時期というのは存在しますし、人間ですから負けが続くと負けを呼びやすくなるし、勝ち続けてるときは誰が来ても勝てるような気がするものです。

でもそういうものはいずれは平均に回帰していきます。その平均の現れがランキングであったり過去の対戦成績だったりするわけです。

相性についても数回対戦しただけではまだ確定的なことは言えないと思います。

複数回負けているティプサレビッチ、デルポトロ、バグダティス、ガスケ

このあたりは相性が悪いのでしょうか?悪いかもしれませんがそうでもないかもしれません。

相性以前に単に彼らが強いだけかもしれません。

逆にベルディヒ、ツォンガ、フェレールには2勝していますが彼らとは相性がいいのでしょうか?

いいかもしれませんがそうでないかもしれません。

錦織は長身ビッグサーバーに弱いのでしょうか? いえいえビッグサーバー得意な人ってそんなにいますかね?誰もがビッグサーバーは嫌ではないでしょうか。例に出てきたツォンガ、ベルディヒも長身ビッグサーバーですしね。

カルロビッチ、イズナーあたりのサーブは入れば誰にも取れません。彼らは当たればどんな選手にも勝つ可能性があります。

同じ選手に2,3回連続して勝ち/負けが続いたとしても結論を急ぐのは早計だと思います。サイコロは100回でも振れば同じ目が何回も出ることはあります。ない方が珍しいくらいです。つまり100人くらいの選手と対戦したらその中には結果が偏る選手というのはどうしても出てくると言うことです。

ただ、例えば3回連続して負けたら、その選手は相性が悪い「可能性は高い」と言えるでしょう。何もデータがないときと比較して。断定的なことは言い切れないにしても。

こう考えていくと、相性なのか実力なのか、偶然なのか必然なのか、判断は慎重に行わなければならないと思います。

3回負けた → 相性悪い と考えるのは「帰納的」な判断です。これだけでは不十分で、「負け続けている理由は何か?」を考える「演繹的な」判断が伴って初めて、「相性が悪い」と言えると思います。

例えば錦織が勝ち越している/負け越している選手の特徴の共通項を探る。勝ち/負けパターンの共通項を探る、などです。

今日は具体的なことは冗長になるので言いませんが、ニュートラルな目を持ち短期的な結果に一喜一憂しない、長期的な傾向に目を向ける、結果も重要だが試合内容や試合に臨むプロセスに目を向ける、などを意識することによって、負けたときに過度にショックを受けることが軽減されると思います。

・・・と相変わらず長々と理屈っぽく書いてしまいましたが、要するに・・・

勝ったらむちゃくちゃ喜んで負けたらすぐ忘れる

これに尽きます。そうしましょうそうしましょう。

期待はしていいと思います。した方が楽しいですしね。次はブレイクとの久しぶりの対戦。これも勝っちゃおう!

7 件のコメント

  • 錦織はしっかり深いボール打ててたしコースも散らして素晴らしかったです。グラノイェルスはトップ30レベルとは言えないようなミスの早さでしたね。これからランキング下降するんじゃないかな。
    錦織の今の調子ならブレークは余裕で倒し、フェレールとまたいい勝負しそうですね。
    そういや、客にちらっとジャスティン・ビーバーいたような気が・・・

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  • ダブルフォールトで始まり0-40になったときはフルセットを覚悟しましたが、短時間で終わってよかったです。今日はランニングショットが冴えていた印象です。一方グラさんはトロントの疲れか、ミスが早かったですね。
    それにしても開始3ポイントでガットの張り替えなんて・・・。最初からテンション合わせておけないんでしょうか。

    >勝ったらむちゃくちゃ喜んで負けたらすぐ忘れる
    100%同意です。

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  • ずっと前にきいたことですが、天才とか博士とかすごい人達は、
    チュウリップの花の名前すら知らないそうですが、錦織選手も天才までは
    いかないでも、テニスに関しては、近いものがあるんじゃないかな、
    ブログで今年2回も携帯をなくしたそうです。テニス以外のことは、あまり無頓着というか、気にしないというか、そんな気がします。
    だから、ラケットのテンションもすごい細かいそうですよ。
    私は、そこが好きです。
    !勝ったらむちゃくちゃ喜んで、負けたらすぐ忘れる!
    これも好きです。

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  • 今回の試合は全然追えなくて、結果を見ただけなのですが、いい感じで試合を勝てたというのはよかったですね。
    団長の説明、とってもよーくわかりました。勝ったら喜び、舞えたら忘れる。これ大事ですねぇ~。
    ブレイク戦も期待です。今度は皆さんと一緒に喜びたい!

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  • 本当に強かったですねえ。

    コメントがいつになく支離滅裂のようなのも、喜んじゃってるからかしら(*_*)
    サーブゲームで取るパターンが成功していて、「カッコイイ-!」この調子を期待してしまうところを誡めないとね。フムフム。

    今晩はライスコだけですね。勝つとおもう!ぜったい勝つ!
    風邪引きかけてるので寝ます。

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  • 左右に振られた時の踏ん張りに、体幹を鍛え上げた成果が垣間見えて惚れ惚れしました(≧∀≦)キャー
    早く強い相手と戦ってる試合を見たい♪
    その時も同じように鋭いボールが返せたら、もう本物ですね!!(‘-^*)ok
    USオープンに向けて、良い感じになってますカモーン、圭

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  • 団長!演繹的とか、帰納的とか、大学の授業を思い出します。遠い昔、、、

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     テニスを愛する理系人間。よく理屈っぽいと言われる。  プレースタイルはサーブアンドボレー、というよりサーブ。ストロークは弱い。  2008年2月15日に本ブログを開設。その数日後に錦織圭はあのデルレイビーチ優勝を成し遂げる。  錦織圭の存在を知ったのは2004年。その後2006年全仏ジュニアベスト8で再注目。2007年のプロデビュー(AIGオープン)で錦織の試合を初観戦。その後の活躍を確信し、今に至る。