【レビュー追記】2014マドリッド1回戦 vsドディグ

2014 Madrid Masters 1000
Kei Nishikori[10] def. Ivan Dodig, 6-4,6-4

ドディグのプレー、かなり良かったと思うのですがそれを跳ね返しました。バルセロナの好調を維持していると言っていいでしょう。もちろん、体調も問題なさそうです。

試合の流れ

大会の緒戦、それも第1ゲームから全開で行くのは難しいものですが、錦織はしっかりバルセロナからのサーフェスコンディションの違いにもアジャストし、いきなりブレイク。
続く第2ゲームはドディグの深いストロークに押し込まれ、ブレイクポイントを握られるものの、サーブを軸とした理詰めの攻撃でこれをセーブし、主導権を握ります。

その後、ラリーは常に錦織が優勢に進めながらもドディグが強力サーブからの攻撃的展開をミスなくこなし、キープが続いたまま6-4で錦織が1stセットを取りました。

錦織はストレートへの展開を早めクリーンなストロークエースを連発していましたが、打っても打ってもドディグが落ち込むことがなく、むしろエネルギッシュに動いて打ち込んできたので、1stセットを取ったといえども勝敗の行方はまだ読めない状態で2ndセットを迎えました。

2ndセット、お互いに危なげなくキープしていたように見えたものの、さすがに休む暇のない錦織の厳しい攻撃にドディグもプレッシャーを感じていたのでしょう。1stサーブが乱れ、カウントを悪くしたところにストローク戦を嫌がるかのようなサーブアンドボレーが決まらず、錦織がブレイク先行で3-2。

しかし錦織の方も折れないドディグにプレッシャーを感じていたのか、ドロップショットのミス2本に加えグランドスマッシュをフレームショットし、すぐにブレイクバックを許して再び勝負は分からなくなりました。

いやな流れになりかけたところでしたが、その後錦織は再びサービスゲームで集中力を増しラブゲームで4-4とすると、次のゲームでも完全に逆をついたパッシングショットでこの試合3度めのブレイク。勝負を決めました。

フォアのストレートが好調、サーブも高確率

ラリーの早い段階でのストレートへの展開が目を引いた今日の試合でしたが、特にフォアハンドが良かったと思います。2010年から2011年の半ばまではこのショットが惜しいサイドアウトになることが多かったのですが、本日は決めに行った場面ではほぼ100%入っていたと思います。

スローのリプレイでも確認しましたが、スライドフットワークを上手く使って打点にスムーズに入れていました。打点も高く、気持よく振り抜けていましたので相手にとってはお手上げのショットでしょう。

サービスは1stサービスが70%の高確率で入り、主導権を握ることができていました。ダブルフォルトもなかったし、サーブも好調を維持しています。

2回戦は久しぶりのガルシアロペス

2回戦は純クレーコーターのガルシアロペスとの対戦です。2008年ジャパンオープン以来の対戦ですので、かなり久しぶりですね。あの試合では序盤で30ポイントを超えるゲームがありましたが、錦織がモノにしました。そのまま錦織がゲームを支配して勝利したのですが、18歳とはとても思えない貫禄だったのを覚えています。クレーコートでの対戦でもあり、相当昔の対戦なのであまりこの対戦結果は参考にはならないかもしれませんが、今の錦織に粘り負けは考えにくく、攻め球をことごとくミスる、といった展開にならない限り負けることはないんじゃないでしょうか。また、実直ストローカータイプには錦織は強いというイメージがあります。

マドリッドのサーフェスコンディション

ドディグのコーナーへのサービスに錦織が飛びついて返球に成功する場面が結構あったので、「コートサーフェス遅めなのかな?」と思ったのですが、よく考えればマドリッドの大会会場は標高の高い場所にあり、むしろボールが飛ぶんでした。
ということは錦織の反応とフットワークが素晴らしいということですね。ドディグもかなり粘ってました。

試合後のインタビューでもバルセロナとのコンディションの違い(ボールが少し弾む)を口にしていましたが、上手く対応できていました。それよりも日陰と日向の境目がコート上にあり、時間とともに移動していくのが気になりました。あの中で2人共普通にラリーできてるんだから、やっぱりプロはすごいです。

スコア推移

Set1
G1ド×○○○×○ 1-0
G2圭×A××○○○○ 2-0
G3ド○×××○○×× 2-1
G4圭○○○×○ 3-1
G5ド××○○×○×○×○×× 3-2
G6圭○×○○×○ 4-2
G7ド×○×○×× 4-3
G8圭○×○○×○ 5-3
G9ド○○×××○×× 5-4
G10圭○×○×○○ 6-4

Set2
G1ド×××○○× 0-1
G2圭○○○○ 1-1
G3ド×○××× 1-2
G4圭○×○○○ 2-2
G5ド○○××○○ 3-2
G6圭○××○×○×○×× 3-3
G7ド○××○×× 3-4
G8圭○○○○ 4-4
G9ド○×○○○ 5-4
G10○×A○×○ 6-4

27 件のコメント

  • ん~、GAORA見た後だと印象が変わるのかも知れませんが、私的には不満でしたね。
    ただ、ストレート勝ちだから、結果オーライです。

    下団さんが懸念されていたように、Dodigのサービス、かなり決まっていましたね。

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  • さすがに56drawのMS1000、ドディグ強かった。サーブ良いし、フォア力強いし、粘るし・・・
    何にせよ勝ってよかった!

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  • 2ndでブレバされて長くなるのは嫌だな~と思っていたら4-4でギアを上げたかのようにブレイクで勝利なんて凄い!想像以上の充実ぶりですね。ドディグ選手も良かったので延長セットにならずにストレート勝ちできたのは体力面でも大きいですね。

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  • ドディグ強かったです!グルビスを泥臭くして、力強さを増した印象でした。
    2セット目、ドディグがドロップをミスした後、圭くんが「ドロップはこうやるんだぜ」的に返してやっぱりミスしちゃったのはご愛嬌でしょうか(^^;)
    それなりにハラハラしましたが、終わってみれば横綱相撲でしたね。
    次はいよいよこてこてのザ・クレーコーター相手ですが、今の圭くんなら撃破してくれると信じてます!

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  • 今年から大学生になったので、tennistvに入っちゃいました(^.^)
    今まではスコアとハイライトでしたが、もう生で見れます!
    一層気合が入ってきました(≧∇≦)
    今日はおめでとう!
    ガルシアロペス戦も頑張れ!!

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  • 団長さんのおっしゃる通り、好調ドディグを横綱テニスで退けた錦織君には貫禄が漂ってましたね~
    ストロークのミスは出ていましたけど、コンディションが大分変ったのとドディグの好調さが原因でしょうし
    錦織君も試合後のインタビューでブレイクされたゲーム以外はパーフェクトな出来だったって言ってましたね

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  • GAORAで観た印象ですが、まだ100%じゃないですね。
    悪い意味ではなく、先を見据えてのプレーのような気がしました。
    なんとなくで、根拠ないですけど^^;
    相手にもよるけど、コートへの慣れ含め、これから少しずつギアを上げていくでしょう。

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  • GAORAのニアライブを見終わりました(^-^)/
    ドディグ、本当にあきらめない粘り強い良いプレイでした!
    しかし、それを落ち着いていなした圭!(;・∀・)
    ドンだけつおいんでしょうか?(((^_^;)
    ピンチを未然に防ぐストローク、しかもヤバい時にはまだギアをあげられる感満載です!d=(^o^)=b
    その上、時折見せる効果的なエース!(;゜∇゜)ヤバイ
    もしくはサービスポイント!(^-^)/

    1戦目でまだコートに慣れてないのか、バックのミスが目立ちましたが、それさえ、すでに「圭にすれば」の「たら・れば」の範疇でしかありません。
    つおい、本当につおい!(;゜∇゜)ヤバイ
    あの、振られてもきちんと最適な打点に入っていけるスライディングフットワークは、もはや完ぺき~!(*^^*)♪
    やっぱり敵は怪我だけとみた!d=(^o^)=b
    中尾トレーナー、たのんまっせ!!(^O^)/

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  • 今試合後のインタビューだけ観ましたけど、やはりコートに対する慣れの問題はかなりあったみたいですね。
    ギアはほとんど上げずにストレート勝ちで試運転完了。安心しました。

    6年前のGarcia-Lopez対戦のことに触れてましたけど、本当に覚えていたのかについてはかなり疑わしいw

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  • アガシとかダビデンコとかいろいろ錦織がなぞらえられる選手はいるけれど、最近はちょっと打点の入りの無駄のなさがジョコっぽい気がしているのは私だけ?

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  • いつものことですが、凄いショット打ってましたね。最近、テニスの王子様を地でいくようなのがあってびっくりします。(*_*)

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  • ツォンガの試合の時もしばらくは、錦織の話題でしばらく持ちきりでしたね。それだけ欧州でも注目の的なんでしょう。バブリンカが目覚ましい活躍をしていますが、今年は錦織も負けず劣らずビッグな活躍をしてくれるでしょう。

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  • さすがです、団長。気づく人は多くはいないと思いますが、ポイントへのスムーズな入り、今の圭をサーブとともに支えてますよね。元々のスピードと相まって、素早いセットアップからコースを狙えるからダウンザラインが決まる決まる!気持ちいいです。やっぱりクレーは「得意」なサーフェスですね。これからが楽しみです+ワク.。゚+.(・∀・)゚+.゚テカ+

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  • 皆さん、お久しぶりです。本当に強いですね。私も展開の早さがジョコのようだと感じています。
    さて、我々毎回盛り上がって応援するものの、海外のブックメーカーでは優勝オッズはついこの間までは、ラオニッチはおろかデミの後塵を拝していました。
    「錦織が上だろ」と心の中で何回叫んだものか...
    スポーツオッズニュースによると今回のマドリッドでは名だたる強敵を押さえ、なんと5番手につけています。
    海外での評価が急上昇している証拠ですね。うれしいです。
    ttp://sportsbetting-strategy.net/tennis/madridopen2014men-singles.html

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  • いま録画を観終りました。いい試合でした。1回戦ながらお客さんは大満足でしょう。
    これまでの大会では初戦は緊張もあり慎重な試合展開が多かったですが、今日は最初から振り切れてましたね。相手ドディクも好調のようで気合い充分、サービスは強力、思い切りの良いフォア、果敢なネットプレーで押してきました。しかし錦織はさらにその上を行くプレーでした。スコアは競ったものになりましたが、テニスのクオリティは明らかに違っていました。
    2回戦は難敵ですが大丈夫、やってくれそうです。

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  • ドディグさんは非常に粘り強いイメージがあったので、今日の試合も予想通りな展開でした。
    しかし、今の圭くんは余裕があるので、終始ゲームを支配していましたね。
    団長さんがおっしゃるようにベルさんとセッピさんの試合の展開がゆっくりに見えますね…
    次の試合もほんとに楽しみです!!

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  • 今日は観戦できませんでしたがいい試合だったようですね。
    今週も期待にドキドキ夢ワクワクの1週間になりそうです。

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  • 団長さん、確かに!
    ジョコビッチのような早い展開からのショートクロスが増えたように思えますね!
    ただし、フェデラーのように多彩なプレーとフェレールのような粘りのあるフットワークも加わっているので、これは化け物の誕生の予感がしています。

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  • 3倍速くなった?!
    予測が良くなったのかな?
    深いラインぎわのボールの処理が良くなったように感じます。

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  • スタッツを見ると、2nd serveになった時の攻撃力が違いますね。pt獲得率50%越えでは、相手もプレッシャーを受けるでしょう。
    今日の2回戦もリターンからの攻撃に期待ですね☆

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  • ひむらさんww
    さらっと恐ろしいことをおっしゃいましたね!(;゜∇゜)ヤバイ
    全面的に賛同しますとも!d=(^o^)=b

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  • 俺、ドディグや。俺のテニスはこれといった武器はないが、自分でも気迫と集中力と体力はある方と自覚している。それに、ここんところ調子よかった。今日も圭にアップセット食らわしてやろうと虎視眈々やったで、圭に勝てばATPトップページに俺の気迫顔が載るの間違いナシや、母ちゃんも喜ぶやろうと。しかし、圭は強いで! サービスゲームポイントを50%近く取られるとは…、記憶ではクレーのラファか
    ダビト、芝のロジャー、ハードのノバク並みやで、スコアは競ってたけど完敗と認めざる得ないで、デビスカップでも当たりそうやしな。前向きに考えるしかないけど、どないしたらええねんコーチ!(久々のなりきり妄想でした、まじめなドディグでした)

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  • ハーフボレーさんのなりきり妄想、面白いです(^_^)

    ドディグ選手、試合直後の握手の場面で、
    ポンポンと圭くんの体を軽くたたきながら、
    「おまえ強くなったな~」
    と言ってるように見えました
    これも妄想?ww

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  • ひむらさん

    わかります!その気持ち!
    私も最近の錦織のプレーを見ていると、攻めの速さとショットの多彩さでフェデラーを彷彿とさせ、守りの固さとストロークの安定感でジョコを彷彿とさせ、リターンのものすごさでアガシを彷彿とさせ・・・と、どんな化け物やねん!

    この状態でもおそらくまだまだ伸びしろがあるという恐ろしさ。

    絶対にTOP10の選手たちは
    「今年の錦織はヤバイ・・・」と思っているに違いありません。

    いや~今後が更に楽しみですよね~。

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  • ハーフボレーさんのなりきり妄想は面白いです!!笑っちゃった!!

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     テニスを愛する理系人間。よく理屈っぽいと言われる。  プレースタイルはサーブアンドボレー、というよりサーブ。ストロークは弱い。  2008年2月15日に本ブログを開設。その数日後に錦織圭はあのデルレイビーチ優勝を成し遂げる。  錦織圭の存在を知ったのは2004年。その後2006年全仏ジュニアベスト8で再注目。2007年のプロデビュー(AIGオープン)で錦織の試合を初観戦。その後の活躍を確信し、今に至る。