全盛期並みフェデラーに完敗!しかしまだ望みはある!(2014ワールドツアーファイナルズ グループセッション フェデラー戦)

2014 World Tour Finals
Group Session
Roger Federer def. Kei Nishikori, 6-3,6-2

スコアが示すとおりに勝負としては完敗。ただ、ラリーの質は高く、楽しめる試合内容ではありました。錦織のポイントになかなか結びつきませんでしたが・・・。

このようなスコアになった最大の原因は錦織のサーブの不調でしょう。
毎サービスゲームに1本ずつダブルフォルトをしてしまうペース。1stの確率も低く、エースも1本だけでした。
セカンドサーブへのフェデラーのリターンからの攻めも厳しく、錦織は後手に回ってしまいました。

ストロークも、フェデラーのコートカバーが素晴らしかったとはいえ凡ミスが目立ちました。
フェデラーのハイペースに対抗しようとしてリスクを取り過ぎてしまった印象があります。
もう少しペースダウンしてリズムを掴んでからギアを上げたほうが良かったと思いましたが、実際にそれを実行するのはおそらく非常に難しいのでしょう。
甘い球を打てばフェデラーに先手を打たれてしまいますので、それを警戒してどうしても厳しいプレースメントに、威力のある球を打とうとする意識が先行してしまったように感じました。

今日の2人のサーブ力には相当の差がありましたから、少なくともラリー戦は錦織が支配しないと勝負になりませんでした。
技術面か、作戦面かでほんの少しだけ変わることができれば、少なくとも競った展開に持ち込むことは今日の調子でも可能だったと思います。
序盤をどう切り抜けるかが鍵だと思っていましたが、最初のサービスゲームで1stサーブの確率に目処をつけることができず、またフェデラーより先に訪れたブレイクポイントのチャンスをものにできなかったことで、少しずつ歯車が狂っていきました。

フェデラーの出来は全盛期に匹敵するほどで、威力のある球に早いタイミング、スライスを交えた多彩な展開、精度の高いサービスなどまさにMr.テニス。
このフェデラーに対向するには少なくとも完調の錦織が必要だったと思います。

悔しい敗戦ですが、次の対戦はまた今日とは別の試合です。同じ展開になるとは限りません。決勝まで進出することができれば再戦もありますので、これで落胆することなくしっかりと次の対戦のための作戦を、チャンとダンテとで練ってほしいところです。

デュースコートでワイドサーブ(錦織のフォア狙い)を多用してきたように、フェデラーは相当錦織を警戒して研究してきたのだと思います。ですが、そうと分かったからには次はもっとうまく対処できるはずです。
これらを突き詰めて考えると、結局は基本ショットやフットワークが充実した選手が勝ち残るという至極まっとうな結論にたどり着きます。

今日、錦織が乾杯したのはまだまだそれに改良の余地があるということ。伸びしろがあるということで前向きに捉えたいと思います。

まだラウンドロビンは1戦あります。
他の選手の試合結果次第ですが、次の試合に勝って決勝トーナメントに進むことが最も重要です。
1回負けてもまだチャンスがあるところがラウンドロビンのいいところですね。

1回目の対戦で学んだことをフィードバックして決勝で再戦して勝利!と行きたいところですね!

ラオニッチもさすがに3連敗はしたくないと思うのでいつも以上にサーブを打ち込んでくるでしょう。
USオープン&ジャパン・オープンの感動再び!ということで錦織のプレーに期待します。

右手首は、おそらく大事を取って休むレベルの故障ではないように思えます。
また手首が万全でも今日のフェデラーに勝つのは厳しかったと思います。
「誰にでも勝つことができる」は「100%勝つ」ということではありませんので、こういう日もあるということですぐに忘れて、ラオニッチ戦で全てを出し切ってくれ!

71 件のコメント

  • 万が一(とあえて言わせていただきます(>人<)・・)ロジャさんがアンディにストレートで負けるとやっかいですね。いやんっ(/ω\)!!
    とにかく圭くんは先に2セットで勝っておく、ゲームを落とさない!!!

    うぅ、ロジャvs.アンディは何が何でも起きて観なければ・・!!!

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  • 号外、錦織選手ツアーファイナル初出場で初優勝!

    フェデラーに完敗した時点で誰が予想したか!

    って感じのいつもの展開希望。

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  • 「ある意味」完敗に乾杯したいと思います。 
    次に繋がる試合だったと。

    フェデラーの往年のショットが見れました。
    圭が引き出したんですよね~

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  • 久し振りに書き込みさせていただきます。
     昨夜は試合途中から、フェデラーの輝きに「かっこええわぁ」と呟きながら見てました。
     生ける伝説のプレーヤーが、本気で錦織圭を倒しにかかってくる姿。
     ばたけひめさんの言う「試合終了の握手」、私もそう感じました。
     これからは対等な相手。
    かくなる上は、いつか、
     互いのミラクルショットを応酬した上での、フェデラー戦勝利を見たい!
     対峙するファンが皆喝采を贈るような、とてつもない試合が期待できると思います。

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  • 改めてフェデラーがすごいなと思うのは、本当に怪我が少ない事。マジで化け物かと思う。怪我で長期離脱がないことももちろん、メディカルタイムアウトですら取ったのを見たことがほとんどない。一つだけ覚えてるのはちょっと前のウィンブルドンで、背中の治療で奥に引っ込んだのを見たくらいだと思う。でもって、今現在33才にして、13年連続ファイナルズ出場、そのうち6回優勝、今年60勝以上をあげ、年間NO.1を狙っているetc..

    何かやっぱり別格だなあと思う。ラファもジョコもマレーもデルポもハースもロブレドもみ~んな何かしらの怪我を克服しながらツアーを戦っているのに対して、全く怪我知らずのフェデラー・・・。やはりこの男普通じゃありません。神?w

    でもそんなフェデラーとファイナルズの舞台で錦織が戦えたのは本当に価値があると思います。彼の背中を追って、もしかして追い越したかも?と一瞬思ったらまた先の方にいる。修造がうれしいかもと言ったのはこういうことかなあと思いました。この敗戦はちょっと残念でもあり、それと同時に錦織を更に強くするためのモチベーションの一つになると思いました。

    手首は本当に心配ですが、大丈夫なのであれば、ラオニッチ戦は今持てる全てを出して勝って欲しいと思います。でも、状態が良くなければ、無理はせずに戦ってシーズンを終えるのも一つかと私は思います。ここまでで既に最高の成績を出してTOP5まで登りつめたんですから、来年以降の活躍のためにも無理はして欲しくはないです。

    でも・・本心は準決勝に進んで欲しいんですけどね・・・。でも本来のテニスができないなら戦える相手ではないですし・・・ああ、葛藤する!

    長文失礼しました。

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  • 試合見返しました.
    「たられば」はいけないけど、先にブレークできてたら…
    見たかった。。
    強かったけどやっぱり悔しいです。もっとやれるのに、世界にみせつけてほしい!

    次はまたこの大事なところでラオニッチ。
    修造さんの言うようにサービスよ、蘇れ!!

    ↓修造さんのブログ
    http://www.shuzo.co.jp/blog/2014/11/column_889.html

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  • 片時も目を離せない濃い試合でしたね〜。
    「精密機械のような」(by鍋島さん)キレキレのフェデラーを久々に観ました。
    すっごく悔しい敗戦ですが、いつもこういう試合の後はぐっと強くなりますよね。
    まだまだトップに食い込んだばかりですから、これからが楽しみですよ。
    憧れだった選手と対等の位置にまで上り詰めて、相手を本気にさせるだなんて
    ほんと、圭はすごい奴だし、持ってますね!
    このような貴重な試合を現地で観戦されてるみなさんが羨ましいです〜☆
    (日本語の応援も、聞こえて来て嬉しかった!)
    それにしても、2人の高速プレーを観た後の、マレーvsラオ君の試合は
    車の運転で高速道路降りた直後みたいに、速度がゆったりして見えました^^;
    (マレーがのらりくらりラリーをしてるのもありますけど)

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  • フェデラー、本当に強かったですね。
    ロジャーファンでもありますが、昨日の対決では圭君を応援していました。でも皆さんがコメントされているように、打ち合いでも、要所のサーブでも、引き出しの多さでも、総力戦で勝ちにきたロジャーに押し切られてしまいました。

    ケガのせいにしたくはありませんが、今年のモンテカルロでジョコビッチがロジャーに負けた試合を思い出してしまいました。ラオニッチ戦、サーブと手首の状態が少しでも良くなっていることを願うばかりです。

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  • http://tinypic.com/view.php?pic=fa7yjd&s=8#.VGME3pccTct


    フェデラーの調子からすれば、マレーに2-0で勝つ可能性が高いのではないか?と思っております。そうしますと、錦織選手は、ラオニッチに対して、最低でも1セット取れれば2位通過は決まるようですね。もちろん2-0で勝ってもらい、準決勝に行ってもらいたいですが、最低でも1セットは取って欲しいですね。

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  • 皆さんのコメントに頷くばかりです。
    ケンシロウの下りも面白かったですが、何より本気、全力でロジャーが錦織を倒しにかかってきていたこと。現地の日本の方の応援、心に染みました。
    本日大事な仕事があったにも関わらず眠れませんでした。錦織君が頑張っているように自分も周到に準備して頑張らなくてはならない。しかし応援したい!ココの皆さんなら分かって頂けますよね!
    今からラ王を探して食します。あと私に出来ることは後は念じることくらいでしょうか。
    越中さんの展開、希望します!そんなことになったら鼻血と涙を垂れ流すことになることに自信があります!
    もう少し夢を見ていたいです。

    試合のレビューとしてはロジャーが錦織のテニスをさせなかった。これに尽きるでしょう。ロブは良かったですけど、バックのDTLのUEなんかはそうでしょうね。

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  • ラオニッチは圭くんに1セットでも取られた時点で準決勝進出の夢が絶たれるんですね。圭くんが先にセットを取れば、ラオニッチのモチベーションが下がるのではないかと思います。

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  • >ユリケンさん

    案外、そうでもなく(汗)、お互いに「勝てば200ポイントゲット」できるので、
    (この200ポイントはデカいです)
    ラオちゃん、たとえ1セット先取されても、200ポイント獲得の為、必死で来る
    と思います(汗)。。

    また、

    圭君は、ラオちゃんに負けて(セット一つはとれて、ロジャーがマレーに勝つ)
    準決勝に進んでも、、、、

    準決勝で敗退すれば、ポイント稼げず、マレー戦で得た200ポイントのみの
    結果となり、結果としてラオちゃんと同じポイントを得て敗退ということにな
    ります。。。

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  • 昨日のフェデラー戦は、立ち上がりが良かっただけに、とても残念でした。もちろん、フェデラーの調子が良かったということは間違いないですが。

    手首が原因なのか、他の要因なのかわかりませんが、パリでのジョコビッチ戦以降、コートに入る前の眼光鋭い表情が消えて、元気がないのがとても気になります。ロブレド戦の時はサービス、ストロークとも好調で(ミスもありましたが、ウィナーも多かった)、第一セットを取られても負ける気がしませんでした。

    練習でも、チャンやボッティーニが話しかけても、何か上の空というか・・・下を向いてる事が多いような気が?

    明日のラオニッチ戦は楽天の時のような気合いの入った表情を見れると良いな。ラオニッチはこの大会、本調子じゃないようなので、チャンスかなぁ~と。

    慶應チャレンジャー、西岡選手と添田選手勝ちましたね!この2人が準々決勝で当たってしまうのが勿体ない(>_<)

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  • マレー戦の後であの高速ラリーは厳しかったですね。久々にフットワークが間に合わない圭君を見ました。ライジングのたたき合いだと片手バックの方が体勢的に次のポジションに入りやすいような気がします(なんとなくですけど…)。それでも対応できていた方だった気がします。少なくともラオ戦のホットショットほど追いつけてない感はなかったので。ファイナルはそんなに甘くないって事ですね。さ、ラオ潰しに行きましょう!

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  • 過酷なテニスツアーの終盤戦にもなれば、ほとんどの選手が何らかのトラブルを抱えているかと思います。ましてや上位8強が集う名誉ある残業に突入しています。この残業は経験値のある選手が有利で初出場での優勝は勿論、決勝進出さえ数少ないと思います。
    フェデラー選手戦は拮抗した力を持つ者同士の対戦で先に流れを掴んだ者が意外な大差(中身は接戦ですが)をつけて勝つ、よくあるパターンだと思います。錦織選手が1stセットの第3ゲームで先にブレークしていたら逆のスコアもありえたでしょうね~
    フェデラー選手も錦織選手もRRの2戦目でマイアミのような激闘は避けたかった、速攻で勝ちにきていたと思います。その中で先に錦織選手の勢いを先に喰ったフェデラー選手が、その経験値をフル稼働して流れを手放さなかったですね・・・セカンドサーブもそうでしたが、微妙な回転の差やショットのバリエーションを多くして錦織選手に的を絞らせなかったですね~この強いフェデラー選手と戦えたことは大きな財産になると思います。
    錦織選手、トラブルを抱えているのは間違いないでしょうが、その中でも戦う、最善を尽くして勝ちに行く引き出しを身につけるときがきている、立場になっているかと思います。パリでのジョコビッチ選手戦、今回のフェデラー選手戦も内容は悪くなかったと思います。今年、錦織選手が身につけた引き出しと自信がそれを可能にしたと思います。悪いなかでも強豪としっかりと戦えたことは良い経験、自信になりますよね~
    あと初出場のツアーファイナルで難しいのは1敗した後の気持ちの立て直しだと記事で読んだことがあります。幸いチャンコーチが1度決勝進出したことがありますし、そのときにRRでベッカー選手に負けて2位から決勝進出してベッカー選手に返り討ち(違ってたらごめんなさい)・・・その経験をしっかりと錦織選手に伝えて叱咤激励して立て直してほしいですね~月曜の早朝に錦織選手の試合を見られることを信じて応援したいですね~頑張れ~!

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  • 錦織圭選手が負けたのは残念ですが、まったく悲観的になる事はないと思います。
    今日のフェデラーは神がかっていたくらいいいテニスをしてました、それを引き出した錦織圭選手は強いです。こんなフェデラーと試合をしたのはナダルとジョコビッチくらいしかいないでしょう!
    時折見せてくれたラリーはこの二人しかできない近未来のテニスでした。
    この先の活躍が凄く楽しみです。
    次の試合も頑張って欲しいですけど、脚に痛みがあるのかフットワークが出来てなかったのが気になります。

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  • フェデラーは上海のジョコ戦で成功した錦織選手のお株を奪う様なライジングで攻めてきたので、これが錦織対策だったのでしょうか。いつもは錦織選手の速攻テニスで主導権を握るラリー戦なのに、時折り錦織選手がミスをさせられる場面があって悔しかったです。全米オープンのジョコ戦でも素晴らしい精度を魅せた錦織選手の超ライジングは体力的精神的にも辛い高難易度のプレイで、今、世界で出来るのは錦織とフェデラーだけだと思います。相手に攻撃の隙を与えないばかりか、ミスを誘い、次第に相手の調子も奪っていくのだと思います。フェデラーはサービスも安定して良かったので、どうしても錦織の安定したサービスが必要でした。ブレイクされた3つのゲームに全てDFが絡んでいる事からも明らかですが、フェデラーはその隙を見逃しませんでしたね。
    手首の痛みは本人も言う様に少なからず影響は出ているかと思います。
    試合後のコメント
    錦織選手「100%の状態ではないので、いつものように全身を使って全てのショットを打てるわけではない。」
    フェデラー「錦織は何かの理由で本来のプレーではなかった」
    ただ、故障だけが理由とは思えず、スーパーショットも出ていたし、他の選手ならプレッシャーに感じて流れが錦織選手にいく可能性もあったと思います。ポイント連取出来なかったのは、それでも動じない百戦錬磨のフェデラーの強さなのかな、と思いました。
    次はリベンジに闘志を燃やすラオニッチ…対戦成績は目安にならない程の強敵だと思っています。モンスターサーブやライジングは手首の負担が大きいでしょうから、良いリカバリーと無理のない試合で勝利出来る様に願っています。

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  • 試合前のフォトセッションでフェデラーが何事か囁きました。「全力で行くぜ」「おぅ」・・・(勝手な想像)

    フェデラーの早いテンポに付き合い過ぎという意見もありますが、この大舞台で真っ向から打ち合いに応じた圭くんを誇らしく、本当に「未来は明るい」と思いました。

    全米以降の激闘を思えば、ジョコのようにATP500欠場なんのその余裕で1位を維持するような選手たちと戦っていることがすごい。

    この試合でもう実力は十分証明しました。足りないのは経験だけかもしれませんね。

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  • 錦織くんの敗戦は残念ですが、みなさんがおっしゃるように本当にハイレベルの試合を楽しめました。団長のおっしゃる通り、次がまだあるのでがっかりせず私たちも気持ちを切り替えたいところですね。

    yuriさんがおっしゃっているように、フェデラーの凄いところは私も怪我が少なく、ほとんど欠場していないことだと思います。ただ、そんな彼も怪我知らずということではなく、確か腰の慢性的な故障があったと記憶しています。若いころにやってしまって今でもよくないときがたまにあるとか。
    ちなみに彼が試合を棄権したのは、私が知る限り3、4年前のドーハSFだけだったと思います(間違っていたらすみません)。

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     テニスを愛する理系人間。よく理屈っぽいと言われる。  プレースタイルはサーブアンドボレー、というよりサーブ。ストロークは弱い。  2008年2月15日に本ブログを開設。その数日後に錦織圭はあのデルレイビーチ優勝を成し遂げる。  錦織圭の存在を知ったのは2004年。その後2006年全仏ジュニアベスト8で再注目。2007年のプロデビュー(AIGオープン)で錦織の試合を初観戦。その後の活躍を確信し、今に至る。