2018 Vienna (ATP 500)
Semifinal
Kei Nishikori[5] def. Mikhail Kukushkin[Q], 6-4,6-3
ククシュキンが好調だったにも関わらず、期待に応えるストレート勝利。今週の錦織はひと味もふた味も違います。
ククシュキンがしぶとく、1stセットはなかなかリードできませんでした。
サービスゲームを危なげなくキープできていましたので、「さあそろそろブレイクを!」となるのですが、ククシュキンのサーブも良く主導権を握らせてくれません。
フォアの攻め球ミスもあり、5-4までは両者すべてキープ。
続く第10ゲーム、錦織はリターンを深く返してククシュキンのミスを誘いました。
ククシュキンのフラットなフォアが攻撃力を増してきていることを感じながらのセット先取でした。
錦織にティーム戦ほどのフォアの調子はなく、ボールは深く行ってはいたのですが、それほどリスクを取っていないフォアクロスがククシュキンの狙い打ちにあってしまい、押し込まれる場面が何回か見られました。
2ndセットも被ブレイクは0だったのですが、何回もピンチはありました。
第1ゲーム、40-15から3本連続でミス。次も2ndサーブとなりアタックされますが、良く返して凌ぐ。
第3ゲームもBPを握られるが、サーブで凌ぐ。
第5ゲームも15-30の場面があったが、伝家の宝刀バックDTLで追いつく。
第7ゲーム、再び15-30となるがきっちり1stサーブで2本取り返す。
第9ゲーム、三たび15-30。ここも2本のサービスポイント。1本は206km/h(そんなに速く見えなかったが).
と、サービスゲームは毎ゲーム危ない場面があったのですが、とにかくサーブでの切り抜け方が印象的でした。
試合中に大きなダウンのない試合が、これで今大会4試合連続。とにかく安定しているし集中力も高い。
全てのショットが高いレベルを保っています。
今日はQFと比べるとややフォアが調子を落としたか? とも思いましたが、まだまだ余力があった(それほどリスクを取っていない)し、バックのDTLは今日も絶好調でした。
悪いときはミスが連続して出てしまうのですが、それがあまりないですね。
本当に危なくなる前にきっちり修正してきている感じです。
それが好循環を生んでいるように思います。
また、リターンゲームでも取れそうなゲームをしっかり取っていることも良い。
ククシュキンとしては、良いプレーを続けているのになぜかリードされているという印象があったのではないでしょうか。
そして、今日の個人的な一番の注目は、ククシュキンのサービスのコース!
2つ前の記事で、「0-0ではワイドを読んでもいいかもしれない」と書きました。
するとククシュキン、9つのサービスゲーム中、8ゲームでワイド! しかも最初から8ゲーム連続です。
最後のゲームも「ワイド来い!」と祈っていましたが、あえなくセンター。
おーい、ここまで来たらワイド貫いてくれよ〜! と思いましたが、錦織がもうワイドサーブに完全対応していたので、勝つためには当然の選択でしたね。
15-0からもセンター(フォア側)への配球が多いだろう、劣勢になるとバック側への配球が増えるだろう、とも予測していたのですが、これも当たり。
反響の薄いデータ分析記事ですが、これだけ当たってくれるともう、楽しくてしょうがないですね。
ハモ部長の実測データを見れば一目瞭然。
ゲーム序盤かつ劣勢ではない0-0、15-0、30-0、30-15ではワイド(フォア側)を多用していることが分かります。
ウィーンSF錦織vsククシュキンの、ククシュキンの1stサーブ方向。ティーム戦と同様に1stサーブ方向をみたいので、インしたかどうかに関わらず全1stサーブのデータ。手で記録してたので、1−2ポイントの数え間違いとか、ボディとみるかワイドとみるか曖昧なポイントもあります。 pic.twitter.com/2XdoSkDAha
— 禮 (@Vestige_du_jour) 2018年10月27日
しかし選手により考え方は違うでしょう。
例えばジョコビッチは元々、大きな傾向を作らない打ち分けタイプ。試合毎にも傾向が異なります。
そういったタイプのことも考えなければなりません。
例えば過去のセンター50%、ワイド45%だとして、この程度では「センターが多い」とは言い切れません。
データ通りでも45%もワイドに来てしまうようでは、センターに大きく賭けることはリスクが高い。
カウント毎に見て、「整合性のある傾向」を掴まなければならないし、カウント毎に見ると1つあたりのサンプル数が減るので、それを確認することも重要です。
しかしティーム戦も、ククシュキン戦も分析は有効に働きました。
時間がかかるので毎試合は無理ですが、なるべく事前に分析して観戦のお供にしたいと思っています。
データ分析記事、興味ありますよー。
特にプレッシャーかかる場面では、なんらかの傾向が必ずあるはず。
これからもよろしくお願いします!
ぐーがー引用 返信
自分も理系人間ですが、団長の洞察に恐れ入ります。
圭君のはともかく、他選手の場合は特にnが限定される中、これだけ面白いデータが取れるのはさすがですね。ククシュキンのサーブもばっちり傾向通りで笑ってしまいました
モンフィスやコリッチもOutする中、圭君が元気そうなのが何よりです。
最終ゲームのサーブも206km/hだったようですし (・ω・;)//
このまま優勝まで進んで欲しい!
八神庵引用 返信
毎度記事アップ楽しみにしています。ククシュキン選手との試合、錦織選手のサービスが良かったですね。
しかしながらいつも素人として反省するのですが、ATP500の準決勝まで勝ち上がる選手は、必ず何か武器を持っていること。正直準々決勝のククシュキン選手の試合は粘り勝ちで、過去7連勝の錦織選手楽勝じゃないかと思っていたのですが、錦織選手の試合では、相手も早い展開に応じる為、数段良い試合に見えます。
いや、ほんとズベロフに勝ったコピル選手などプロは層が厚いですね。
すがぽん引用 返信
ククシュキンには全勝してますがどの試合も楽に勝った試合はないように記憶してます
錦織圭はなんかやりにくそうにいつもしてますね
印象に残ってるのが錦織圭が?( ・∇・)鼻をずるずるいわしててコートチェンジの時にティッシュがない錦織圭を見て近づいてきた錦織圭にククシュキンがティッシュを差し出すと錦織圭がそれを無視して素通り
その時のククシュキンの
( ・∇・)(///ω///)♪(゜ロ゜;ノ)ノの顔が可愛かった(^^;
取ってあげようよと思ってましたが、そこで和んだらいけないと思ったのか、気がつかなかったのかククシュキンとの試合はいつもあの時の光景が思いだしつくづく好い人なんだろうなと思います
スマートなプレースタイルではないけど好きな選手です
さあ、いよいよ決勝戦ですね
ここまできたら優勝してほしいですね
勝っても負けても後大会は一つ
この間は僕の意見がきっかけで皆様の議論になり皆様の思いがよくわかりました
人それぞれの基準があるのですね
僕は大きな大会の優勝は上位選手の故障や対戦時のコンディション等々が重なって運も大きく絵すると思ってますし下団さんが言ってたハンディもあると思っています
僕はトップ10の在位期間やアップダウンの少なさやビッグ4との勝率ビッグ4外のトップ10との勝率等々からビッグ4の次と思っていますしビッグ4の発言からしても錦織圭の立ち位置はビッグ4の次と思っているのですが
( ・∇・)?基準はそれぞれ違うでしょうね
この決勝戦で錦織圭が負けても僕のなかではかわりません
でも、今日は勝ってくれ
すみません、蒸し返してm(__)m
けんじ引用 返信
ストレートで勝利良かった!ククシキンは相当しぶとい選手ですね、錦織自身も「簡単な試合ではなかった」と言ってました。団長さんが言われるように、3度目の正直で優勝してほしいです。そして何より身体が丈夫になってるのが、怪我がないということが1番うれしい!
今晩は心の底から、優勝してください、優勝さしてあげたい!!!!!!!!!!!!!!
N.H引用 返信
けびん あんだーそん
サーターアンダギー と ちんすこう
が脳裏に浮かんだけど
どこがかぶってるのか不明。
サーブの傾向マニュアルを楽しみに夜を待ちます。
ステファンふぁん引用 返信
いつも記事を拝見しておりましたが、はじめてコメントします。
噂によると、今日の決勝で錦織は600試合達成するらしいです。
ということはマスターズ1試合免除の権利を得るのでIWのゼロが押し出されるということでしょうかね。
その場合、、もし今日勝てば3500!?
ティームと45ポイント差??
このあたり、どうなんでしょうね…
moto引用 返信
サーブ分析と鳩サブレーを観戦のお供にしました。
分析当たってるので感心してたんですが、ククシュキンが強くて途中から余裕がなくなってしまった😅
この大会はリターンも好調ですね。ククシュキンは過去全勝だから読みやすいんでしょうが、謎なのはティーム戦。全仏の時は最後までリターンが良くなかったのに、今回は真逆でしたね。
錦織選手のサイコロ6とティームの2が重なったのか。。
本人にもわからないんでしょうか。。?
メドベージェフもフェデラーに、楽天の錦織選手の時のような負け方。。
選手も人間だから、調子の良し悪しや相性で理屈ではないいろんな結果もあるんですね。。
とはいえサーブの予測おもしろいのでまたお願いします🙏
stteffilove引用 返信
Live ATP Ranking は、有志による運営?で間違いが多いです。
私もよく利用しますが、コメント等をする場合には、出来るだけATPのサイトで確認をしています。
別スレで 禮 部長がコメントされていますが、新シーズンの1月1日時点で条件をクリアしていて、参戦義務のある選手に免除の権利が付与されますm(__)m
下団引用 返信
ククシュキン選手、16年3月のデ杯で、
ジョコビッチ選手を相手に約5時間の死闘を演じてましたが・・・
やはりタフな素晴しい選手ですね~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
アンダーソン選手は、500大会での初優勝がかかりますし、激闘が予想されますが、勝利して久々にツアータイトルの🏆を掲げた、錦織選手の勇姿が見たいですね~(`・ω・´)ゞ
下団引用 返信
データ分析記事、とても楽しみに、観戦のお供にさせていただいております。
元となる数自体が少ないとのお話でしたが、0-0の時にワイドサーブくる度に「きたー👍」ってニヤリ。
お時間ある時に、またお願いいたしますm(__)m
楽しみにしております‼️
matsu引用 返信
|・ェ・`)ノ|Ю ソ-ッ…
こんにちは
新参者のにゃん吉です。
いつもこちら拝見しています。
皆様のご意見や試合に関する情報、分析、感想・・・
凄いなぁ・・ふむふむ・・なるほど!
と感心したり共感したりしながら読ませて頂いています。
いつもはもう読むだけで胸いっぱいで勇気リンリンで
圭さんの応援して満足してるんですが
今日はドキドキソワソワしちゃって・・・
お恥ずかしながら
大阪なおみちゃん以来の書き込み
させていただいています。
とは言っても 大したことは書けませんが(苦笑)
圭さんのこの大会での頗るの好調
素晴らしいショットの数々に
歓声を上げながら部屋を走り回っています!
試合中の圭さんのお顔も
心なしかいつもより引き締まっている感じに見えて
秘める闘志をヒシヒシっと感じてしまうのですが
ファン心理がそう見せているのでしょうか。
今日の決勝 ほんとにドキドキソワソワ・・・・
圭さんが優勝できますように・・と心から祈っています!
にゃん吉引用 返信
ここの記事を錦織選手本人とは言わないまでも、関係者のどなたかが見てくださってるといいな、と思います。
もちろんこういう分析はすでにチームで行なってるでしょうが、全ての対戦相手に対してデータを出してくるのは手間のかかる作業かと思うので、ここのデータ分析を活用してもらえたらいいですね。
>「例えばジョコビッチは元々、大きな傾向を作らない打ち分けタイプ。試合毎にも傾向が異なります。」
と。まさに! ジョコビッチ選手攻略の難しさを示す一つの例でもありますね。ジョコビッチ選手は相当ていねいに対戦相手ごとに細かく対策をしているように思います。
最強の選手がさらに勝利のためのきめ細かい対応をしてくるわけですから、つけ入る隙がないのも当然なのかも・・。
とはいえジョコビッチ選手がいつも立ちはだかる(なぜ高確率でジョコビッチ選手と同じ山に入るのか? そういう運命になっているのか?)ので
何とか壁を乗り越えていかないと、と思います。
まずはアンダーソン選手のサーブをしっかり捉えてほしいです。今度こそ3度目の正直(モンテカルロ、楽天の準優勝を乗り越え)で優勝できますように!
風引用 返信
団長さん、レビューありがとうございます😊
2セット目のピンチの局面の解説で、第1ゲームから第9ゲームまで並べて書いてある
のを見て、えっ?こんなに毎回ピンチの場面あったんだっけ?と思ったくらい重症に
なる前にきちんと切り抜けたのでした。15-30 って怖いですよね( ̄^ ̄)サーブが悪い
時はここからが苦労の始まり……となるのですが、団長さんがおっしゃるように本当
に危なくなる前にきちんと修正!ができて ブレイクポイントを与えず30-30 にしてま
した。1ポイントたりともいい加減にせず、危機意識をもってそれへの対応ができる技
と支える体幹が鍛えられていることをつくづく実感しています。1ポイントを大事にす
るという教えはチャンコーチから言われていることでしたね。
もう全てにわたってかみ合っていると思わずにはいられない今大会の試合です(*´꒳`*)
あけび引用 返信
数字の羅列だけなら、あれですが、懇切丁寧な注釈、易しい解説つきなので、観戦のお伴に、大変役立ちました。お忙しいのに、有難うございます。
ジョコビッチ選手には、裏の裏を読まれるから、また、更に裏を❗ほんとに駆け引きの仕合ですよね。
なには、ともあれ、今夜の大一番、アンダーソン選手のサーブを攻略して欲しい❗
是非とも錦織君らしいテニスで優勝🏆決めてくれる事願ってます。
なっち引用 返信
motoさん 以前私も同じような疑問を持ったので、MS参加義務免除について調べたことがありますよ。
チャレンジャー、ヒューチャーズはカウントされず、デ杯とオリンピックはカウントされるらしいのですが・・・・
残念ながら、デ杯とオリンピックを加算しても600試合には、30試合程度不足しているようです。私も興味がありますので、知っている人は、教えてください。
キリ丼引用 返信
私事ですが今日は午前テニススクール、午後家族テニスやりました。
テニスコーチには、クロス、ストレートでもショート、ロングの発想。ダブルスボレーこそ前後を意識とコメント頂きました。
で、錦織選手が海外のフィジカルが強い選手を圧倒出来る要因は、時間を奪う左右、前後へのボールのちらし、コントロールの凄さとバックハンドが強みである点。精神力。そして今は更にサービスとボレーが強みになっていると思います。
でも実際テニスをしてみてですね。私も含め素人にはあんなプレー無理なんです。ティエムのギュルギュルドライブやククシュキンのフラットを前で裁いてコントロールなんて訳わからないです。ラオニッチやアンダーソンのすごいサーブなんて素人諦めますよ。最初で。
でもこのサイトでは錦織選手のプレーを10年ずっと追いかけて来ている。多分僕には見えない錦織選手の可能性が見えていたんですね。
勿論錦織選手には、マスターズやグランドスラムで優勝して貰いたいし、今のテニスでジョコビッチやフェデラー、ナダルを粉砕して欲しい。錦織ファンにとってそれが実現する可能性のある今が一番楽しい時期かもしれません。
でも今が日本にとっても今が一番のチャンスです。錦織選手のファンとしてもテニスを更に人気あるスポーツにすることも。なーんて個人的に感じています。
すがぽん引用 返信
キリ丼さん,
私もプロ転向後の試合を足し算してみたのですが、600には足りませんよね。
まあ、私はこういうのはさっぱり😅なのですが、準決勝の実況の記事で禮さんが詳しくコメントして下さっています。
TSDさんのツィッターによりますと、計算方法が特殊らしいです。
ですので、今日の試合で600試合という事でよいのだと思います。
youko引用 返信
錦織選手は、今日の決勝戦で最初のボールを打った瞬間に600試合達成です。MS免除規定についてはすでにコメントしましたが、フォーラム「GS&ATPルール教えて」にルールを書いたので、そちらをご覧ください。錦織選手の通算試合数のまとめはこちらです(今年の初めからカウントダウンしてました、笑)。2009年以前のチャレンジャーとフュチャーの試合はカウントすることが出来るので、600試合達成となります。
禮引用 返信