湿度に苦しみながらも、ファイナルセットキングの称号に相応しいプレーを披露！（2021東京オリンピック2回戦 vs. ギロン レビュー ＆ 3回戦 vs. イバシュカ プレビュー）

2021 Tokyo Olympic Games
2nd Round
Kei Nishikori def. Marcos Giron, 7-6(5),3-6,6-1

1回戦のようにはいかず、ミスに苦しみながらもファイナルセットはいつもの強さを見せてくれました！

序盤は1ブレイクアップし順調かと思えたのですが、ラリーの中で自分の打ちやすさを優先したショットがギロンの好きな打点に飛び、フォアのクロスのカウンターを食らってブレイクバックを許しました。バックハンドのネットも気になりました。

しかしタイブレークでは一段上のプレーを披露。5−5に追いつかれはしましたが、そこからの2ポイントはしっかり走り、我慢もしつつ最後は決めるという素晴らしい得点パターンでした。

しかし本日のコンディションは最悪。台風一過の蒸し暑い天候で、湿度は70％以上。気温よりこの湿度の方が大変だったことでしょう。
1stセットを取るために相当なエネルギーを使ってしまい、2ndセットに入ると精度を落としてしまいました。

これは時々見られる現象ですね。ずっと最大の集中力を持続することは不可能ですので、どこかで一息つきたくなってしまうことは仕方ありません。
そんな時にどうにかこうにかして切り抜ける技が欲しくなります。一番良いのはサーブでしょう。

リアルタイムではミス連発に見えたのですが、録画で見るとそれほど悪くはありませんでした。
良いラリーをしながらも最後はミスしてしまうというポイントが多かったように思います。
ギロンの粘っこさと、暑さの中での瞬のタイミングのずれが原因でしょう。

ダブルスも含め4連戦となっていることも影響したかもしれません。
ダブルス自体が体力を奪うというより、炎天下でコートに立つということ自体が体力を奪ったのだと思います。
今年、錦織はSF以上に進めておらず、連戦慣れしていないということもあると思います。

ただ、1セット間はまずいプレーをしても、セットが変わるとプレーもガラッと変えることができるのが錦織の強み。
何回も見せられたので、たとえファイナルインしても見ている方も焦らなくなりました。
そしてその期待通りのギア・アップをファイナルセットには見せてくれましたし、流石のギロンにも疲れが見え始めました。

4−1からのサービスゲームは5回のデュースの末取るという厳しい展開で、これを撮られていたら嫌な感じだったのですが、ストロークではミスを出しつつも、サーブが180km/h台後半、時には190km/hを超えるなど好調を維持。3回戦でも武器になるでしょう。

3回戦の相手はイバシュカです。
ランキング66位と、ギロンと1位違い。サービスエースの数も1試合平均5本くらいなので同じくらいの力だと思いますが、しつこさはギロンよりさらに上だと思いますので、そこが心配です。
今年の戦績をチェックしたところ、そこまでたくさんは勝ってないのですが、競ったスコアが多くナダルからもクレーでセットを取っています。そして1回、ズべレフに勝っています。
とにかく粘っこい印象があり、今のコンディションで粘り勝負は怖いなと思います。

イバシュカとの試合は第1コートの第2試合になりました。すり鉢状のセンターコートよりは涼しくなることを期待しています。
時間帯は最悪ですね・・・。

そして、第4試合にはダブルスがあります。こっちはセンターコートです。
相手は第1シードのぺビッチ／メクティッチ組。
このペアは強いですよ・・・。

ウィンブルドン、イーストボーン、ローマ、モンテカルロ、マイアミ、ロッテルダム、メルボルン2、アンタルヤと優勝。
全豪、ドバイ、マドリードが準優勝。

ほとんど負けていません。
とにかく胸を借りて、1、2回線と同様にイマジネーション豊かにプレーしましょう！

非常に厳しい日程となってしまいましたが、これは元々の予定通りのスケジュールですね。
ジョコビッチも第3、第5試合のダブルヘッダーです。
ジョコビッチの方が少しだけ涼しい時間帯ですが、1、2回戦は錦織の方が涼しい時間帯でしたので、公平だと思います。

体力は心配ですが、なんとなくやってくれそうな気がしています。
ガッツリ仕事の時間帯なので、また録画でプレーをチェックすることになりそうなのが残念ですが、会議室から念と粘を送ります。