シャンの成長に驚き。膝と腕が心配だがサーブは上向き(202409成都1回戦 vs. シャン)

2024 Chengdu (ATP 250)
1st Round
Juncheng Shang def. Kei Nishikori(WC), 6-4,6-4

終盤まではほぼ互角の内容だったと思いますが、ピンチでのプレーで上回ったシャン、そして最終盤で動きが落ち、左膝が痛そうな仕草を見せた錦織の差がスコアに現れました。

錦織はサーブが良く8本のサービスエースを放ちました。デュースワイドのスライスの切れがよく、センターへの186kmhエースもありました。
ただ復帰後の錦織をずっと支えてきたフォアのミスが今日は目立ちました。シャンのストロークが深かった影響もあったと思いますが、攻め球のサイドアウトが痛いところで出てしまいました。これがサービスゲームの波に繋がり、トータルで3ブレイクを許してしまいました。

イタリアのチャンレジャー2大会、そしてデ杯を見て錦織のテニスは非常によかったのですが、今日はそれらの試合と比較して甘い球が来なかった印象です。
シャンのリターンとストロークが深く、緩急も効いているので非常にやりにくそうでした。

1stセット4-5の15-40からのシャンの4本のビッグサーブは見事でした・・・。
それまで遅い1stも結構あったので面食らいました。2ndセット第2ゲームでも0-40の大ピンチからナイスショット連発で凌いできました。
19歳にしてこの試合運びは驚きです。昨年のアトランタでの対戦時からセンスは感じましたが、大成長していますね。

錦織は2ndセット2-3から1ブレイクを返しましたが、4-4のサービスゲームでは動きが落ち再びブレイクされてしまいました。
最後のゲームは再び気力を振り絞り、声を出しながらハードヒットするいつもの執着心が見られましたが、左膝を押さえるシーンがあり、体の状態が心配されます。
4-5のチェンジコート時にはMTOを取り右腕をマッサージする姿も見られました。

ジェノバチャレンジャーに続き、トップ100選手への敗戦が続いてしまっていますが、体さえ大丈夫なら私は心配いらないと見ています。
ただ、その体が心配で、イタリアチャレンジャー以降の状態をまとめますと、

コモチャレンジャー 1、2Rを楽に勝ち、QFは棄権
ジェノバチャレンジャー 1、2Rを楽に勝ち、QFは6-2,4-0まで行ったがその後足の状態が悪くなり、逆転負け
デ杯コロンビア戦 初日ストレートの楽勝だったが、翌日ダブルスは選手交代
本日 試合終盤でMTO(右腕)、そして左膝が痛そう

決して強度の強い試合が続いたわけではないが、上記のように決して万全の状態ではないようです。
ただ、試合には出ています。ここは以前と違うところで、エントリーしてはキャンセルが続いていた頃よりはよっぽど状況は良いと思います。

ひょっとしたら考え方を変えたのかもしれません。100%じゃないと出ないつもりだったが、いつまでも100%にならないので、様子を見ながらなるべく試合に出る方針に変えたとか。
私もその方が良いと思っていて、どこかで折り合いをつけるしかないと思っています。大事に行きすぎて時間がかかってしまうよりは、やはり試合に出てこそプロ選手だと思います。

錦織も、テニスの調子は良いので歯痒い思いをしていることと想像します。
外野からは詳しい状態は分からないので、木下オープン以降、出るにしても出ないにしても本人の決断を尊重するしかありません。
回復を祈るのみです。

サーブもどんどん良くなっってきているので、体の調子が良くなって全てが噛み合う時期も来るかもしれないと期待して、待とうと思います。

6 件のコメント

  • おっしゃる通りですね。胸にストンと落ちました。
    下団さんが、完全に治ることはないとコメントしていますが、そこは覚悟して応援しなくちゃなんだと。折り合いをつけながら、出続けるという選択は厳しいけれど、それしかありませんね。ティームの復帰などを見ると、自分のテニスが戻ってこない苦しさがあったと思いますが、今回の錦織の復帰では、自分のテニスそのものはかなり取り戻していて、そのテニスに身体がついていけるかという苦しさ。まあ、テニス選手としてはどちらにしても厳しい道です。これからの一試合一試合を心して応援したいです。そこにいくつもの喜びが錦織に訪れますように( ´﹀` )💕

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  • 団長さん、お忙しい中 レビュー記事のアップありがとうございます。
    はい、どこかで折り合いをつけるしかないんですよね。
    膝の神様、肘の神様、肩の神様。なんでもいいや、神様、仏様、錦織陣営様。どうか錦織圭をお守りください。
    有明でも元気な姿が見られますよう、祈っています。

    今日は錦織選手らしいバックハンドの鋭いウィナーも見られたし、サーブも(肩甲骨まわりのモーションがよくなった?)好調だし、明るい材料もあるので、次の試合が楽しみです。
    それにしても、シャン君の成長ぶり、恐るべし。厳しいボールも深く正確に返してきますよね。次の対戦では負けないぞ!

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  • 長年数多の激戦をくぐり抜けてきたプロの選手が自分の身体と折り合いをつけながら、より良い選択と信じてまた新たな闘いの場に挑んでいく姿を私達はただひたすら応援することは勿論ですが、何も状況が分からない身としては願わくば長期離脱にならないように無理しないで~とつい声に出てしまうのも事実。
    それでも、仰るように試合をしてこそのプロ。ベストじゃなくてベターな状態でも試合に出続けることで好循環が巡ってくることもあるかもしれないので、とにかくコートに立てるように少しでも身体が回復してくれるのを祈るのみです。

    “体の調子が良くなって全てが噛み合う時期が来るかもしれないと期待して”ー本当にその時が結構早い時期に来るかもしれない、と自分も期待しています。

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  • 団長さん、敗戦のレビューは書きづらいものだと思うのに、早々とアップしてくださってありがとうございます。

    以前インタビューで、”あなたはあらゆる怪我を経験したから、医者になれるんじゃないか”と言われていた位、満身創痍ですもんね。

    試合途中に古傷が傷んでも少々の痛みならこらえてハードワークしてきたし、今もそうなんだろうな。それ位厳しい世界で戦ってるんですもんね!アドレナリン出まくった時は痛みを忘れてるかもしれないし、痛いのは当たり前と思ってるかもしれません。
    ちょっとした擦り傷でも痛がってる自分には考えられない世界です。

    錦織圭の場合は運動量の多いスタイルだから、より一層過酷だと思います。

    どうか体をうまくやりくりしながら持てる才能を発揮して、これからも創造性豊かなテニスを見せてくださいとただただ祈るのみです。

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  • 体をうまくやりくりしながら、と書きましたが、無理してやれと偉そうに言ってるみたいに聞こえますよね。うまく言えてません。
    試合に出るためには少し無理を押してもプレーすることが必要だと思うけれど、時には無理をせずに体を休ませることも必要だろうし、その線引きというか見極めを、コーチやトレーナーと相談しながらうまく調整して、と言いたかったんですが…
    でも、これこそ言うは易しで、超絶難しいことかもしれない。大胆さと繊細さの両方を待ち合わせて判断しないといけないことかも?そして長期的展望も短期的展望も必要かも。どうかチームの皆さんよろしくお願いします。

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  • 団長さんの
    「いつまでも100%にならないので、様子を見ながらなるべく試合に出る方針に変えた」かもしれない説に納得です。

    試合に出るたびくらいに怪我や痛みが発生するのもそう考えれば
    腑に落ちます。
    見ている側からすると怪我ばかり続くことに不安が募るのですが、
    錦織選手自身や陣営はその辺も織り込み済みなのかもしれません。
    それでもさぞかし悔しいことと思います。
    万全の身体で試合したいはずです。
    怪我や故障をしにくい身体、疲労回復も早い身体を望まないはずがありません。
    ましてやテニスはとても良くなっていて、サーブも驚くほど良くなりました。
    今日はミスが続いてブレークを許したけれど、
    団長さんのご指摘どおり「ピンチでのプレー」の差が勝負を分けたと思います。というかShang 選手のピンチを凌ぐプレーがあまりにも圧巻でした。
    ピンチ時にこんな完璧なプレーをされたらトップテン選手でも
    なかなか攻めきれないと思いました。
    リターンゲームが得意な錦織選手でさえ今日は1ブレークがやっとでした。
    Shang 選手のピンチ時のプレーの完璧さが勝因だったと言えるのではないかと思います。

    団長さん曰く
    >錦織も、テニスの調子は良いので歯痒い思いをしていることと想像します。>

    に同感です。
    満身創痍の身体で、それでも前向きに頑張る彼を応援し続けることしかできませんが、これからも応援し続けるのみです。
    「体の調子が良くなって全てが噛み合う時期」が来るのはそう遠くないと信じて。

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     テニスを愛する理系人間。よく理屈っぽいと言われる。  プレースタイルはサーブアンドボレー、というよりサーブ。ストロークは弱い。  2008年2月15日に本ブログを開設。その数日後に錦織圭はあのデルレイビーチ優勝を成し遂げる。  錦織圭の存在を知ったのは2004年。その後2006年全仏ジュニアベスト8で再注目。2007年のプロデビュー(AIGオープン)で錦織の試合を初観戦。その後の活躍を確信し、今に至る。