クルム伊達公子の偉業:(ほぼ)39歳でのWTAツアー優勝 その1

昨晩、サーバーの調子が悪くて本記事をUpできませんでした。昨日付記事としてUpします。

さてご存じの通り、クルム伊達公子選手がWTAツアーの韓国オープンで昨日、優勝しました。

このブログのコメント欄にも「すごい!」「感動した!」とのコメントが殺到していますが、ここはこのブログらしくどのくらいすごいのか検証してみましょう。

優勝した韓国オープンについて

大会名:Hansol Korea Open
グレード:International
ドロー数:32
賞金総額:$220,000
サーフェス:ハード(アウトドア)

WTAツアーのグレードには上位からグランドスラム、Premier、Internationalがあります。今回の大会はInternationalですのでツアーの中では最下位の大会となりますが、大会数も多いので「通常の」大会と言った方がしっくりきます。

今回の第1シードは21位のハンチュコワでしたが、Internationalにもトップ10選手が1~2名くらい参加することが多いです。

Premierやグランドスラムには上位選手はほとんど参加します。

32ドローですから、優勝するまでに5回戦ったことになります。今回は本戦からでしたが、伊達さんの先週のランキング(155位)ではツアーレベルでは予選からになることも多々あります。実は今大会も最初はランキング的に本戦出場できない見込みだったのですが、繰り上がりで本戦出場が決まり、急遽出場した大会だったのです。
このあたりはまるで、ギリギリに本戦出場が決まった錦織の昨年のUSオープンを思い出させます。

関連リンク

クルム伊達公子の現役復帰後の歩み

昨年5月の電撃的な現役復帰以降、ツアー下部のITF管轄の大会では4度の優勝を含め、結果を出してきました。

当初は秋の全日本選手権を最大の目標とし、世界を目指す計画は(少なくとも公式には)ありませんでしたが、その全日本で優勝を果たし、自然な流れとして再び世界を目指すことになりました。

しかし今年に入り、壁にぶつかります。全豪は予選を勝ち抜いて本戦出場、25位のカネピ相手にフルセットの大接戦の末、敗れます。過去の実績と貢献が認められ、ワイルドカードを獲得して臨んだウィンブルドンでも、9位のウォズニアッキ(後にUSオープンで準優勝)にまたもやフルセットの大接戦で敗れるなど、計8大会で1回戦負けが続きます。

ドロー運に恵まれず、強豪との対戦が続いたので仕方ない部分もありましたが、足の痙攣にも悩まされ、本人としては落ち込んだ時期もあったようです。しかし、それでも挑戦をやめず今回の快挙につながりました。

ダブルスでは韓国オープンの前週、広州の大会では準優勝と結果を残していたので、気分よく今大会に臨めたのもよかったと思います。

クルム伊達公子の優勝したITF大会一覧

  • 2008年6月 東京 $10,000
  • 2008年7月 宮崎 $25,000
  • 2008年7月 帯広 $25,000 (3大会連続優勝)
  • 2009年4月 モンゾン(スペイン) $75,000

その2へ続きます。その前にケイメヒコさんのランキング試算が入ります。

その2の内容

  • クルム伊達公子の今大会の歩み
  • なぜクルム伊達公子は勝つことができたのか?
  • メディアの反応

3 件のコメント

  • YouTube見てきました。チャンピオンシップポイントだけだけどハンチュコワが、ブログで言っていたように、一本一本せめていたことが、ここからもうかがい知れました。一セット目落としても、二セット目までの間にしっかり作戦をたててくるんですよね。しかも錦織と同じで、それが実行できるのですよね。YouTube のタイトルにKimiko Date-Krumm:She-Wolfというのがあったけど、彼女にぴったりですね。
    その2、特になぜ勝つことができたのか、楽しみにしています。

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  • サフィーナもクズネツォワも杉山も負けたorz
    明後日見に行くのに・・・。

    予選をタダで見たテニス少年さんが勝ち組か・・・。

      引用  返信

  • 団長がこれから書くことかもしれませんが、
    ちょっとこちらにもコメントを。

    伊達さんの韓国オープンでの優勝を
    その日の夜のスポーツニュースはほとんど
    扱ってくれませんでしたね。
    NHKは先日伊達さんをゲストに迎え
    伊達さんが再び世界を目指すことの特集を
    組んだというのに、何もなし。
    なんでかな~って思いました。
    今日の朝日新聞では、優勝の写真を大きく載せては
    いたものの、記事の最後を
    「このトーナメントはWTAツアーの一番下のランクに属する。」
    という内容で〆ていました。
    これでは全くテニスを知らない人々が誤解しますよね。
    トーナメントのランクよりも、
    今回伊達さんが撃破した選手のランクを述べてくれれば
    とてもわかりやすかったのに。
    う~~ん、なんか今回の伊達さんの優勝の素晴らしさ具合が
    日本のほとんどの方に伝わってないようでとても残念でした。

      引用  返信

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    ABOUTこの記事をかいた人

     テニスを愛する理系人間。よく理屈っぽいと言われる。  プレースタイルはサーブアンドボレー、というよりサーブ。ストロークは弱い。  2008年2月15日に本ブログを開設。その数日後に錦織圭はあのデルレイビーチ優勝を成し遂げる。  錦織圭の存在を知ったのは2004年。その後2006年全仏ジュニアベスト8で再注目。2007年のプロデビュー(AIGオープン)で錦織の試合を初観戦。その後の活躍を確信し、今に至る。