故障による長期戦線離脱からカムバックしてくる選手は少なくありません。
しかしそういった選手の復帰までの道のりについては詳しく語られる例はそれほど多くないように思います。
気がつけば復帰してきた選手を見て、
「ああ、この選手最近見なかったな」
とか、
「あ、この選手復帰してきたんだ。また活躍しそうだな。」
くらいの感想しか持たないことが、私自身振り返ってみて多かったように思います。
「復帰してきたからにはもう治ったんだろうし、実力ある選手なんだから試合勘さえ戻ればまたもとのように活躍できるのでは」といった、今考えて見ればそれほど根拠のない思い込みだったように思います。
しかし錦織がこれだけ故障に泣かされている現状を目の当たりにすると、他の選手の故障とか復帰についても興味が湧いてくるようになってきました。
31歳・ハースの活躍に驚かされ、シャラポワの現状を見るによくここまで戻してきたなあと思うと同時に、以前の状態に戻るのは並大抵のことではないのだな、と思ったり、とにかく考えさせられます。
選手本人も、復帰までに相当の努力をしてきたでしょうし、復帰に際しては大きな不安があったと思います。あの自信満々で勝利に対するどん欲さも並ではないシャラポワでさえも、おそらく自分の肩の状態について弱気になってしまう場面があったことと思います。
それだけに故障から復帰してきた選手が活躍してくると、最近はとにかく「良かったなあ」と嬉しい気持ちになります。
USオープンでは、錦織のIMGアカデミーでの先輩の一人、テイラー・デントが3回戦まで進出しました。
デントのリハビリの様子は、ニック・ボロテリー氏のブログなどでも報告されてきましたが、その道のりはかなり険しいものだったようです。
本日、自宅に届いた定期購読のテニスマガジンに記載がありましたので、引用します。
2006年に脊椎損傷でツアーを離脱してから苦しみぬいた3年間だった。それまでも痛みを抱えていたが、脊柱底部に2か所の骨折が見つかって、3度の手術を余儀なくされた。3月から9月までの半年間はベッドに寝たきり。3度目の手術後、試しにコートへ出た。ときには5球しか打てなかったという。そこから懸命のリハビリを経て、ワイルドカードで3年ぶりの出場を果たした。
(netdash注:復帰自体は昨年の5月なので、試合に出れなかった期間としては2年ほどでしょうか。)
どうでしょう。錦織以上のひどい故障ですね・・・。こんな状態からカムバックできたのですから、錦織だってきっとできるはず。そう信じたいですね。
錦織の方が若いし、症状としてもここまでひどくはないでしょう。
同じアカデミーの先輩ですから、当然ながらどのようなリハビリを経てカムバックしたか、当然ながら知っていることでしょう。
きっと勇気づけられ、復帰に対する心の支えの一つとなっているのではないかと推測します。
「みんなが羨ましくて仕方なく、何もできずにベッドに縛られていることが辛かった」
と語るデント。貴重なサーブアンドボレーヤーということもあり、応援したい選手の一人です。
錦織が復帰しても、多くの人はその間の苦労は知らないことでしょう。戦線離脱前と同じ成績が残せなければいろいろなことも言われるかもしれません。
しかし、私たちはどのような苦労を錦織がしているか、してきたか、多少なりとも知っています。
復帰するために多大な努力が必要なこと、復帰しても活躍できる保証などどこにもなく、そういう世界に再びチャレンジしようとしていること、当然ながら不安な気持ちもあること、しかしその不安以上に、テニスが恋しいこと、周囲も多大な協力をしていること、そして復帰を待ち望む多くのファンがいること。
想像してください。錦織の復帰緒戦を。
どの大会になるか分りません。チャレンジャー大会になる可能性すらあります。でもどんな小さな大会の1回戦でも、たとえ大部分の人にとっては単なる1つの試合でも、私たちにとってはグランドスラム決勝にも匹敵する、大きな試合となることでしょう。
映像が見られなくて、ライブスコアのみの観戦となるとしてもスコアボードに「Kei Nishikori」の名前が浮かびあがるだけで大きな感動を味わえること間違いなしです。
そうです。楽しみはまだまだ沢山あるのです。復帰していきなり活躍できるか、それとも時間がかかるかは分かりませんが、少なくとも休養中もずっと錦織のことを気にかけてきた私たちは、普通の人たちよりも何倍も楽しむことができるのです。
グランドスラムで再び錦織が活躍し、世間の話題になったとき
「でもリハビリしているときは苦労していたんだよ~」
と話すことができるのは、ディープなファンの特権です(気が早いですかねw)。
必ず錦織はコートに帰ってくるので、それまでみなさん、ぜひこのブログで遊んでいってください。もうすぐです。
団長さん、今日の投稿内容はいつにも増して力作ですね。
なんか、感動してしまいました。
今後も、よろしくお願いします。
コリコリ引用 返信
ちゃ~んと毎日来てますよ~。v(^o^)v
おこy引用 返信
> 故障から復帰してきた選手が活躍してくると、最近はとにかく「良かったなあ」と嬉しい気持ちになります。
そうなんですよね。
みんな、同じ気持ちなんですね!
コリコリさん同様、感動しています。
bluetti引用 返信
錦織選手がやったのは、野球選手がオフの身体のケアとしてよくやる肘のクリーニング手術。
そんな大げさなものじゃないと思います。
ルーカス引用 返信
今回のブログ、とても心があたたまりました。錦織ファンと圭くんに贈られた鼻血さんからのラブレター。
怪我は急に治ったりせず、まるで薄紙をすこーしずつはがすような速度で回復していく、忍耐のいる、タフな作業。でも、秒針は進んでいきます。コツコツ一歩一歩あるいています。時間がかかるものなんですよね。きっとあのインタビューの頃よりも良くなっているはずです。もう少しというところまで来ていますね。楽しみを先に取っておきます!ワクワクしながらテニスコートに戻ってくる日を待ちます!!
もうひとりのきょうこ引用 返信
私も団長さんの錦織選手に対する温かなメッセージに感動しました。
これそのまま公式サイトを通じて圭君に届けてみたら?!
えみっち引用 返信
手術→リハビリ→復活!って
簡単に思ってたかもしれません。
私自身、オナカを2度開いた後、
腹筋ゼロになったことを
ころっと忘れていました。
圭くんの復帰戦、だんちょのおっしゃるように、
感動の試合になりそうです。
BAKO引用 返信
圭君に届けたい愛情あふれるコメントですね!
ファンの皆の気持ちを100%代弁してくれています。
暖かいファンに囲まれて圭君は本当に幸せだと思います。
ミラクル引用 返信
じ~んとしました。
スコアボードに「Kei Nishikori」の名前が浮かびあがる…
ずっと忘れていた感覚を呼び覚まさせていただきました。
そうですね、その日はきっとやってきます。
心温かい皆様と待ちましょう。
ムンママ引用 返信
今回の記事、じんときました・・・
周りの人から「最近錦織くん見ないねぇ」とたまに聞かれますが、
一般の人の興味ってその程度なんですよね。
メディアで報道されているか否かだけ・・・。
もし楽天に間に合わなくても、あるいは11月の国内チャレンジャー大会で復帰という可能性もありますよね。
sabumasa引用 返信
いつもお邪魔させていただいております。今回の記事を読ませていただいてより一層錦織選手の復帰が楽しみになりました。これからも錦織選手、貴ブログ共々応援させていただきます。
泉引用 返信
Taylor Dentは強面?だけど、明るくてユーモアのある選手ですね。
同じく大先輩のTommy Haasも以前肩の手術で1シーズンを棒に振り、翌年の活躍でComeback Player of Yearを受賞しました。
David Nalbandianも春に臀部の手術をして今はきっとリハビリに勤しんでいると思います。
錦織選手然り、みんな怪我に悩まされながらも必死に頑張っているんですよね・・・
コートに戻ってくる日を心待ちにしつつ、これからも鼻血ブログ&Nishikori.comで楽しませて頂きます!
OBM‐GO引用 返信
モカ
久々におじゃまします。
団長の熱い思い、しっかり伝わりました。
8月に、フィギュアスケートの高橋大輔の復帰演技を見てきました。
こういうとき泣いたら前が見えない、、とか言いますが、涙がだあだあ出ているのにしっかり高橋にピントが合って、瞬きもできませんでした。
月並みですが、「帰ってきてくれて、うれしかった。。」
です。
復帰ショーをコーディネートした荒川さんは、「なんかさりげなくお帰り〜って感じで。」と、彼に変なプレッシャーをかけない演出を心掛けていたようです。だけど、特番で明かされたその舞台裏では、しっかり「オリンピック」というものを意識したショーの構成になっており、気づかぬところで高橋の気持ちを奮い立たせようとしていたことに感動してしまいました。
常々、発言や仕草、なんでもない所ですぐにつまづいて転けるところとか(笑)その天才っぷりがダブってしょうがなかった大輔くんと圭君が、ほぼ同じ時期に大きな怪我をして、リハビリしながら戦っている。その胸の内はいかばかりかと想像するだけで張り裂けそうでした。
圭くんも言っているように、体幹を鍛えたりすることによってスペックが更に上がれば、高橋のように「必要な怪我だった」と思える日が来るかもしれない。この時期を大切に過ごしている圭くんだから、きっと大丈夫だと思います。
圭くんの復帰戦を夢に、励みに、自分も日々がんばらなければと思います。
モカ引用 返信
皆様、多くのコメントありがとうございます。
皆様も同じ思いですね。
モカさん、高橋大輔との共通点は気づきませんでしたが、どちらも天才。舞台裏のエピソードまで知ると、復活が一層感慨深いものになりますね。
netdash引用 返信
六年も前の記事なんですね
感動してコメントしちゃいました
ロジャー引用 返信