4月23日の公式ブログにこんな記述がありました。
正直この2週間で満足のいくテニスはできてなく、
自分のしたいテニスをするのか、それとも勝つテニスをするのか。
今の自分の中ではこの2つはマッチしてません。
怪我前はこの2つは同じ方向に向かっていて
自分のしたいテニスで勝っていました。
いつかはできると思うのですが・・。
この悩みは非常に高度な悩みです。テニスは相手がいるスポーツですから、自分がしたいプレーがあっても相手がそれをさせてくれないのが普通です。そこでたいていの選手は、「勝つテニス」を選びます。そしてそれは間違いではないと思います。
しかしながら、長期的な視点に立ってレベルアップをしたいと思うなら、したいプレーで勝てるようになることが不可欠です。特に世界のトップレベルのテニスとなると、もはやミスをしないだけではどうにもならない世界になってきます。
今は少しでもポイントが欲しい時期ですから、「勝つテニス」も必要なのは仕方ないところです。とにかく勝っていれば自信もつくし、チャンスが巡ってくる確率も上がります。負けてしまっては次の試合ができません。
しかし錦織圭は、「したいテニス」をジネプリ戦(タラハシーCH準々決勝)で行い、敗れました。「勝つテニス」をしたら勝っていたかどうかは分かりませんが、とにかくチャレンジした結果です。
しばらくはこのような試行錯誤の中で試合をこなしていくことになりそうです。私としてはタラハシーCHのように、下位ラウンドでは「勝つテニス」主体でポイントを稼ぎ、上位ラウンドで「したいテニス」を試しつつ勝ちも目指す、というスタンスが良いと思います。
プロテクトランキングの使用回数が限られている今の状況では、大会を0ポイントで終えないということは精神衛生上非常に大きく、少しでもポイントを稼いだ後であれば思い切ったテニスがしやすいと思います。
また、「勝つテニス」だけをしていても到達できるランキングというのは知れているでしょう。目先は多少遠回りになるかもしれませんが、先行投資だと思って「したいテニス」に今の段階からトライしてみるのはいいことだと思います。
まあ当分は一喜一憂せず長い目で見ていきましょう。故障前もコロッと負けたりはしていました。勝ち負けの繰り返しの中で時々爆発するのが錦織的ポイントの取り方です。肘も問題ないみたいですし、試合の反省をブログに書く意欲があるのはよい傾向だと思います。
勝つテニス、したいテニス、と2つに分けて考えると、別々のものになってしまう。だけど、いくら自分がしたいテニスをしたくても、相手がそうさせないように仕向けてきて、負けないテニスを仕掛けてきたら、勝つテニスで対抗しなければならない場面がたくさんこれから出てくると思う。2つのうち、どっちか一つ、と迷いながら試合をしても良い結果は生まれないと思うので、自分のテニス、という中に、勝つテニスというのも自分の一部分と考え、自分の中の引き出しを一つ作ろう、そしていろんな引き出しの数を増やしていこう、と考えたらすごく世界が広がるのではないでしょうか。こういうふうに悩んだり考えたりしながら勝ち負けを繰り返し経験を積んで強いプレイヤーに成長してほしいです!圭なら絶対に出来ると信じています。応援してるよー!圭、がんばれ!!!
もうひとりのきょうこ引用 返信
This site is like a classroom, except I don’t hate it. lol
explained average引用 返信