フラストレーションに耐えた!ペールの揺さぶりにも耐えた!攻め球の甘さを修正し、逆転で3回戦進出(2018全仏2回戦 vs. ペール)

2018 French Open (Grand Slam)
2nd Round
Kei Nishikori[19] def. Benoit Paire, 6-3,2-6,4-6,6-2,6-3

しんどい試合でしたね〜。
熱戦になるとは思いましたがここまでとは。
とにかく勝って良かったです。
2セット目、3セット目のプレーが良くなかったですからね。
あのまま負けてもおかしくない試合でした。

前哨戦であれば、マスターズ1000のような大きな大会でも「全仏に向けて」の枕詞で負けの中にも見いだすことができます。
ジョコビッチにローマで勝てたらもっと良かったけれども、負けても全仏への調整という意味では体力的なメリットがありました。
でも今日の試合で負けていれば、そのメリットも台無しになるところでした。

とにかくグランドスラムの1勝は重いです。
ポイント的にもマスターズ1000の2倍のポイントが付いていますが、その数字以上の重さを感じます。
負けていたら、「また」フランス人に全仏で負けてしまったと言われたことは間違いありませんし、
ペールにペースを乱されて・・・という評価も容易に想像できます。
実際あの変態的ドロップに、ダブルフォルトの後にエースが来るサーブに、強烈なバックハンドに乱されてしまいました。
しかし錦織のまずいプレーでそれを招いた側面もありました。

1stセットを理想的な展開で取りながらも、ペールのセカンドサーブに対し多くのミスを出してしまったリターン。そしてダブルフォルト。
急にミスが増えたフォアハンド。
それに反比例するようにきまってくペールのドロップショット。
攻め球のプレースメントは明らかに錦織の方が甘く、攻め切れずに逆襲される場面を量産しました。

一方のペールも調子を上げて2nd、3rdセットを取りながらも、13本を数えたダブルフォルトに、フォアの不安定さが加わりファイナルセットでは耐えきれませんでした。

このようにお互いにミスもありましたが、5セットを通じて両者ファイトし尽くした名勝負であり、フラストレーションに耐え抜き、プレッシャーに耐え抜き、最後までボールへの執着心を見せてくれた二人に敬意を表したいと思います。

ペールに対してもっともっとフォア狙いで行って欲しかったのですが、これは恐らく「言うは易く行うは難し」でしょう。
一瞬の判断でコースを決める高速ラリーの中にあって、バックのダウンザラインに打てる場面は限られていたのかも知れません。

セカンドサーブももっとフォアに打ちたかったですし、スライスサーブを使いたかった。ペールのフォアに跳ねるスピンサーブなんてのも面白かった。
でもこれらも、コートの外から見ているから分かることであってコートの中で判断するのは非常に難しいことだと思います。

そこは劣勢の中、第4、ファイナルセットと取った錦織を褒めるべきでしょう。
フォアハンドを修正し、ファイナルセットでは勇気を持ってフォア側へのサーブとスライスサーブを増やしました。
リターンエースを食らいながらもしつこく繰り返した結果が出ました。最後もペールのフォアへのセカンドサーブに対するリターンがネットでした。

2ndセットの序盤で修正できればベストでしたが長くかかってしまったことは課題でしょう。
自ら手放した流れが原因でペールの調子が上がってしまったので、その反省と、その後の挽回でプラスマイナスゼロという感じです。
少なくともこれだけの熱戦でも鼻血試合とは思えませんでした。

型破りなプレー(と風貌)に目がいってしまいがちですが、ペールは確かな技術力と強いフィジカルを持っていますね。
あのドロップ、本当にどうやって打っているんだろう。「そこから打つの?」というタイミングで打ってきますが、あれは天性のリズムでしょうね。

課題については、本人も試合後インタビューにおいて、「最後まで納得いかなかった」と言っていましたので、全て分かっていると思います。
とにかく勝ったので、100点満点で51点以上の試合ですし、1stセットの戦い方、粘って決めた片手バックハンドパスなど随所に光るプレーを見せ、決定的なスマッシュミスを誘ったのはボールへの執着心でした。

勝てばとにかく次の試合で修正の機会が得られます。
ドロップショットでかなり走らされたことが心配ですが、最初の目標である4回戦進出まであと1つです。
シモンと初対戦になりますが、クエリーには予想に反する敗戦を複数回喫しており嫌な存在でしたので、先入観なく望めるシモンの方がよい側面もあります。
ビッグサーバーでなくラリーが続くタイプであることも、上手く行けばフェレールとの対戦のように全ての面で少しずつ上回り、スコア上は圧勝になることも考えられます。
上手く行かなければシモン沼にはまってミスを量産してしまうパターンでしょうが、まあそこまで嵌ることはあまり考えられません。
シモンはこれといった弱点もないので普通にコースを散らして的を絞らせず、しっかりコースを狙った攻撃を仕掛けていく王道プレーで突き進んで欲しいと思います。

55 件のコメント

  • 浦島太郎さん,
    試合時間のお知らせありがとうございます。

    今日は所用で出かけるため、なるべく遅い時間を🙏と願ってましたが叶わずT_T
    むう……………………残念至極…………………むう………………………😭😭😭
    帰ってから団長さんの実況とみなさんのコメントを見て、ともに喜びたいです!
    どうか錦織選手、復帰後の数々の試合の成果を活かして、シモン戦を戦ってくだ
    さい!!!!!試合を見ずとも応援してます\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)

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  • さん, 現地での応援、よろしくお願いします。決して錦織には、アウェイの雰囲気を感じさせない、まさに隣のフランス人のことなど気にせず、声を張り上げ、がっつり応援、お願いします。こちらは、日本から祈る気持ちで全力応援します。錦織、頑張れ👊😆🎵

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  • だいあん@RGさま,
    現地応援の皆さま,

    あの雰囲気の中での現地応援、涙が出る程嬉しいです。
    ありがとうございます!
    錦織選手が自分のことを客観的に分かっているけど、団長さまの言葉の通り『言うは易く行うは難し』だったように、応援もテレビの向こうにいる私達は「現地応援、宜しくお願いします!」なんて気軽に言ってるけど、実際それだって『言うは易く行うは難し』ですよね。勇気をもって熱烈応援、本当にありがたいです。
    そして、お近くの席の若いフランス人女性二人組、めっちゃ嬉しいじゃないですか!フランス人との対決多すぎない?って思ってましたけど、フランスでの隠れファンも増えてるんじゃ?そりゃあのワクワクプレーを見たらファンにならない方がおかしいですけど(^^) 窮地と見せかけて大逆転も多いから、ドラマや映画以上に心を持ってかれちゃいますもんね!
    そうか、シモン戦まではアウェーかもしれないけど、その次からは声援も増えて、いずれホーム化させるための神の采配か!?なーんて。
    日本人の応援も、男女の声両方いくつかテレビからも聞こえましたよ。
    錦織選手は応援が0:10に感じたと言ってましたが、錦織選手が良いプレーをした時には拍手やどよめきが聞こえました。ブーイングも前に比べたらそんなに画面越しには気になりませんでした。ま、ペール選手のウイナーには割れんばかりでしたが。
    錦織選手も応援は嬉しいと言っているので、大変だと思いますが、引き続き宜しくお願いします!
    私も、今日もどんな一瞬も見逃さず、元気玉を送り続けます!!!

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  • だいあん@RGさん,
    錦織選手と同様の完全アウェイの中、応援本当にありがとうございます(⌒▽⌒)
    先日日ハムファンの埋まる野外席で、夫婦してライオンズの応援という…なかなか
    なシチュエーションを経験したばかりですが(笑)やはり最初は「試合を楽しみに来
    たのさ」的なポーズを取ってしまいσ^_^; 両者の好プレーに拍手してました。
    態勢を占める強烈ファンに囲まれて少数での応援はホント躊躇します(^◇^;)
    だいあんさん、素晴らしい (^_−)−☆
    でも今日はコート18! TVで見てもコートに近い観客席で錦織選手に声が届きそう
    です。どうぞ、センターコートで出し切れなかった(ですか?)パワーを全部使い果
    たして、全力応援をお願い致しますm(_ _)m
    錦織選手が今日は5-5な感じで聞こえたとか言ってくれたら最高ですね!

    aoiですさんがおっしゃるようにフランスの選手との対戦が続くことによって、相当
    のインパクトを与えていると思うので、勝ち上がっていくにつれ、錦織選手を応援
    する声が増えていくのではないかと期待してます(*^◯^*)
    ですから、今日は思う存分これぞ錦織選手!というプレーを披露して、フランスの
    みなさんを虜にしてください♪( ´▽`)
    錦織選手!がんばって\(^o^)/
    だいあんさん!がんばって\(^o^)/

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  • フードだけ参戦(^^;;

    シモン → 指紋 → くるくる模様の食べ物

    ロールケーキ、シナモンロール、ペロペロキャンディ、伊達巻 etc

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     テニスを愛する理系人間。よく理屈っぽいと言われる。  プレースタイルはサーブアンドボレー、というよりサーブ。ストロークは弱い。  2008年2月15日に本ブログを開設。その数日後に錦織圭はあのデルレイビーチ優勝を成し遂げる。  錦織圭の存在を知ったのは2004年。その後2006年全仏ジュニアベスト8で再注目。2007年のプロデビュー(AIGオープン)で錦織の試合を初観戦。その後の活躍を確信し、今に至る。