多くの面で先週より改善して1か月ぶり、3大会の勝利!(2019バルセロナ2回戦 vs. フリッツ レビュー)

2019 Barcelona (ATP 500)
2nd Round
Kei Nishikori[4] def. Taylor Fritz, 7-5,6-2

3回戦直前で遅くなってしまいましたが2回戦のレビューを書いておきます。

先週までの悪い流れを引きずっているかのようなフォアのミス連発でブレイクされ、フリッツのビッグサーブに対するリターンの反応も悪く、1-4と不安のよぎるスタートとなりました。

しかし第7ゲーム、攻められた球を何とか返しミスを誘いブレイクに成功。その後は徐々に良くなり、フリッツの足の付け根あたりの負傷もあり、余裕をもって勝利できました。

まだまだ動きが本調子には見えず、サーブとフォアの課題は引き続き継続していますが、先週より多くの面で改善しました。
例えばバックハンドはミスが少なく、ダウンザラインの決め球も良く決まりました。
またクロスへのプレースメントも厳しく、スライスを引き出して攻めの態勢を作りました。

サービスのプレースメントは甘さは残るものの、コーナーを狙う意図は先週より感じました。
ただ、意図の良く分からない遅いスピンサーブを1stで使っていたり(読みを外そうとしたのか、確率を上げたかったのか)、もっともっと狙っていっていいと思います。
2ndサーブになると確かにリターンをアタックされることが多くなりますが、錦織の2nd Sv Wonは高く、ストロークで十分勝負できます。

試合全体の確率より、ブレイクポイントで効果的な1stを入れることができるか、1ゲームの中で集中的に1stが入らない時間帯を作らないようにできるか、の方が重要です。

ダウンザラインの展開が早くなり、ドロップやスライスも使いましたので結果としてバリエーションを増えました。
バリエーションの豊富さは錦織にとってクレーコートでは必須の条件です。
最近の負けは単調になったことも一要因でした。

ただ、動きはまだまだではないかと感じました。
モンテカルロで直前にあまり練習できなかったようで、何があったのかは分かりませんが何かあったのは間違いありません。
その懸念は今日の試合を見るに、少なくとも大事には至ってないと判断できますが、体を追い込むことができていないことも事実だと思います。
そのあたりの調整不足がリターンの反応やディフェンスにおける一歩目の反応に現れていたと思います。

5-5では221km/hサーブに反応し、ブレイクしましたので、試合中盤以降は徐々に改善されていきました。
2ndセットはフォアのミスも激減し、内容としては良くなりましたが、フリッツが負傷により動けなかったことを考えると、当然とも言えます。
オジェアリアシムに対しても同じプレーができるかどうか。できれば、良い結果が待っていると思います。

とりあえず、3大会ぶり、1か月ぶりの勝利です。
4連敗となると、みなさん(私も)どうなっていましたかね。
ブルーな10連休を迎えることになっていたでしょう。
まずは良かった良かった。勝利が一番の薬ですから、錦織もほっとしているでしょう。

ベストでなくても、全仏に向けて少しでも上向きになればOKですし、今は内容よりも泥臭い勝利が欲しい。
1-4から立て直したあたりに錦織らしさの復活が感じられる試合でした。

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     テニスを愛する理系人間。よく理屈っぽいと言われる。  プレースタイルはサーブアンドボレー、というよりサーブ。ストロークは弱い。  2008年2月15日に本ブログを開設。その数日後に錦織圭はあのデルレイビーチ優勝を成し遂げる。  錦織圭の存在を知ったのは2004年。その後2006年全仏ジュニアベスト8で再注目。2007年のプロデビュー(AIGオープン)で錦織の試合を初観戦。その後の活躍を確信し、今に至る。