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禮
スタッツが全てではないですが、数字は多くの事を教えてくれます。ATPスタッツやTennis Abstrat、さらに自分でかき集めたデータを元に錦織選手のパフォーマンスについて議論したいと思います。
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禮
2017/08/21付のATPスタッツを元に、錦織+トップ18のパフォーマンスを検証してみました。
プロットは、ドロップボックス(データ付き)にあります。2017年は過去52週と2016年のデータから試合数(18=4+14試合)で加重平均で推定しました。錦織選手についてはキャリア(2007年〜)の推移を評価しています。
以下、プロットから分かることです。
a) 1stサーヴ vs 1stサーヴ率
1stサーヴ率は2012年に64.1%を記録。近年は60%台で推移。2017年推定で61.3%と悪いわけではない。スピードを落として確実性を狙ったのかもしれないが。今年の1stサーヴ率はナダルが1位。b) 1st vs 2ndサーヴポイント獲得率
1stサーヴポイント獲得率は2015年に74.8%を記録。2ndサーヴポイント獲得率は2015年に55.3%を記録したが、今年4%も下落して推定51.2%。フェデラーとナダルの60%近い2ndサーヴポイント獲得率が圧巻。c) 1試合当たりのエースとダブル・フォールト
サービス・エースは、1試合当たり3つ前後で推移。ダブル・フォールトは2010年に1試合当たり4つを記録したがその後2.5前後まで減っている。他の選手に比べてエース数は物足りないが、ダブル・フォールト数は平均くらい。d) サービス・ゲーム vs リターン・ゲーム勝率
サービス+リターン勝率=115%がBig4とその他を分ける分水嶺。錦織選手は、特に2016年にこれに最も近づいていた。2016->2017年に、サービス83.1->80.4%、リターン30.2->27.5%と数%悪くなった。e) 1st vs 2ndリターンポイント獲得率
1st+2ndリターンポイント獲得率=87.5%がフェデラー以外のBig4とその他を分ける分水嶺か。錦織選手は、特に2012年にこれに最も近づいていた。近年2ndリターンポイントは悪くないが、1stリターンが3%も悪くなった。f) ブレークポイント・セーヴ&コンバート率
2016年のパフォーマンスが最も素晴らしかった(2009-10年は範囲外)。2017年は、BPコンバージョンはそんなに悪くなったわけではないが、BPセーブ率が2016年の67.4%から2017年推定61.9%と5.5%も悪くなった。g) タイブレーク&Decidingセット勝率
2009-10年は兎も角、2014年はDecidingセット(3または5セット目)勝率91.3%と抜群の勝負強さを発揮。2017年は2016年に比べて、パフォーマンスが10-15%も落ちた。今年タイブレーク勝率1位はフェデラー。結局、錦織選手がこれまでで最強だったのは2016年で、パフォーマンスはBig4のそれにかなり近づいていたと思われます。
禮下のドロップ・ボックスでPDFファイルのプロットが閲覧できない場合、こちらのグーグル・ドロップでお試しください。
禮スタッツに基づくBig4+錦織選手のパフォーマンス (ぼくの夏休みの宿題、笑)
2017/08/28付のATPスタッツを元に、Big4+錦織のキャリア・パフォーマンスを検証してみました。2017年は過去52週と2016年のデータから各選手の参加トーナメント数(棄権した大会は除く)で加重平均で推定しました。各選手のデータの開始年と今年の2017年、ピーク年等を明示しました。
プロットは、グーグル・ドライブのこちらにあります。
考察
a) 1stサーヴ vs 1stサーヴ率
フェデラーのパフォーマンスが長年安定して素晴らしい。
ナダルは1stサーヴ率がとても良い。
ナダルとジョコは2017年似たようなパフォーマンス。
マレーは2017年1stサーヴ&%がだいぶ落ちた。
錦織はジョコとマレーの間くらい。b) 1st vs 2ndサーヴポイント獲得率
フェデラーとナダルは2017年さらに進化しており圧倒的!
ジョコは2013&2015(無敵艦隊)年が素晴らしかった。
マレー&ジョコともに2017年はサーヴポイントの質が落ちた。
錦織は2014−2016年がベストパフォーマンス。c) 1試合当たりのエースとダブル・フォールト
フェデラーのエース率は2017年が生涯最高!
ナダルはエースは少ないが、DFは錦織より1試合当たり1個少ない。
ジョコ&マレーは2017年エースが減ってDFが増えた。
マレーは2005や2010年はもっとエースを打っていた。d) サービス・ゲーム vs リターン・ゲーム勝率
ここでもフェデラー(サーブ)&ナダル(リターン)が素晴らしい。
ジョコは、2011年と2015年(無敵艦隊)がずば抜けていたが、今年急落。
マレーも同様に今年悪化。
錦織は2016年Big4に最も近づいていたが、今年急落。e) 1st vs 2ndリターンポイント獲得率
フェデラーは他の3人に比べてリターンが良いわけではない。
ナダルはハイレベルのリターンを維持。
ジョコ&マレーは最高のリターナーだが今年悪化。
錦織は2012-13年のパフォーマンスが最も良かった。f) ブレークポイント・セーヴ&コンバージョン率
ぐちゃぐちゃで見にくいが、平均BPセーブ率66%、BPコンバージョン率43%くらい。
ナダルの2012年のパフォーマンスが素晴らしい。
ジョコ&マレー共に今年BPセーブ率が-8%くらい急激に悪化。
錦織は2016年がBig4並み。g) タイブレーク&Decidingセット勝率
これもぐちゃぐちゃで見にくくてスミマセン。
Big4の4人とも好調時Decidingセット勝率ほぼ9割を達成。錦織選手は2014年に9割越え。結論
フェデラーとナダルは2017年さらに進化していることが明らかになった。
参考:Big4のGS全盛期(カッコ内はGS優勝数)
フェデラー:2004-07(2-3GS), 2009(2), 2017(2)
ナダル:2008(2), 2010(3), 2013(2)
ジョコ:2011(3), 2015(3), 2016(2)
マレー:2012(1), 2013(1), 2016(1)禮Big4、デル・ポトロ、錦織のキャリアATPランキング履歴(2017年9月11日まで)をプロットしてみました。
Big4はケガから元のランキングに戻すのに、復帰後から半年のタイムスケールです。特に今年のフェデラーとナダルはあっという間でした。デル・ポトロは2010年に手首のケガ・手術、2014年-15年に再び手首のケガ・手術。今年初めにランキングを30位近くまで戻して、現在24位ですが、早期ラウンドでBig4に当たるなどドロー運が悪く、足踏み状態です。
錦織選手はよく知られているようにトップ50とトップ10の壁がありました。2009年の右ひじの疲労骨折から復帰後は長らくランキング10−20台にいたものの、2014年5月12日に初のトップ10入り。その後の大活躍は記憶に新しいところです。デル・ポトロのようにドローにも左右されますが、復帰後は速やかにトップ10に戻ってくれるものと期待しています。
禮パリMS終了後まで(昨年のファイナルのポイントはパリと同時に失効)のBig4+1&錦織の過去3年間のATPポイントの変遷図をアップデートしました。ジョコ&マレー帝国の終焉とナダル&フェデラー王朝の復活がみてとれます。
禮Big4、デル・ポトロ、錦織のキャリアATPランキング履歴(2017年11月6日まで)をアップデート。デル・ポトロは、トップ10レベルに戻すのに、ケガをしてから3年、今シーズン初めのトップ40から1年かかったのが読み取れます。
禮Big4+錦織の、サーヴィス、リターン、BPコンバージョン/セーブ率、タイブレーク勝率、デシジブセット勝率のキャリア・パフォーマンスについて、2017年の最終結果をアップデートしました。2017年、フェデラーとナダルはベストに近いパフォーマンスでしたが、ジョコビッチ、マレー、錦織はパフォーマンスが落ちました。
禮2017年の錦織の試合をスタッツで振り返ってみることにします。まずクイズ。こちらの図は、2017年の錦織の試合30Wー13L(マドリード、ジョコビッチ戦のA/Oは除く)のサーヴとリターンのパフォーマンスをまとめたもの。試合A、B、C、Dの対戦相手は誰か示しなさい(資料参照不可です、笑)。
試合A、B:楽勝だった試合。
試合C:2ゲームブレークされただけなのだが、リターンが全く返らなかった。「次はみとけリスト」筆頭株主。
試合D:非常に競った試合で、総ポイントなどスタッツでは僅かながら負けていたが、試合では勝った稀有な(?)試合。nakaかなり難しい問題だと思うのですが、ヒントも合わせて考えると、Cはワシントンの時のズベレフ戦でしょうか(サーブが全然返せないで、つけいる隙がなかったなぁ、率直に言えば惨敗に近いなぁ、という印象を持った記憶があります)?
後は、資料参照不可(=記憶だけ)で答えるのは難しいですね。特に楽勝だった試合は、たぶんどこかの大会の1~2回戦の試合だと思うのですが(今年は上位ラウンドで完勝した記憶がない)、数が多いので記憶だけで当てるのはかなり困難かと。Aは芝の試合なので、記憶力の良い人なら答えられるのかなぁ?禮nakaさま、
AとBは難問ですね(笑)。
では試合結果はは参照しても良いということで。Dは、言われればあーそーだったという試合です。赤黄色Aは芝での完勝ということで、ウィンブルドンのチェキナート戦じゃないですかね?
実力差も有りましたが、相手の覇気もあまり感じられない試合でした。nakaAはたぶんそうでしょうね。
Bはスコアからすると、本命がブリスベンのQF:トンプソン戦で、対抗でインディアンウェルズのジル・ミュラー戦でしょうか?
Dは、ハードコートとの試合で一番際どく勝ったということで、ワシントンのトミー・ポール戦ですかね、クレーコートだと全仏のヘヨン・チョンも際どかったですが。禮nakaさま、赤黄色さま、
さすがですね。全部正解です。正解図はこちらです。
A:ウィンブルドンR1のチェキナート(芝初試合)戦。今年一番気持ちいい、晴れ晴れする勝利でした(団長談)
B:ブリスベーンQFのトンプソン戦。今日は中弛みなし(団長談)
C:ワシントンSFのズヴェレフ弟戦。ズヴェレフ、手がつけられない。Dのポール戦の疲れが残った。
D:ワシントンQFのズヴェレフ弟戦。3本のマッチポイントを凌いで苦しい試合をものにした。禮すみません、
D:ワシントンQFのポール戦。3本のマッチポイントを凌いで苦しい試合をものにした。
です。禮GAORAの来年正月明けの「ATPテニス2017 錦織圭戦セレクション」が、上と似たチョイスですね。
改めて、サーヴ&リターンのスタッツを見ながらチェックすると、
1)シティ・オープン~ワシントン~<2回戦> vs D.ヤング (団長レビュー記事)
スタッツでは、2ndサーヴ勝率が、キャリア歴代10位の77.3%を記録し、1st+2ndサーヴ&リターン・ポイント全合計が232.6%と楽勝のはずが、ファイナルセット・タイブレークとギリギリの勝利。2)シティ・オープン~ワシントン~<3回戦> vs J.デルポトロ (団長レビュー記事)
スタッツでは、特にサーヴが素晴らしかった会心の勝利。3)シティ・オープン~ワシントン~<準々決勝> vs T.ポール (団長レビュー記事)
スタッツでは全くの互角。1st+2ndサーヴ&リターン・ポイント全合計が195.1%と互角勝負の200%を−5%切っていた。総ポイントでも49%とポールを下回っていた。3度のMPを凌いで勝った際どい勝負。4)シティ・オープン~ワシントン~<準決勝> vs A.ズべレフ (団長実況記事)
スタッツでは、1stサーヴ・リターン率がキャリア歴代ワースト2位の6.1%(ワースト1位は2011年上海でマレーにベーグルを焼かれた試合、4.3%)と全くリターンが返らず、ズヴェレフに歯が立たなかった試合。いまに見とけリスト筆頭リスト。5)クープ・ロジャーズ~モントリオール~<2回戦> vs G.モンフィス (団長実況記事)
セットポイント、マッチポイントは何度もあったが取りきれず、DFが全ての悔しい逆転負け。今年最後の試合となってしまった。スタッツでは、非常にせった試合。1st+2ndサーヴ&リターン・ポイント全合計が200.7%とどちらに転んでもおかしくなかった。リオ・オリンピックの逆襲(スコアがモレアルとほぼ完全なパリティ変換)を食らった試合。放送内容は、夏のハードに特化したものですが、今年のベスト試合(楽勝でないやつ)はどれでしょうか?
下団秀逸な問題があったのですね〜😆
繁忙期に加えて、あてにしていた通訳が役立たずのうえに、上司が寝込んでしまって大混乱😱
全く気付かなかった😭禮秀逸ではないですが、では歩くテニス歴史の下団さま、他皆様に難問クイズ。
こちらは、錦織のサーヴ&リターンのキャリア・データを示す。サーヴとリターンの個別のデータに関しては、最高と最低のパフォーマンスの試合の年・大会・ラウンド・対戦相手を示してある。それらを合計した右下の、1st+2ndサーヴ・ポイント合計と1st+2ndリターン・ポイント合計の2Dプロットにおいて、アルファベットA-Jそれぞれの大会と対戦相手を挙げなさい(資料なんでも参照可、笑)。
1)1st+2nd Sv+Retポイント合計>280P(ゲーム勝率9割)の超楽勝試合A-C
ヒント:ハード、クレー、芝1試合づつ。うち2つは2017年の試合。楽勝すぎて記憶に残ってない。2)1st+2nd Sv+Retポイント合計<140P(ゲーム勝率2割)の試合D-H
ヒント:ベーグル焼かれたり、コテンパンにやられた試合。全部ハード。大部分はグレート・プレーヤー相手だが。3)1st+2nd Sv+Retポイント合計≪200P(ゲーム勝率5割)なのに勝った試合I-J(矢印で示した)
ヒント:1セット1−6で落としているが盛り返した試合。こりゃ誰も分からないかもしれませんね。
下団禮 さん、難問ですね~(@_@)
以前に、鼻血ブログで記事を書かれていた、コリコリさんも色々とクイズを出してくださいましたが・・・(。´・ω・)?
禮 さん、スレッドでも出題してくださいm(_ _)m面白そうです(`・ω・´)ゞ普段は、土日に仕事を先行させて、平日に余裕を持たせてテニス情報の収集をしていましたが、20~30年に一度やってくる、竹林の竹が一斉に枯れる時期になりまして、土日が「禿山の一夜」ならぬ、禿山で一日過ごす状態(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
頭が動か~ん(ΦωΦ)matsu禮さま。
たくさんの興味深いデータとクイズをありがとうございます。
楽しく拝読しております…ですが…難しいぞ!
感覚派の私には難問すぎ(笑)
ヒントを元に、これかな~あれかな~と妄想しております!前のお題の今年のベストマッチは、個人的にはワシントンのデルポトロ戦なんですけどね~。
思い出しても、あの時のドキドキが甦りますもの。matsu追伸
色々と勉強させていただいておりますので、
今後もよろしくお願いいたします!nakaむむむ、またまた難問を(笑)
とりあえず、AとCは前の問題で実質的に答えが出ているので、Bのクレーの試合で、過去もっとも楽勝だった試合を探しに行きましょうかね?
候補としては、2015バルセロナの2回戦の対ヒラルド戦(6-2,6-1)、同大会のSF対クリザン戦(6-1、6-2)、2013全仏1回戦のLEVINE戦(6-3-、6-2,6-0)とかでしょうか?
コテンパンに負けた試合(E~H)の候補としては、2015、2016のジョコビッチ戦(両方とも1-6.1-6で負け)とか、2015のカナダMSのSF対マレー戦(3-6,0-6で負けて、最後の方は故障の影響もあって、あまりボールを追えず、それが一部のファンから無気力と受け取られて、ブーイングを受けていた)、とかですかね。禮matsuさま、
コメントありがとうございます。ワシントンのデル・ポトロ戦、ローマのリベンジでしたね。その他では、錦織劇場(RGのチョン、ベルダスコ戦)、緊張したド(ジュネーヴのアンダーソン戦)、フラストレーション溜まったド(カナダのモンフィス戦)、コテンパンにやられたド(ワシントンのズヴェレフ弟戦)、ハラハラしたド(ワシントンのポール戦)、痛々しくて観ていられなかったド(マイアミのフォニーニ戦)、イライラが募ったド(ブエノスアイレスのドルゴポロフ、リオのベルッチ戦)、今後のために勝ってほしかったド(AOのフェデラー戦、ブリスベーンのディミトロフ戦)、といったところでしょうか。
nakaさま、
残念ながら全部「ブー」です(笑)。1)のBクレーは出題ミスで、CHは含んでないと書いてますが、Tennis Abstractのデータは2008年以前はデータがないので含んでませんが、それ以降はCHも含んでいるようです。すみません。Bは2009年のケガから復帰した2010年のCHの試合です。コテンパンに負けた試合(D~H)については、惜しいですが、コメントされた試合はわずかにポイント総合計が140Pを上回っています(140Pの破線の少し上にあるデータがそれらに対応しています)。正しい答えの試合は、2013年以前の試合です。I-Jの試合は、言われれば、あーと分かる試合です。
nakaええ~~っ、E~Hの候補も全部外れですか(^^;
2013年以前の試合となると、僕もまだそれほど熱烈な錦織選手のファンだっただけではないので(へぇ~、公式戦で優勝したんだ(デルレイビーチのこと)、全米でベスト16に入ったんだ、すごい、でもその後、怪我とかで苦労してるみたいですね、くらいの認識)、もう地道に記録を参照しながら候補を出していくしかないですね。
そんな方法で候補をいくつか出てきました。
1、2008ストックホルムオープンのSF、ソダーリン戦、1-6、0-6(僕は当時居なかったですが、棄権しなかったことについての是非等について、ブログのコメント欄も色んな意見が噴出)。
2、2011上海MSのSF、マレー戦、3-6,0-6(これも当時、見ていませんでしたが、ブログ記事などによると、最後の方は怪我の影響でボールが終えていなかったとのこと)
やっぱり惨敗するときは、怪我の影響があることが多いのかな、という印象(逆に言うと、体調万全でコテンパンにやられることはほぼ無い)。禮nakaさま、
さすがですね。2つとも正解です! 団長のブログ記事も添付(全ての試合の記録が残っているところが素晴らしい!)
D 2011/10/09 上海SF マレー 3−6 0−6 81% 46% 127%
マレーには完敗も、素晴らしい大会でした(2011上海準決勝) (右足首ケガ)E 2008/10/06 ストックホルムSF ソダーリン 1−6 0−6 65% 62% 127%
ソダーリンは強かったが・・・(2008ストックホルムSF) (膝の痛み)下団禮 さんがTwitterでも素晴らしい分析を発表してくださっているのに、頭が動か〜ん💉😱💉
禮【ハードコートにおける錦織選手のサーヴのパフォーマンスの研究】 1年桜組 はも
錦織選手のキャリアの1stサーヴ率、1st/2ndサーヴ・ポイント勝率、1st+2ndサーヴ・ポイント勝率の合計、1stサーヴ・クォリティー(1st Sv P Won / 1st Sv In、勝手に鼻血1stサーヴ・クォリティーと命名、笑)をハードコートについて調査してみました。結果はこちらにあります。
◯ 1stサーヴ率は、昔から60%位で安定しているように見えます。1stサーヴ率を65%に上げて、フリー・ポイントがもっと取れるようになると、昨年サーヴが向上したゴファンのように、試合をもっと楽に運べるようになると思うのですが。
◯ 1st、2ndサーヴ・ポイント勝率は、年々少しずつ改善して上がってきています。最強サーヴだったのは2015年で、GS制覇の目安と考えられる分水嶺130%を達成していました(MSまたはGSで優勝してもおかしくなかったレベルだと思います。実際は2015年は全豪と全仏でQF、マドリードとカナダでSFなど)。
◯ 2018年はニューヨーク・オープン2R(2月14日)までの試合の平均です。サーヴ改造後、1stサーヴ率は下がっていますが、鼻血1stサーヴ・クォリティーは大幅に良くなっています。これから上位選手と当たって、好調なサーヴを維持できるかが見どころだと思います。
◯ 他のサーフェス(クレー、芝)やリターンについても時間あれば調査予定です。
◯ リターンについては、2016年がベストパフォーマンスだったことが既に分かっています。こちらの、2017年までのキャリアデータのまとめをご覧ください。禮本ブログ「【鼻血出た!!!】スーパーチリッチとの壮絶ラリーを制し、モンテカルロベスト4!!!(2018モンテカルロ準々決勝」(2018.04.21)に書いたコメントです。
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【2018年モンテ・カルロQFのチリッチのサーヴ解析】
先に報告した、これまでのチリッチのサーブの傾向について、モンテ・カルロQFの対錦織の試合のデータで調べてみました。サーヴの方向は目で見てカウントしたのでたぶんミスがあるだろうし、特にMid Sectionの定義をどうするのか(単に1/3のジオメトリーで区切るのか、ボディー・サーヴに限るのか)よく分からないので、大まかな傾向ですが、様子は分かると思います。まとめの図は前と同じくこちらから。本当はアド・サイドのパリティを逆にして、(コートを見た通りに)ワイドを左側、Tを右側にすべきなのですが、データの整理上逆です(やや見にくくてすみません)が、右利きの場合のFHとBHを明記しているので、分かるかと思います。
1stサーブ
◯ デュース・サイドは、これまでの記録以上にワイド(錦織FH)一辺倒だった。
◯ アド・サイドも、これまで以上にTセンター(錦織FH)狙いだった。2ndサーブ
◯ デュース・サイドは、これまでの記録と同じくTセンター(錦織BH)狙いだった。
◯ アド・サイドも、これまでと同じくワイド(錦織BH)狙いだった。要するにチリッチは、(これまでの他の試合と同様に)1stはFH、2ndはBHを狙ってくる。
ここまでは団長の解析と同じですが、面白いことに、被ブレークやタイブレークのアンダー・プレッシャー状況になると、チリッチは裏をかいてサービスのパターンを変えてきます。
◯ 錦織のBPチャンス(4/14コンバージョンだった)では、特にアド・サイドで、これまでとは逆にワイド(錦織BH)を狙ってくることが多かった(5/9回)。
◯ タイブレでも、それまでのパターンとは違って、散らしてきている印象(統計少ないのできちんとは言えませんが)。なので、これらアンダー・プレッシャーでのチリッチのサービス・パターンは憶えておくと次戦で役立つかもしれません。
禮本ブログ「【試合情報追加】2018モンテカルロ準決勝 vs. A.ズベレフ プレビュー【鼻血対象試合】」(2018.04.21)に書いたコメントです。
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【サシャ・ズヴェレフのサーヴ解析】
ATPのSv&Ret Trackerのデータを基にズヴェレフ弟のサーヴの傾向を調査してみました。グラフはこちらからです。左にアドバンテージ・サイド(左からワイド、ボディ、Tセンター)、右がデュース・サイド(左からTセンター、ボディ、ワイド)とコートを見た通りにして分かり易くしました(つもり、笑)。クレーとハード別で、それぞれ対戦相手の、全選手、右利き(大半の試合が右利きなので全選手データと大差ないです)、左利き(触れませんが様子はだいぶ変わります)別です。錦織との対戦データはありません。
概要は上で団長が纏めておられるとおりです。右利き選手相手(錦織)のデータをみると、
1stサーブ
◯ デュース・サイドは、Tセンター(BH)とワイド(FH)が半々です。
◯ アド・サイドは、Tセンター(FH)がワイド(BH)よりもやや多いです。
◯ ミドル・セクション(ボディ)は少ないです。
2ndサーブ
◯ デュース・サイドは、Tセンター(BH)とミドル(ボディ)が半々で、ワイド(FH)は少ないです。
◯ アド・サイドは、ミドル(ボディ)が圧倒的に多く、次いでワイド、Tセンターの順です。なので、1stはFH&2ndはBH側だったチリッチとは違って、ズヴェレフ弟は1stは左右に散らして、2ndはボディが多いのが特徴です。
禮本ブログ「錦織圭復活ッッ!!お帰りなさいこの舞台へ!!!そして明日、4年前の置き土産を取りに行こう!!!!(2018モンテカルロ準決勝)」(2018.04.22)に書いたコメントです。
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データ解析者現る。
【ナダルのサーヴ解析】
ご期待にお応えして(いや誰も期待してないか、笑)ATPのSv&Ret Trackerのデータを基にナダルのサーヴの傾向を調査してみました。プロットはこちらからです(決勝戦の観戦のお供にどーぞ)。
右利き選手相手のナダルのクレーのデータをみると、
1stサーブ
◯ デュース・サイド:Tセンター(BH)がワイド(FH)よりもやや多い。
◯ アド・サイド:ワイド(BH)がTセンター(FH)よりもやや多い。
◯ ミドル・セクション(ボディ)は少ない。
2ndサーブ
◯ デュース・サイド:Tセンター(BH)が多い。ミドル(ボディ)とワイド(FH)は少ない。
◯ アド・サイド:ワイド(BH)が多い。ミドル(ボディ)とTセンター(FH)は少ない。
なので、1st&2ndともBH狙いが多い。1stはFHにも打ってくる。【錦織戦のナダルのサーヴ】
上と少しだけ傾向が違います。ハード、クレー別にプロット。クレーのデータ(統計はあまりない)をみてみると、
1stサーブ
◯ デュース・サイド:Tセンター(BH)とワイド(FH)が半々。
◯ アド・サイド:こちらもワイド(BH)とTセンター(FH)が半々。
◯ ミドル・セクション(ボディ)は非常に少ない。
2ndサーブ
◯ デュース・サイド:ワイド(FH)がTセンター(BH)よりもやや多い。ミドル(ボディ)も打ってくる。
◯ アド・サイド:ワイド(BH)が多い。次にミドル(ボディ)。Tセンター(FH)は少ない。簡単に纏めると、1stはズヴェレフ弟同様にFH&BH両方に散らしてくる。2ndはデュース・サイドでこちらもFH&BH両方に散らしてくるが、アド・サイドでは主にBHを狙ってくる。
チリッチは1stはFH&2ndはBH側とワンパターンでしたが、BPやタイブレになるとパターンを変えて逆サイドに打ってきました。ズヴェレフ弟もデータ通りのサーブで、特に2ndはほとんどミドル・セクション(ボディ)に来ることが分かっていたので、錦織選手はそれをちゃんと読んでアタックしていたと思います。サーブの傾向は選手ごとに結構違ってたりして面白いですね。
禮たいへん申し訳ありません。上で書いた【ナダルのサーヴ解析】のデータはフェデラーのものです。団長から指摘を受けて初めて気がついたのですが、ATPのServe&Return Trackerの表示はデフォールトでナダルとなっていますが、内部データはフェデラーになっているためです。以下修正版です。
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【ナダルのサーヴ解析】
ATPのSv&Ret Trackerのデータを基にナダルのサーヴの傾向を調査。ハードとクレー別。対戦相手の、全選手、右利き(大半の試合が右利きなので全選手データと大差ない)、左利き別(だいぶ様子が変わる)。データのプロットはこちらから。右利き選手相手のクレーのデータをみると、
1stサーブ
◯ デュースとアドでパターンはほぼ同じ。
◯ デュース・サイド:Tセンター(BH)が多い。ワイド(FH)やミドル(ボディ)もある。
◯ アド・サイド:ワイド(BH)が多い。Tセンター(FH)やミドル(ボディ)もある。2ndサーブ
◯ デュース・サイド:Tセンター(BH)が多い。次いでミドル(ボディ)。ワイド(FH)は少ない。
◯ アド・サイド:ミドル(ボディ)が一番多い。次いでワイド(BH)。Tセンター(FH)は少ない。
なので、1st&2ndともBH狙いが多いが、特に2ndアドはボディに打ってくる。【錦織戦のナダルのサーヴ】
全コート、ハード、クレー別にプロット。ナダルのサービスは、全選手で見た場合、ハードとクレーでほぼ同じパターンだが、錦織戦になるとパターンが違っている(ただし数試合のデータなので統計が足りず、有意性には注意が必要)。1stサーブ
◯ デュース・サイド:Tセンター(BH)が多く、次にワイド(FH)。ミドル(ボディ)もある。クレーではTセンター(BH)が多かった。
◯ アド・サイド:Tセンター(FH)が多い。次いでミドル(ボディ)。ワイド(BH)もある。クレーでは逆にワイド(BH)が多かった。2ndサーブ
◯ デュース・サイド:Tセンター(BH)がミドル(ボディ)よりやや多い。ワイド(FH)はない。クレーでは100%Tセンター(BH)だった。
◯ アド・サイド:ミドル(ボディ)が多い。次いでワイド(BH)、Tセンター(FH)の順。纏めると、ナダルのサーヴは、デュース・サイドでは1stも2ndもTセンター(BH)中心にボディ、ワイドにも散らしてくるが、特に2ndのワイド(FH)はないとみてよい。アド・サイドではミドル(ボディ)が多い。クレーの錦織戦では他の試合と違って1stがワイド(BH)もあったので注意が必要。
禮【錦織の被コテンパン度byジョコビッチ】
2018年のマドリードR1で、錦織選手はジョコビッチに惜敗を喫し、錦織vsジョコビッチのH2Hは通算2:12になった。悔しいので(こういう時こそ)これまでの対戦の主なスタッツについて調査してみた。プロットはこちらから。
全体像
◯ 勝利した2011バーゼルと2014USOが分水嶺(http://ex.SV +Ret Games Won>100%)を越えているが、2016ローマは勝っておかしくなかった。
◯ よく知られているように、(疲労もあって)ファイナルズではジョコビッチにコテンパンにやられている(ほとんどが1-6か0-6)。
◯ 2018年マドリード(5-7 4-6)のスタッツは、殆ど同じと言ってよいくらい2016年マドリード(3-6 6-7(4))のそれに酷似している。◯ 通算サーブ勝率
1st 2nd 合計
ジョコ 77% 48% 125%
錦織 62% 41% 103%
◯ リターン勝率
ジョコ 38% 59% 97%
錦織 23% 52% 75%◯ 2018年マドリードの1st&2ndサーブのスタッツはそんなに悪くない。ジョコからみて、1st(2nd)リターン勝率をこれまでの平均38%(59%)を31%(57%)に押さえ込んだ。が、それぞれの勝率をあと+5%伸ばさないと勝てないだろう。DFが肝心な時に出てしまった。エースは少ない。
◯ 2018年マドリードの1st&2ndリターンのスタッツもそんなに悪くない。これまでは、ジョコからみた1st(2nd)サーブ勝率をこれまでの平均77%(48%)を72%(48%)に押さえ込んだ。こちらもそれぞれの勝率をあと+5%伸ばさないと互角の戦いにならない。
◯ ブレーク・ポイントでは、2018年マドリードではよく凌いでセーブした(4/7)が、とにかくコンバージョンできなかった(1/6)。
◯ BP率ではなく、重要な指標のBP機会でみると、2018年マドリードのBP危機はゲームあたり0.64で悪くなく、BPチャンスは0.55で機会がない訳ではなかった。纏めると、今回のマドリード対ジョコビッチ戦では、以前の対戦成績に比べて1stサーブに顕著な進化がみられた(2ndサーブは変わらず。甘く入ってウイナーをくらった)。サーブ&リターンそれぞれ1st+2nd合計で平均+10%伸ばさないと互角の戦いにならない。BP機会はあるのでCONV率上げたい。
白髪30%禮部長様、こちらにお邪魔します。
一つ質問というか、前々から気になっていた疑問があります。
ブログの方のコメント欄で、けんじ様が、錦織選手のプレースタイルはクレーよりも芝の方が適性があるのではないかという趣旨のコメントをしていらっしゃいました。私もそうかもしれないと感じているのですが、クレーより結果が出ていないことは否めないようです。そこで、サーフェス別のスタッツをクレイと芝で比較してみますと、次のような結果になっています。数字は、いずれもクレイ、芝、(芝の数値のクレーとの差)の順です。単純化のためにハードは抜きました。
サーブ
Ace/game 0.20 0.32 (1.6倍)
1st in 62% 64% (+2%)
1st won 70% 72% (+2%)
2nd won 53% 55% (+2%)リターン
1st RP won 34% 29% (-5%)
2nd RP won 54% 51% (-3%)BP
BP saved 65% 61% (-3%)
BP converted 43% 41% (-2%)クレーと比較して芝ではサーブ関連のスタッツが上昇し、リターン関係のスタッツが低下する傾向がはっきり見てとれます。(ただし、ポイント獲得率について言えば、リターンポイント獲得率の低下の方がサービスポイント獲得率の上昇より大きい。また小さな疑問として、ファーストが入る確率まで上昇するのはどうしてなんでしょう? サーブが入る確率にサーフェスの違いは関係ない気がするのですが、芝コートでは錦織選手の得意なサーブが使いやすいのでしょうか?) 気になるのはブレイクポイント関連のスタッツです。サーブ関係のスタッツが軒並み上昇しているのにもかかわらず、BPセーブ率は3%も低下しています。(他方、BP奪取率の方は、リターン関係のスタッツの低下に合わせて順当に低下している。) これはいったいどうしてなのでしょうか?
錦織選手はクレーシーズンが終わると疲れがたまってしまい、芝シーズンは力が十分に発揮できない傾向があるようにも感じておりまして、こうしたスタッツがどこまで意味を有するかもよく分からないのですが、その点も含めてご意見をいただきたいなと。
よろしくお願いします。
白髪30%すいません、BP savedの数値にミスがありました。
正しくは下の通りです。BP saved 65% 61% (-4%)
質問の趣旨に影響はありません。
禮白髪30%さま、
ご返事が遅れてしまい大変申し訳ありません。コメントには気がついてました。
スタッツですが、気をつけないといけないのは、十分な統計量があるかとその誤差です。サーブ率などの誤差をどう扱うのかはよく分かりませんが、一般には独立事象と考えれば二項分布の誤差になります。ですが、サーブ率とかは選手のコンディションに依るとことが大きいので、二項分布の真の確率pが一定かというとそんなことはないです。錦織選手の場合、60+ー15%、いや最近では50+ー20%で上下している(実際ハレのハチャノフ戦では第1セット60%以上だったのが第2セットは30%台に落ちた)と思います。なのでご指摘のサーブやリターン、BPのスタッツで、数%の違いはO(10%)ある誤差の範囲内で、確実なことは言えないと思います。
◯ 芝ではクレーよりサーフェスが速い(CPIが大きい、正確に言うと水平方向の速度を決める摩擦係数が芝では小さい)のでエースが出やすいのは確か。1stサーブインの確率はクレーでも芝でも1次的には関係ないような気がします。ただしサーブが入ってしまえば、芝の方がラリーの主導権を取り易いので、1stサーブポイント勝率は高くなると思いますが、ご指摘の数字ではあまり違わないですね。
◯ リターンのスタッツは、相手のサーブのスタッツと同じなので、リターンポイント勝率が芝の方が低くなっているのは予想通りかと思います。
◯ BPについてはサーブが効果的な芝の方がセーブし易く、またブレークしにくいはずですが、数字では数%の違いなので有意な差が出てませんね。これらのスタッツについては、一人の選手の場合だと統計量が少ない場合が大いので、できれば多数の選手(トップ50とかトップ100)のデータをみれば、傾向は割とはっきりすると思います。
白髪30%禮様、ご教示ありがとうございます。たぶん、完璧な内容のコメントなのだろうと思うのですが、文系頭の(しかも近年かなり鈍ってきている)小生にはすぐには理解できないところがありまして、少しゆっくり考えてからお返事します。ご容赦を。
なお、ここでこっそり告白しますと、小生は「だんだん剥げ剥げになり…」に指が反応しそうになるのをぐっと堪えたのであります(なぜかどや顔)。禮【全米オープン2018後のスタッツ】(データ:ATP World Tour)
2018年シーズンのグランド・スラムが終了して終盤戦を迎え、スタッツも溜まってきたので、キャリアや2018年の成績を振り返ってみます。データのソースはATPで、2018年のデータは正確には過去52週のデータで、2017年秋の結果を含みます(が、2018年のデータと基本的に大きな差はない)。錦織の場合は、昨年後半プレーしなかったので、厳密に2018年の結果です。
プロットはこちらです。
① キャリアのサーブvsリターン・ゲーム勝率(1ページ目のプロット)
◯ サーフェス(クレー、芝、ハード)ごとのサーブ及びリターン・ゲームの勝率の纏めです。三角形が小さいほどサーフェスの違いを苦にしないことになります。 灰色の斜めの線(合計勝率が一定)と並行なら、違うサーフェスでも同じパフォーマンスということになります。
◯ ナダルは、規格外と言っていいクレー型で、意外とサーブ型。フェデラーはグラスとハードが得意なサーブ型。ジョコビッチとマレーはバランスが取れたリターン型だが、ハードが一番得意。錦織もリターン型で、クレーが一番得意で次にグラスの成績が良い。禮② キャリアのサーブvsリターン・ゲーム勝率(年度別、2ページ目のプロット)
◯ フェデラーは、2018年のサービス・ゲームで最強のパフォーマンス。だが、昨年同様苦手のクレーでプレーしていないので、差し引く必要がある。何れにせよ長年安定したパフォーマンスは見事。
◯ ナダルは、今年は最強時代のパフォーマンスに近い。
◯ ジョコビッチのスタッツは、2018年前半はまだ回復途上だったのでスタッツはやや悪いが、夏以降無敵艦隊に完全に復活した。
◯ マレーは今年のデータなし。
◯ 錦織のスタッツが意外に悪い。2017年より悪い。(詳しくは以下参照)禮③ 錦織の2018年のパフォーマンス(各種スタッツ、3ページ目のプロット)
錦織は年初めはまだ回復途上でしたが、NYではSFに進出したし、統計的にデータを任意で取捨選択するのは良くないので、そのままデータをイジらずに解釈します。今年のグランド・スラムでで好成績を収めましたが、全般に調子の波があり、上位選手と早期ラウンドで当たるなどの影響で、スタッツは2017年よりも悪いです。以下、各種スタッツごとにみてみます。
a) サーブvsリターン・ゲーム勝率
合計勝率は約105%であまり良くはなく、2017年よりもかなり低い。これはストレートで勝った試合が少なく、もつれる試合が多かったことや、大会の序盤で強豪選手に当たって敗退したことが原因と思われる(通常はGS序盤などで下位選手と当たってスタッツを稼ぐ)。
b) サーブvsリターン 1st+2ndポイント合計
ゲーム勝率と同様に良くない数字。サーブ・ポイント合計は、サービング・フォームの改善&一球入魂(笑)があり2017年より少し良い数字になっているが、リターン・ポイント合計が2011年並みの悪い数字。全般にリターンが悪いのは事実で、今年指摘されてきた。
c) 1stサーブ・イン率 vs 1stサーブ・ポイント勝率
サービング・フォームの改良や一球入魂にしたが、実は1stサーブ確率は60%と2017年よりー2%悪くなっている。1stサーブ・ポイント勝率も2017年よりも少し悪い。つまり1stサーブ改善の効果はみられない。特に最近の試合でずっと1stサーブ・イン確率が55%程度と悪くなっており(セットによっては50%以下)、1stサーブ・イン確率を最低60%、出来れば65%まで上げてフリー・ポイントを増やしたい。
d) 1st vs 2ndサーブ・ポイント勝率
1stサーブ・ポイント勝率は2017年よりも少し悪い71%。2ndサーブ・ポイント勝率は、よく考えられたプレースメントと、(多分)スピン量を多めにしてサービスライン際に深く打ち込んでいて、勝率が54%と改善しているが、まだ2016年レベルではない。
禮e) エース vs ダブル・フォールト
1試合あたりのエースおよびダブル・フォールトは、2016−17年とほとんど変わっていない。フォームを改造したといっても、突然サーブ速度が上がった訳でもないので(結局プロネーションにしなかった)、今年のサーブのパフォーマンスは実は変わっていない。
f) 1st vs 2ndサーブ・リターンポイント勝率
1st、2ndサーブ・リターン両方とも悪くなっている。1stはー1.2%、2ndはー2.6%。確かにクラッチでの2ndサーブ・リターンのミスが目立つことが多い。相手に研究されて、手が届かないワイドや、ボディへの攻撃が多くなっているせいなのか?
g) ブレーク・ポイント セーブ vs コンバート
スタッツはやや悪化しているが、勝負強いことに変わりはない。
h) タイブレ勝率 vs 第3/5セット目勝率
デシジブ・セット勝率(第3/5セット目勝率)は約70%と変わっていないが、タイブレ勝率が非常に良く2018年は12/15で80%。これが、全米後のATPアンダー・プレッシャーの過去52週のレーティングで、太郎に次いで2位に付けている理由。タイブレは9連勝中。一見良いことだが、裏を返せば、ストレートで勝てたかもしれない試合が、立ち上がりが悪く、フルセットに縺れて、最後は実力差で勝つことが多い、とも言える。
纏め
◯ 右手首の大ケガから復帰した今年、モンテ・カルロ(準優勝)、ウインブルドン(初のベスト8進出)、全米オープン(準決勝進出)などで活躍したものの、まだ調子には波があり、また序盤戦で上位選手に当たったこともあり、2018年のスタッツは実はそんなに良くない。
◯ サーブは改善&一球入魂(笑)だが、数字自体は少し悪化。1stサーブイン率が特に最近の試合で悪い。2ndサーブはよく考えて打っており改善している。
◯ 得意のはずのリターンの数字が悪化している。特に2ndサーブのリターン。相手に錦織の弱点が研究されていると思われ、対策が必要。
◯ アンダー・プレッシャーでは、タイブレ勝率が非常に良い。だがMSやGS制覇のためには、3/5セットやタイブレに縺れず、体力を温存する戦いが必要。長々と失礼しました。
禮本ブログ「大坂なおみ、グランドスラム初優勝!!!!!!!!!(2018全米オープン決勝 vs. S.ウィリアムズ)」に投稿したコメントですが、記録のためこちらに貼り付けておきます。
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全く反応がない(自虐)スタッツ・ネタですが、WTAのトップ100選手の2018年のサーブ&リターンのデータをみてみました(データ元:WTA)。プロットは、こちらにあります。
A)サーブ&リターンゲーム勝率(1ページ目のプロット)
スタッツの中でも、実力を最も反映する指標の一つと考えられるのが、サーブ&リターンゲーム勝率です。このプロットが意味するのは、現在の実力でグループ分けすると(それぞれのグループ内でレシーブ型→サーブ型の順に)、
1)ハレプ
2)スティーブンス、ケルバー、ウォズニアッキ、スビトリナ、クビトバ、大坂
3)メルテンス、ベルテンス、ムルグッサ、セレナ
4)シャラポワ、セバストワ、キーズ、バーティ
となります。ハレプがサーブ&リターンゲーム勝率合計120%で抜け出していますが、それに続く大坂を含むグループは(サーブまたはリターンが得意はあるにしても)合計ポイントで同じで、見事に横一直線です。その他のトップ10のプリスコバとガルシアは、リターンが悪いです。昨年ローラン・ギャロスを制したオスタペンコは今年絶不調です。
過去3年間のGS覇者は、2017年RGのオスタペンコ以外全員グループ1−3、準優勝もほぼ全員がグループ1−4です。グループ1&2から誰がGS制覇してもおかしくないと思います(実際、2017−18年のGS制覇は8人全員名前が違います)。従って、大坂がまたGS制覇する可能性は大きいと思いますが、サーフェスの得意な順番でいうと、USO=AO>WB>RGの順番でしょうか。
B)1st&2ndサーブポイント勝率(2ページ目のプロット)
ビッグサーバーは、セレナ、バーティ、ゲルゲスら(後者二人はあまり知りません)ですが、現在のトップ10がビッグサーバーという訳ではないです。大坂は1stサーブも2ndサーブもバランスが取れたスタッツです。
C)1st&2ndサーブリターンポイント勝率(3ページ目のプロット)
トップ10でリターンが良いのは、ハレプ、スティーブンス、ケルバー、ウォズニアッキ、オスタペンコらです。メルテンス、カサトキナ、シャラポワ、謝淑薇らもリターンが良いですね。 大坂はリターンを強化したいところです。
D)ATPとWTAの比較(3−6ページ目のプロット)
サービス&リターンゲーム勝率、サーブ&リターンポイント勝率で見ると、男女のテニスには明確な差があり、それぞれトップ100選手について成績をプロットしてみると、ほとんど男女の重なりがなく別れています(ちょっとビックリ)。トップ100の平均的な(勝率5割)選手でみると、男子(女子)選手は5(3)ゲームに1回ブレークしていることになります。なので、女子選手の試合の方が圧倒的にブレークが多い、ということになります。この違いの主要な原因は、たぶんサーブだと思います。
纏めると、スタッツから見た大坂選手のプレースタイルは見た通りサーブ型で、男子選手でいうとツォンガ、ミロッチ、キリオスあたりに相当するということになりますが、リターンを強化すればさらに強くなる余地がある、ということです。
禮【ビッグ4+錦織のスタッツ】(データ:ATP )
2019年のシーズンは始まったばかりですが、2018年と2019年第1週を終わってのスタッツを調べてみました。図はこちらからです。
1)ビッグ4+錦織のサービス&リターンゲーム勝率(1ページ目)
2018年末までのキャリアデータで、サービスゲームとリターンゲームの勝率をサーフェスごとにみてみます(グラスではサーバー、クレーではリターナーに有利なのでスタッツはサーフェスごとにかなり違います。
◯ ナダル:よく知られているよにクレーで宇宙人的な数字です(笑)
◯ フェデラー:良いサーブによる攻撃的なプレーでハード&グラスで好成績
◯ ジョコビッチ:全てのサーフェスで均衡がとれた選手です
◯ マレー:守備型選手ですがグラスで強いです
◯ 錦織:キャリアではグラスが苦手でしたが、昨年進歩しました2)ビッグ4+錦織のサービス&リターンゲーム勝率(2ページ目)
2018年のデータ(実線)、キャリアデータ(破線)、さらにジョコビッチと錦織の2019年のデータ(四角)です。
◯ ナダル:2018年はクレーとグラスでさらに強くなっていたことが分かります
◯ フェデラー:サーブはさらに進化してましたが、リターンのパフォーマンスは落ちました
◯ ジョビッチ:昨年前半は右肘故障からの復帰で苦労しましたが、後半からまた不沈艦船時代へ戻ったかのようなハイレベルなパフォーマンスでした
◯ マレー:データなし
◯ 錦織:2018年は右手首故障からの復帰年だったので平均のパフォーマンスは落ちましたが、後半好調で2019年ジャンプスタートです。3)ビッグ4+錦織のスタッツ(3、4ページ目)
まだ2019年の第1週を終わったばかりですが、2019年のスタッツを年ごとのキャリアデータに追加しました。
ブリスベーン4試合(4Wー0L)を終わっての錦織のパフォーマンスを、各スタッツごとにみると
a)錦織の合計勝率は、GS優勝の分水嶺とみているサービスゲームvsリターンゲーム勝率合計115%を大きく超える91+34=125%です
c)錦織の1stサーブイン平均65%は良い数字です
d)重要な1st&2ndサーブポイント勝率で2019年飛躍的進化を遂げてフェデラー並みの数字です
e)エースがやや増えDFの数字は例年並みです
f)重要な1st&2ndサーブリターンポイント勝率で2019年飛躍的進化を遂げて全盛時のジョコビッチ並みの数字です
g)BPコンバージョン率は例年並みですが、BPセーブ率が56%に落ちています
h)タイブレはまだなし。第3セットは100%→ 纏めると、錦織は2019年サービス&リターンともに大きく進化しています。もちろん優勝した大会で数字が良いのは当たり前ですが、クドラ(63位)、ディミトロフ(19位)、シャルディ(40位)、メドヴェデフ(16位)というかなりレベルが高い相手の数字でこの数字は立派だと思います。この調子を維持すれば、錦織のスタッツはGS優勝を狙えるレベルであり、MS&GS優勝も遠くないと太鼓判です(笑)。というか、逆に言うと、ビッグ4の全盛期はブリスベーンの錦織レベルのパフォーマンスを年間通じて維持してるのが驚異的というべきですね。
禮本ブログ「力負けの敗戦だが、セカンドセットはやるべきことはやっていた(2019マドリッド3回戦 vs. バブリンカ レビュー)」に投稿したコメントですが、記録のためこちらに貼り付けておきます。
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【錦織のサービス返球率】
今季の錦織のサービス返球率について調べてみました。データはテニスTV(セット毎と試合終了後にスタッツが出ます)からです。
モンテ・カルロとマドリードのホーク・アイのデータが存在する全試合について、サービス返球率vsリターン・ポイント勝率をプロットしたのがこちらの図です。
◯ サービス返球率とリターン・ポイント勝率の間には相関がある。相関係数(スロープ)は、モンテ・カルロで49%(0.63)、マドリードで60%(0.58)。
◯ モンテ・カルロでは、記録のある全試合で、錦織のサービス返球率65%が最低記録だった(ちょっとショッキング)。もちろんビッグサーバー相手や負け試合では悪くなり、エルベールのサービスが良かったのは確かですが。
◯ マドリードでは、錦織のサービス返球率はデリエン戦で73%に留まったが、リターン・ポイント勝率は48%とまずまずだった。だが、ワウリンカ戦はサービス返球率63%、リターン・ポイント勝率は21%と非常に低い数字だった。◯ 今季データのあるMS(IW、マイアミ、モンテ・カルロ、マドリード)のサービス返球率は、いずれも対戦相手より低く平均で72%(対戦相手平均81%より10%近くも低い)と、MSレベルの選手で最低のレベルに近い。対戦相手は必ずしも手に負えないビッグサーバーばかりではなかった。
2019年サービス返球率
マドリード R3 63% ワウリンカ 80%
R2 73% デリエン 82%
モンテ・カルロ R2 65% エルベール 73%
マイアミ R2 80% ラヨビッチ 87%
IW R3 74% フルカッツ 80%
R2 76% マナリノ 83%
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
平均 72% 81%◯ 今季IW以後の不調の理由の一つがサービス返球率の低さなのは明らか。
◯ 悪化の理由が動体視力の低下とは思わないが、反応が鈍かったり、サーブが(研究不足か)読めてなかったり、最近はリターンで下がっているが間違ったタイミングでセカンドアタックしたりとリターンがちぐはぐ。
◯ リターンが武器の錦織なら、サービス返球率は最低でも8割、出来ればトッププレーヤーの9割を目指して欲しい。
◯ サービス返球率が錦織の調子のバロメーター(の一つ)という団長の指摘は正しいと思います。禮本ブログ「2019ローマ2回戦 vs. フリッツ プレビュー」に投稿したコメントですが、記録のためこちらに貼り付けておきます。
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【2018ー2019年の錦織のサービスリターン】
モンテ・カルロとマドリードのホーク・アイのデータが存在する全試合についてサービス返球率を調べましたが、平均サービス返球率は以下のとおりでした(もちろん参加選手は若干違いますが、大きな影響はないと思います)。
モンテ・カルロ 82.9 ± 6.4%
マドリード 76.5 ± 8.9%マドリードの会場は高地(Caja Mágicaの標高約650m)なので、空気密度が海抜0mよりも−7%薄いため、ボールが飛びます。このためサーフェスがクレーで遅いにも関わらず、エース率はIW並みです。このため当然リターン率は低くなります。錦織は、参加選手中ほぼ最低のリターン率でした。
Return_Rate_2019.pdf – Google ドライブ
そこで、ATPセカンド・スクリーンのデータがある昨年の上海以降の錦織のMS11試合について調べてみました。スタッツは少ないですが、傾向は分かるはずです。各パラーメーターについて、クレーとハード別に、勝った試合(closed circle)と負けた試合(open circle)ごとにプロットしたのが以下の図です。
Return_Rate_Nisihkori.pdf – Google ドライブ
1)ファースト vs セカンド返球率
◯ クレーでの返球率が悪い。MCのエルベール戦やマドリードのワウリンカ戦ではリターンが極端に悪かった。負けた試合では特にファーストのリターンが悪い。
◯ 錦織は、勝った試合ではファーストもセカンドも約70%以上の確率で返している(上海のクェリー以外)。2)ファースト返球率 vs リターン・ポイント勝率
◯ リターンを返せばポイント勝率は上がるので、当然ながら正の相関がある。ハモ理論ではファースト・ポイント勝率が最も大事。(上海のクェリー以外)勝った試合では返球率7割以上。マイアミ対ラヨビッチ戦ではファーストを8割返したが試合には負けた。
3)セカンド返球率 vs リターン・ポイント勝率
◯ 勝った試合では返球率7割以上だが、相関はあまりないように見える。クレーでのセカンドの返球率がハードに比べて低く、リターン・ポイント勝率も低かった。
4)ファースト・リターン打点の高さ vs ファースト返球率
◯ ファースト・リターンの打点が1.3m以上だと負ける試合が多い。クレーは跳ねるので、打点が高い。
5)ファースト・リターン位置 vs ファースト返球率
◯ リターン位置と返球率には負の相関があるように見える。フルカッツやワウリンカ戦では下がったからといって返球率が良いわけではなかった。
6)セカンド・リターン打点の高さ vs セカンド返球率
◯ セカンド・リターンの打点と返球率には負の相関があるように見える。キックサーブを打たれるので、セカンドの打点はファーストよりも20cm位高い。特にクレーではよく跳ねるので打点が高く、リターンに苦労しているのが窺える。
7)セカンド・リターン位置 vs セカンド返球率
◯ 通常錦織はセカンドはベースライン際に立ってアタックするはず。が、フルカッツやワウリンカ戦ではかなり下がった。ファースト同様、下がったからといって返球率が良いわけではなかった。
【纏め】
◯ モンテ・カルロやマドリードでは錦織のサービス・リターンが極端に悪かったが、勝った試合ではファーストは7割、セカンドは試合によっては9割以上返している。
◯ 跳ねるクレーで高い打点の場合に、サービス・リターンに苦労しているのがみてとれる。また、リターン位置は、下がったからといってサービス返球率が良くなったわけではなかった。
◯ リターンをいろいろと工夫しているが、本来はセカンドはベースラインからアタックできる選手。サービス返球率がクレーで低いのは、跳ねるコートによる高い打点が理由の一つではないか?と考えます。下団 @名古屋☝️2ndサーブを踏み込んでライジングで叩きたいですが、ミスヒットした場合の手首への負担が怖いです。
もちろんですが、下がっても高く跳ねる球の対処も難しい…😢
ジャンピングショットで対処するとすれば、どうしても不安定になりやすいですし、着地時の下半身への負担も大きいです😱
困難な状況下だとは思いますが、どこかで自信を取り戻して好循環になってほしいですね😤 -
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